見出し画像

文系マーケティングと数理モデル

今日は専門のサイエンティストや技術家には何を今更という恥ずかしい話をします。私は文理系の二択なら文系のサイドです。専門的な技術話はまだできないヒヨッコのデジタルマーケの人間です。

大学卒業後アクセスログの計測会社に入社してから、13年間IT企業を渡り歩いています。やってきたことは分析だったり、広告運用だったりデジタルマーケティングのお客さん向き合いの仕事。数字や計算が必要になる仕事と企画力でした。

計算といっても、過去に起きていたことを集計したり、組み合わせたりの程度。データの連続的な動きの中から予測、分類しロジカルに人に説明する経験は多くありませんでした。

ただ最近、ビッグデータの中からデータ生成のモデルを解明したり、トレンドをみて将来を予測することがマーケティング担当者にも求められて来ていると強く感じるようになってきました。自分がいる職場のデータ環境が強く影響しているのだと思います。売上傾向を予測、買いそうな人にラベルづけ、マーケティング業務をしていく中で誰もが知りたい情報を経験、勘に加えてロジックで作れることで説得力のある施策づくりが必要だな今までよりも強く思うようになってきています。(これまでは他人事だったかもしれない)

文系出身で高校生で数学とは距離が遠のいているという背景の中で、デジマの世界にいると便利ツールがあるならツールに任せてあとはよろしく!!というスタンスだったわけです。AIで、ババババ、クルット。ワンクリックで、結果が分かり売上改善いうサービスをたくさん導入してマーケティングスタックを構築したらいいじゃない。分析データはトレジャーデータなどに入れて統一環境の中でダッシュボード構築をして意思決定を高速に!というふうに思っていました。 

もちろん事業規模や特定業種ではいい場合もあります。しかし効果をだすために考え方も一部修正することが必要になってきまして、、、それだと結果が出ても、成功の因果関係を自分のナレッジとして掴むことが出来ない。再現性と応用を仕組み化できないことに気持ち悪くなってきました。

最近そう思って、改めて便利ツールを仕組みを構成している部分がどんなロジックなのか調べることにしています。しかしシステム的な説明を丁寧にされているものは少ない、担当者に聞いても明確には教えてもらえない。知りたいを調べる研究体質。でも文系で調べる方法が分からない。

じゃあどうやって解決したのか。が今日のテーマです。

数理モデルというジャンルに出会うまで


この話は本当は自分が代理店にいた5年くらい前からはじります。広告主への提案活動の中でツール起点で売上上がりますよ。これがマーケティングオートメーションの魅力です!すごいでしょ!と言っている自分を客観視して、本当に売上改善するのと信じてるのか?と疑問に思ったからでした。同じ話はアクセス解析ツールや、広告運用でも言える話で、手法やフレームワーク、ツールが乱立。しかしノウハウはあるが、ロジックがなく職人技術の伝承でうけつがれていくそんな世界に疑問を感じていました。

様々マーケティングツールを使いこなす伝説の手引き書が代理店やベンダーで作成され引き継がれていきながら、少しづつ漏れ伝わりながらオリジナルエッセンスが加えられる。こんな曖昧な世界はなんか気持ち悪いぞと代理店思い飛び出したのが5年前くらい。

そこから統計、SQLを学んだりエンジニアに意図的に絡みにいったりと、デジタルマーケティングのデジタル側を知ることにチャレンジしてきた。データエンジニアの横に座って仕事してみたりと何かヒントはないかと探ってみたりもしてみました。

ただ手探りでやっているので時間がかかりますし、部分的にはわかっても大枠の流れをつかむことができず。。。今振り返ってみる(といってもつい最近ブレークスルーしたばかりですが)と大きな原因を探ってみると検索キーワードを知らないこと大きいのかなという印象でした。

広告運用の最適化をしたいなら、【ロジックツリー】というキーワードを知っていれば分かりやすい記事にはすぐ見つかりますよね。これは現場で流通する言葉だったり広告運用の本で見かけるから簡単に思いつきます。

しかし売上改善を目指して、【買いたい人 調べる】で検索しても分析的な観点で深い記事はあまり見つかりません。便利なマーケティングツールは広告枠に並びます。マーケティングサイドの人間からすると、これ以上の専門的なキーワードを知らなければ、前に進めなくなってしまうわけで、これが自分のハマった大きな溝でした。

しかし最近になってようやくメールのABCテストの最適化問題、売上予測などなどのいろんなマーケティングツールに搭載されている機能が何をしているのかを薄い概念レベルではあるがたどり着く光が見え始めています。

そこにたどり着くきっかけになったのは、数理モデルについて書かれてある何冊かの本。アマゾンで検索するとたくさん出てきます。どの本も文系には漢文の教科書みたいに意味は全くつかめないし、数式に出てくる記号の読み方や役割はもっと勉強が必要。ただ収穫だったのは自分が知りたくて探しまわっていた仕組みのヒントがたくさん書かれてあり、マーケティング分野に応用するとできる事も補足してあることでした。

エンジニアと同じ目線で会話できるメリット


数理モデルで、できることを知ると社内の技術者とも違う切り口で話ができるようになりました。数学的なアプローチから入り、世の中でどんな分野で使われているか事例ベースでディスカッションするとあらたな解決策につながる次のヒントもエンジニアの口から出てきやすくなると感じました。

その過程を得た知識をもってマーケティングサイドに戻ってくると、解決したい問題に対しては先行研究されているマーケティングに関わる論文なども探し出せる検索力もたかまりさらに視野が広がつつある印象です。

それでも論文に書かれてある内容は分からないので、冒頭の研究テーマの方向性を読んでできる事の可能性の幅を集めている段階ですが、感覚、ロジックが無くなんか気持ち悪いぞ!のステージは突破できたかなと思います。

ここまで書いてきて始めてから、数理モデルの本を読めばいいじゃないかとは思うでしょうが、このキーワードに出会うまでには遠回りにも見える今までのエンジニアの方々から教えてもらったり会話してもらって知りえた知見との出会いがあってだと思います。ありがとうございます。

それくらい、デジタルマーケティングのデジタルとマーケティングには、遠い距離感が本当は潜み隠れているということをデジタルマーケティングの世界で10年くらいいますが気づき始めています。ツールで便利に何でもできる世の中で、マーケティングテクノロジー領域では8000を超えるサービスがあると言われていますが、その裏には一つづつ仕組みを実現するロジックが存在しているんだろうとしみじみ実感していますしツール会社に在籍していたときにもっと深い議論をしたかったなと少し後悔したりという思いはありますが知りたい欲求は終わりなき旅は始まったように思います。

冒頭のマーケティングと数理モデルのタイトルの意味に戻りますが、文系だから分からないは、もう通じなくて高度に成長している社会の中では次々に自分自身で成長していくチャンスをつかみ取らないと出遅れてしまうんだろうなと業務を通じて強く思い始めています。

なんとなく、勘、経験、ブラックボックスツールも大事なセンサーですが、これからはプラスして再現性あるロジックの理解も加えマーケティング施策を展開する力もあるといいなと体験を通してチャレンジしている毎日の気づきでした。

中野。

最後までお読みいただきありがとうございます。よろしければサポートお願いします。