育てられるのが当たり前!そう思う、みにくい赤子のあなたへ


人はコストなのか?それともコストではないのか?という論争は意見が分かれますよね。

私は人は資源にはなるが、資産にはならないと感じています。なぜなら資産にできる時代ではなくなって来たからです。

つまり流動的になって来たということです。元々日本の雇用は"ムラの民"として人を雇っていました。このムラの民は生涯会社の資産になる代わりに安定した賃金(年齢によって上がっていく)が前提でした。

そのファクトを厚生労働省の中途採用の賃金の推移から読み解いてみましょう。

まず、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、2023年の中途採用者の平均月給は36.7万円でした。

これは、2022年の35.6万円から3.1%上昇したことを示しています。また、中途採用者の平均月給は、2019年から2023年までの5年間で8.8%増加しています。

これは、一般労働者の平均月給の3.9%増加よりも高い割合です。

次に、日本経済新聞の記事によると、2022年の中途採用者のうち、前職よりも給与が1割以上増えた人は33%に達しました。これは、過去最高の割合であり、前年の28%から5ポイント上昇したことを示しています。一方、給与が1割以上減った人は14%であり、前年の17%から3ポイント減少しました。

以上のデータから、中途採用の賃金は上昇傾向にあると言えます。

つまりこのデータから現代は、今の会社ムラに所属することにより、用意されていたはずのハシゴや、ハンモックすらもぎ取られていっていると捉えられます。

つまり、私やあなたが気づいたときには、会社というムラはムラの体をなさなくなってしまっているのです。

だからこそ、現在では労働者はムラの民ではなく、遊牧民族が集うゲル(移動式住居)のようになってきているのです。

そうなると人は流動的になります。ならば資産にカウントするのではなく、資源や資材と見るのが正しいのではないでしょうか?

ゆえに私は下のポストは真実であると思います。

解釈の余地はない。たしかにそうでしょう。このポストについていたリプには、管理職は部下を育てるなんて当たり前だろ。みたいなものがありました。

なんとおぞましい考え方なのでしょうか?

自分が育てられる対象であると、大の大人が年端もいかぬ子供のように信じて疑わないのです。まるで綺麗な花が踏まれることはないと咲くかの如く。

部下を育てるメリット

確かに部下を育ててプロジェクトを推進していくのは、管理職の仕事です。しかしながら、仕事というのは人、金、物、という今ある資源を使い進めなければなりません。

ならばマネージャーは今の資源でどうするか?を考えなくてはなりません。その中で多少成長させなくてはいけない部下も出てくるでしょう。

しかし、最低限のコストで最適化しなければいけません。なぜならばマネージャーの時間は有限だからです。

自分の時間を作って部下を育てる。その後で自分の仕事を終わらせる。もしくは自分の仕事を少しずつ任せながら部下を育てていく。それが理想的な会社でしょう。

しかし、今の日本の会社にそんな余裕はありません。中間管理職は完全なるプレイングマネージャー化してしまっています。つまり、ただただ仕事量が、部下の数の総量と自分の仕事の合算値になってしまっているのです。

それで部下を育てるなんて当たり前だろ。って言われてもはっきり言って不可能に近いでしょう。

と、いうよりもそもそもの疑問として、部下を育てるメリットとはなんでしょうか?

ドラッカーは、マネジメントは「組織の成果に責任を持つ者」と定義しました。そのためには、部下に自立性と貢献意欲を持たせることが重要です。部下を育てる理由は次のように定義できます。

部下を育てることで、部下の強みや能力を最大限に活用できます。部下が自分の仕事に責任を持ち、成果を出すことができれば、組織全体のパフォーマンスも向上します。

最大限に活用できれば、最小のコストで最大の成果をもたらすことになります。

会社は組織です。組織は何をなすべきか?機能は何か?を突き詰めることによって社会、コミュニティ、個人のニーズに応えることができます。

それが会社という組織の持つ機能です。つまりは会社は機能でしか無いのです。

部下を育てることで、部下のやる気やモチベーションを高めることができます。部下が自分の仕事に意味や価値を感じ、やりがいを持てば、組織に対する忠誠心や満足度も高まります。

忠誠心は飴やムチで無理に作ることは不可能です。教育と責任のある仕事でしか忠誠心は生まれません。つまり仕事に誇りを持つことです。

プロ野球選手やプロのサッカー選手が怒られるからまたは、報酬が得られるから努力するのでしょうか?

そうではありませんよね?プロ野球選手もプロサッカー選手も自分のプレーに誇りを持っています。だからこそ一つのプレーに責任を持っているのです。

部下を育てることで、部下の成長や発展を促進することができます。部下が自分の仕事に挑戦や創造性を持ち込めば、組織に対する革新や改善も生まれます。

なぜ日本の組織に挑戦や創造が生まれにくいか?それは言われたことをやっていれば大丈夫だと思っているからです。

しかしとっくにそんな時代は終わりました。上司や経営者でさえ答えを持ち得ない時代です。それなのに、経営者や上司の言われたことだけやっていてうまくいくでしょうか?

答えは当然ながらNOでしょう。答えがない時代だからこそ、部下を成長させ新しい目として活躍してもらうしかないのです。

上記のようなことがメリットになります。もちろん中間管理職はマネジメントをする立場(機能)です。だからこそ部下を育てて機能を果たすことが仕事だというのはあなたも理解できるでしょう。

何度も言いますが立場というものは機能でしかありません。つまり立場を持つものは機能を果たさなくてはならないのです。

相手の利益を考える

機能を果たさないものは無能とされますが、しかし考えてみてください。上記した内容でマネージャーに利点はいくつあったでしょうか?

そうです。会社としての視点でみたら利点だらけです。ですが本来マネージャーにとっての利というものはそんなにありません。

利点つまり給与で考えてみましょう。

厚生労働省が発表した令和2年「賃金構造基本統計調査」によると、部長の給与平均値は男性が60万1,700円、女性が52万500円。 課長の給与平均値は男性が49万9,000円、女性が44万3,100円でした。

同調査の非役職者の給与平均値は男性が29万8,300円、女性が24万8,100円なので、部長職との年収差は、年間約300万も出ることが分かっています。

しかし、考えてみてください?部長ともなれば仕事量は爆増します。逆説的に考えると、その賃金差は300万しかないのです。

マネジメントされて当然である。とおっしゃる方には(あなたを)マネジメントすることにより、(マネージャーに)利益がほんとうにあるのかどうかを考えることをおすすめします。

成長を他人に委ねると起こる最悪の結果

もう一つ大事な事があります。それは成長を、成長というものをマネジメントされる側が上司に委ねても良いのでしょうか?という事です。

例えば楽しいことって続きますよね?ではなぜ楽しいことって楽しいのでしょうか?

それは成長するからではないでしょうか?

例えばスポーツでは、ゴルフの飛距離が伸びる、思ったところにボールを落とせる。これは成長の楽しみがスポーツの楽しみにつながっていますよね?

他にも学生時代の部活動もそうですよね?少しずつでもできなかった事ができるようになる。この成長実感から人は楽しみをもち、継続できるのです。

逆にスポーツをしていて、成長しないと感じたらその人はそのスポーツを一生続けられるでしょうか?答えはわかりきっていますよね。

つまり成長というものは人間の楽しみなのです。

前頭前野は記憶や感情を司る脳の一部ですが、前頭前野はストレスを感じると萎縮し思考力や判断力を低下させます。

海馬もそうです。海馬は脳の一時記憶装置です。必要な情報は海馬から大脳皮質に移され長期保存されます。そしてその海馬は扁桃体という好き嫌いを判断する部位の近くにあります。

つまり扁桃体の反応が海馬に作用します。つまり嫌だとか嫌いであるものは人間覚えられないのです。また嫌だ嫌いはストレスとなります。それは前頭前野の働きを阻害してしまうのです。

成長というのは知的好奇心から起きます。車が好きな人は車を見るだけでどんな車種かわかりますよね?それは脳が好きなものは大切なものと判断して記憶に残しているのです。

つまり成長を他人に(上司に)委ねてしまえば、あなたの楽しみを奪うどころか、成長を阻害する要因(脳の機能の低下)を引き起こしてしまうのです。

自分自身の成長(楽しみ)を手放し、相手の利益がほんとうにあるのかどうかも考えず、当然のようにマネジメントをしろ!と考える。まるでオムツをかえろと泣きじゃくる、赤子のようではないでしょうか?

いえ、赤子に失礼でしたね。赤ちゃんには知的好奇心があります。そのような方には知的好奇心などないのですから。

それに赤ちゃんには育てられる可愛らしさもあります。その上これからを期待できます。

マネジメントをするのは当たり前だろ!そう言った方にはこれからというものはあるのでしょうかね?

あなたには知的好奇心をもち、相手の利益を考える大人であることを期待しています。

それでは、また、次回。

あどりでした。

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