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提供価値の求め方

昨日業者の方から「これはもう少し箱のサイズを変えた方が効率が良いのではないでしょうか?」という提案を受けました。

しかし、それは相手先にとっての最適な箱であり、変えられる部分ではないのでお断りさせていただきました。

確かに変更した方が自社としては最適かもしれません。しかしなぜ箱に入れるのか?それは相手先が管理しやすく運びやすいために入れているのです。

おそらくなぜこの箱に入れているのか?までは考えていなかったのでしょう。しかしこの定数だと思っていた部分が変数ではないのか?と疑うのはすごく大切なことなのです。


なぜなら提供価値=定数−変数であるからです。つまりは変数を求めれば提供価値につながる。つまり提供価値と変数はイコールなのです。

もし今の職場で、あなたが価値を提供できていないと思う人は変数を求められていないということにつながるのです。

例えば1800年の前半に電球ができた時。それまでは松明や蝋燭の火を絶やすと街は暗闇でした。しかしその《火を灯し続ける》という定数だった物を変数(電球)を発明したジョゼフスワンによって定数から電球(変数)が引かれて提供価値になった。

そしてさらにその電球という定数から安定性という変数を作ったのがエジソンです。これでなにが述べたいかというと、つまりは当たり前=定数であるということです。

当たり前を疑う

そこからあなたの提供価値を知るには、どこが変数かを見分けなければならないということです。

もう少し具体例を出してみましょう。例えば携帯電話。iPhoneが出るまでは日本の携帯電話を作っていた会社はずっと「どこよりも薄い!」や「高画質のカメラ!」などを変数としていて《携帯電話》の機能、処し方を変数として捉えていました。

しかしiPhoneは持ち運びできるパソコンつまりスマートフォンという携帯電話の《概念や在り方》を変数として捉えたのです。

そこが優秀な技術を打ち出した日本と、概念や在り方を打ち出した(そこを変数と捉えた)Appleとの提供価値の差分なのです。

例えばあなたがもし社長や上司にこれからは、内製化の時代だ。全員全ての作業を内製できるように準備しろ!と言われたとしたらあなたはどこを定数でどこを変数にするでしょうか?

内製化する、自社ですべてを賄うというのを定数とした場合。そのためには従業員の教育が必要。そのためには長年の時間がかかってしまう。しかしそれは機会の損失になるのではないか。などという議論ができそうですよね。

しかし、もし。内製化を進めるというものの自社で賄うという部分を変数だと捉えたら。他の会社をM&Aしてしまって自社にしてしまうという発想もありますよね。

つまり仕事のやり方には定数。と思っていたが実は変数だったりするものがたくさんあるのです。

経営者の仕事は


そしてこれは、従業員側の理論であり経営者側の理論はまた違うことになります。

経営者側の仕事というのは定数を定数として定めることが仕事なのです。

売り上げを上げろ手段は厭わない。

となると、売り上げを上げるために従業員たちは血眼になって新規顧客をボンボンボンボン取ってきます。そして自社の工場やサプライヤーなんかが潰れてしまう。というリスクがあるんです。無茶な発注に耐えきれなくなるということですね。

つまり経営者は手段を決めることも大事だということです。つまりは定数を定数とすることが大事なのです。

どんなやり方でもいいから成績を上げてこい!などというと不正の温床になりかねません。

事業がどの方向に向かい、どのようにしていくのかというビジョンは経営者にしか手がけられません。従業員がそんなビジョンを描いたところで社長が、いやそれはしたくないんだけど、と思ったらそれでおしまいです。だからこそ経営者は定数を定数として定めることが仕事になってくるのです。

そして。コンサルタントの仕事というものがありますよね。

それは、この経営者が定数を定数としたことをまた変数に戻すというのが仕事なわけです。

それが、コンサルタントの提供できる価値というものではないでしょうか?別にこっちの方が良さそうなんじゃないかなぁとだまくらかせという話ではありません。

あまりにも手段に固執しすぎて目的を忘れてしまっている経営者をコンサルタントが諭してあげる。また別の道に導いてあげる。本当のゴールを見せてあげるというのが、コンサルタントの提供価値なのではないでしょうか。それは、従業員にはできません。

なぜなら同じ目線に立つことは絶対にないからです。なぜならば経営者から給料をもらっているからです。

同じ目線に立てないからこそ

経営者は結局のところ経営者の目線を従業員が持っているなどということは思わないのです。例えば中間管理職は部下に対して上司と同じ視点を持っているなどとは思っていません。(たまに勘違いしてしまう時もありますが)

同じ目線に立てないからこそ部下と上司なのです。本当に部下と上司が同じ目線に立てるのならばあなたは部下と変えられてしまうでしょう。

どこを変数と捉えるか?定数からどれだけ変数を見つけられるか?それが課題解決能力であり提供できうる最高の価値なのです。

そして変数の広さは役職が上がれば上がるほど広くなります。また、広くならなければならないのです。そうでなくては役職が上がる意味がない。

あなたも明日から変数探しの旅に出てみましょう。変数が提供価値なのですから。

それでは、また、月曜日に。

あどりでした。

《スキやコメントありがとうございます。毎回楽しみにしています。そしてシェアやフォローしていただけるとすごく嬉しいです。それでは!》

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