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【Meta広告】CPM激動の中で成果を安定させる運用の考え方

【はじめに】
今回のnoteは
中期的に成果安定化しつつ配信伸長する方法」にフォーカスしています。
短期間でのCV最大化」とは運用方法が異なる旨ご了承ください。

お疲れ様です。あどまると申します。

Meta広告を運用していると

「なぜか急に成果が悪化した...」
「これまで効果良かった広告でCVつかなくなった...」
「日予算を上げるとCPAが上がる...」

など、成果のブレに悩むことが多いかと思います。

今回は「どうしたらCPMのぶれを抑え、成果を安定させつつ配信を伸長させられるか?」をこれまでの運用経験をもとに、少し深ぼってみました。

※今回の考察は完全に個人の見解です。
1つの意見として見ていただけると嬉しいです。

なお、今回のnoteはこれまで運用してきた以下の経験をもとに、自分の運用方法を一部言語化している内容です。

いずれのジャンルでもCPA抑制・配信伸長した実績があるので、一定の汎用性はあるかと感じています。

・ジャンル:通販(サプリ・美容系・男性向け商材など)、EC、人材、金融、店舗集客、スクール、リード系、アプリetc…など
・運用額:月100~3,500万ほどのアカウント規模

また、本題に入る前に、”この記事を書こうと思った背景””この記事を書く目的”をざっくり書いておきます。

◆背景

「Meta広告の運用に悩んでいる方が想像以上に多いことを知った」
「自分の運用が世の中に出回っている一般的な方法でないことを知った」

友人やDMで複数相談を受けることがあり、運用に困っている方が多いのだと気づきました。
また、自分の中では当たり前だと思って運用していた方法や考え方が、実は一般的ではないかも?と思うことがあったことがきっかけです。

◆発覚したこと

「Metaの運用ノウハウが巷に出回っていない」
「信用できそうな情報が見つからない」
「Youtubeや検索、SNSで出てくる情報を試してみたが成果が悪いまま」

上記は実際に相談された内容で、アカウントを見せてもらうと改善できそうな箇所が結構ありました。

少しテコ入れさせてもらっただけで成果改善したので、おそらくこういう状況のアカウントが世の中には多いのかも?とも思いました。

◆この記事を書く目的

「広告市場を少しでも適正な状態にしたい」
「運用に困ってる方の力になれたら純粋に嬉しい」

成果が悪化した際に、CPAを落とそうと過度な訴求をする事業者がいると、その市場が荒れてしまいます。成果を安定化させることは市場全体で適正な競争状態を作り出すことにも僅かながら繋がるのかな、と思っています。

また、ありがたいことに普段の投稿やDMでご相談いただく機会があるものの、ガッツリ支援はできないケースがありました。

「困っているなら力になりたい」と思い、基礎的な内容ですが改善のきっかけになれたら嬉しく思います。

今回の内容は、Meta広告を運用する上で当たり前といえば当たり前の内容が書かれているので、対象者は以下の方々を想定しています。

✅ 記事の対象者

・Meta広告のCPAのブレにお悩みの方
・広告代理店でMetaを運用し始めて3ヶ月~2年の方
・インハウス運用しているが”何となく運用”になっている方
・独自の運用方法で成果が中々安定しない方
・広告配信しているがPDCAをまわせずナレッジが蓄積していない方

✅ 記事の対象ではない方

・月利7~8桁以上の猛者
・Meta運用歴3年以上で媒体理解が深い方
・独自の確固たる運用ロジックをお持ちの方

対象者の方が見ると「あーなるほど」「そういう考えもあるか」といった感想を抱くかなと思います。

それでは早速参ります。


Meta社のポリシー:「People First」からの考察

各論に入る前にMeta広告を提供している「Meta社の考え」を少し掘り下げてみます。

Meta社は「People First」というポリシーを掲げています。

これは「FacebookやInstagram等を利用するユーザーを最重要視する」という意味を含みます。

ではなぜ「People First」を掲げているのか?

それは「Meta社が営利企業であるため」です。Metaは株式会社である以上、株主に利益を還元する必要があります。

Meta社が売上を伸ばすには「事業者が広告配信をたくさん行う」ことが必要です。
※Meta社の売上比率はほとんど「広告」による収益

事業者が広告をたくさん配信したくなるには、

「広告成果が良い」「配信すれば売上UPに繋がる」 

という"広告を配信したくなる状況を作る"ことが重要になります。

その際「広告を配信する枠を広げる(FacebookやInstagramを利用するユーザー数・利用時間を伸ばす)」ことで、配信対象者・配信枠を確保することが重要です。

そのため、Meta社はPeople firstを掲げ「ユーザーの体験価値」を非常に重視しており、質の低いコンテンツ悪質な広告は可能な限り表示させない様に尽力しています。

逆を言えば、Meta側が良いと判断したコンテンツや広告は多くの人に表示させ、FacebookやInstagramを利用する時間を少しでも長くさせようとします。

これらの背景から、

プロダクトの利用者数や利用時間が長いことで広告の配信枠が増え、CVするユーザー数が増え、事業主が広告を配信したくなる=Meta社の利益が最大化される

というわけです。

◆ポイント

✅ Meta社は営利企業である
✅ 良いコンテンツは広め、悪いコンテンツは広めない
✅ユーザーの体験価値を最重要視している

【ルール理解】CPMに関わる主な要素2つ

次にCPMはどの様にして決まるのか?
媒体のルールについて考えてみます。

CPMは非常に多くの変数を受け決定されるため、CPM悪化の要因を一概に「これ!」と決めることはできません。

その上で、CPM決定の大枠は以下2つの要素が占めていると自分は理解しています。

①ユーザー数・広告配信量の関係

まず頭に入れておきたいのは以下。

CPM=1,000インプレッションあたりの費用=入札価格

広告を配信したい広告主がいて、FacebookやInstagramを利用するユーザーがいます。

それらのアプリに広告を配信する枠の数には上限(ユーザー数や利用時間との兼ね合い)があるため、広告主同士でいくらで広告を出稿するかオークションが行われます。

イメージとしては以下の図です。

ユーザー数が一定あり、一定数の広告が配信されている状況

上記の様に一定のユーザー数がいて、広告主がいることでCPMは1社あたり円マーク2個分となっています。

そこで、例えば競合企業が増え市場として広告の出稿量が増え(競争が激しくなれば)ればどうなるでしょうか?

配信枠数は一定のまま、広告を出稿する企業が増えたため、これまでより高い入札金額を払わなければ配信枠に広告を表示させることができません

入札価格が低いままだと、より高い入札価格を提示する他の広告主の広告が優先的に表示されてしまうためです。

これが、競争が激しくなった市場決算月に大手企業が広告出稿を強めた際に、CPMが上がる要因です。

逆に、広告主の出稿量はそのままで配信枠数が増えるとどうなるでしょうか?

広告を表示させる配信枠が増えると、広告主はこれまで以上に入札にお金をかけずとも広告を表示させることができます。競争が緩和されるためです。

例えば、GWやお盆、正月などの連休中にCPMが低下することがあるのは、FacebookやInstagramなどのアプリを利用するユーザー数が一時的に増えるためです。

(反対に利用ユーザー数が減ればCPMは上がりやすくなります)

これは、Instagram投稿面よりストーリーズ面の方が利用数が多いため、配信枠数が多くCPMが低くなりやすいことと同じ原理です。

(配信面の詳細を管理画面で確認すると、オーディエンスネットワーク面のCPMがかなり低いのも同様。)

ショート動画のリール面の利用ユーザー数が増えることで、CPMの低下が見られるのもこれで説明がつきます。

上記の様に、CPMはアプリ(配信面)の利用数広告主の出稿量により変化しています。

②配信ロジック

Meta広告はオークション制

CPMに関わる要素2つ目は広告配信のロジックです。
こちらが広告運用者がコントロールできる要素の1つになります。

Metaでは入稿された広告をどのユーザーに配信するかは、以下の公式で決められています。

Meta社の公式ページを以下引用。
(入札価格=CPM 推定アクション率=推定CTVR にて以下解説)

引用:https://www.facebook.com/business/help/430291176997542?id=561906377587030

CPMは、この推定CTVR(と広告の品質)との兼ね合いで、CPMが調整され総合的な価値が決定、参加するオークションが決定されるというロジックがあります。

・CPM = 1000インプレッションあたりの費用
・推定CTVR = 広告を配信して、どれだけクリック・CVするかの推定率

例えば、イメージとしては以下の通り。

推定CTVR 10 × CPM 10 = 総合的な価値 100
推定CTVR 5 × CPM 20 = 総合的な価値 100

両者とも総合的な価値はいずれも100です。

しかし、推定CTVRが高い方がCPMを抑えてオークションに参加することができます。

ここで自分が特に意識しているのが

媒体がいかに推定CTVRを正しく推定できる状況を作るか

ということです。
※このnoteで一番伝えたい点はこれです

「推定CTVR 5 × CPM 20 = 総合的な価値 100」の事例の場合、実際のCTVRは10だとしても、媒体が5だと判断(推定)していれば、2倍の費用を払うはめになってしまいます。

これは広告費を余分に払う必要がありますし、同じ広告費ではインプレッション数が減少することを意味します。

自分の経験を踏まえ、

推定CTVRを上手くコントロールすることが、CPMの激しいブレを防ぐことになる

実感があります。

では、この推定CTVRに関わる項目は何があるか?

バナー、LP、FBページ、メインテキスト、アカウント構造(キャンペーン・広告セット・広告数)、ピクセル、CV数、過去の配信実績、競合他社のデータ、対象オーディエンス etc…

その中で特に重要なのは以下3点だと考えています。

・ピクセル⭐️
・アカウント構造
⭐️
・日予算の調整

※特に⭐️がついている2つは影響値が大きい
※バナーとLPが超重要だということは大前提。今回は運用面に絞ります。

なぜ上記の点が重要だと考えられるのか?

それは、媒体が推定CTVRをデータ(シグナル)をもとに計算していると考えられるためです。

広告配信前は、ピクセルに蓄積したデータ、配信しようとするバナーやLPのCTR・CVRをMetaサーバーに蓄積されている他社データなどをもとに算出していると思います。

「推定CTVR」と「実際配信した際のCTVR」の乖離が大きいと、適正なCPMで入札に入れなくなり、CPAが悪化してしまうのも納得がいきます。

この

媒体が推定CTVRを正確に把握できない状況」がCPMの乱高下を招いているのではないか?

と自分は考えています。

逆を言うと、

推定CTVRを媒体側が正確に把握できていれば、CPMが乱高下するリスクを減らせる

とも言えます。

そのため、一定期間配信すると実際の配信データをもとにCTVRを算出し、実際のCTVRと推定CTVRの乖離が少なくなりCPMが安定してくるのではないかと思います。

では、どの様に正確な推定CTVRを媒体側に読み込ませるのか?
それは前述した3点を意識した運用をする、です。

・ピクセルに十分にデータを読み込ませる。データの”量と質”を担保する。
・アカウント構造は出来るだけ広告セットを統合しCV数を蓄積させる。
・日予算の急激な変動は控え、安定的な調整を行う。

上記の「ピクセルとアカウント構造」はいわゆる”機械学習”に大きな影響を与える要素。

この2つにデータが十分量蓄積されていると、媒体側も「この広告は〇〇のオーディエンスに表示すればクリックして購入してくれそう」と予想を立てやすくなります。

この”誰に表示(CTR)”して”誰が購入しそう(CVR)”かを推測しやすくする=推定CTVRと実際のCTVRの乖離を無くさせる、ことに繋がります。

なお、CPMやCTVRをもとにどのオークションに入るかについては、以下のピラミッド図の様に自分は捉えています。

※赤枠が実際にCVが発生する範囲を表しています

より赤い部分は広告主側の競争が激しいオークション帯(CPMが高い)

・縦軸:ターゲットの母数購入意欲度
・横軸:各層における配信商材の購入意欲度 (濃い方が意欲度が高い)

どの市場においても、認知層は数が多く購入層は数が少なくなります。

先ほどお伝えした、対象ユーザー数の関係からCPMは低くなるものの、CTR・CVRも低いことが考えられるため、縦軸は上記に様になるかなと。

横軸は、同じ認知層に属するオーディエンスでも、CTR・CVRには差があると思います。

頻繁にInstagram広告から商品を購入する人は中央に位置し、あまり購入しないユーザー群は端側に位置する、といったイメージです。

媒体的には、CVしそうなオーディエンスにできるだけ配信したいものの、認知層・購入層においてもその様なユーザーは数が限られているため、CPMが高まりやすいと考えています。

Meta広告の配信ロジックをもとにすると、CPMと推定CTVRをもとにピラミッド図のどこに広告を配信するか?を決めている様に感じます。

配信ロジックをもとに、上記丸印をどこ(どのオークション・オーディエンス群)に設定し広告を配信するか。

この丸印をピラミッド上でぐるぐると動かし続け、推定CTVRをもとに適正なCPM帯を探っているのではないかと自分の中で捉えています。

【ケース別】CPMの変動はなぜ起きるのか

CPMは基本的に前述した2つの要素をもとに考えると要因を把握しやすいと思います。

そこで、次はCPMが変動する主なケースを4つあげ、前述した2要素をもとに深ぼってみました。

①配信初速のCPMが高騰 or かなり低い

配信初速のCPMがかなり高い or かなり低くなってしまうケース。

例えば、新規でアカウント、キャンペーン・広告セット、ピクセル、バナー、LPを作成し配信開始するという状況です。

これは、ピラミッドの中で以下図の様なオークションに初めは入ってしまい、徐々に適正なCPM・CTVR値を探りにいっている状況ではないかと考えています。

上記の場合はCVが発生していない

この丸印をぐるぐると動かし続け、CVがちゃんと発生するエリアを媒体が学習し、赤枠に近い箇所のオークションに参加しやすくなる=機械学習が機能するだと理解しています。

そのため、配信を始めてCPMがいかに低かろうと、グレーのエリアに配信し続けていたら意味がないわけです。

赤枠に近づけて、CVするエリアを媒体に認識させることが重要かなと。

そして、配信初速からこの赤枠に近いエリアで広告を配信するには、ピクセルや広告セット粒度でどれだけデータ(シグナル)が蓄積されているか、が重要です。

これまでの実績をもとに、

赤枠に近いエリアに広告を出せばCVしそうだ

と媒体が学習していれば、”配信初速のオークションの探り期間”が短い(ほぼない)ため、新規ADを開始しても出だしからCVを獲得できる、ということが起こりやすいのではないかと思います。

②日予算を上げるとCPM・CPAが上がる

日予算を上げると、CPM上昇・CTVR低下しCPAが悪化するケースが非常に多いと思います。

これは、前述した2要素の両方で説明ができそうです。

「配信枠数は同じだけど、広告量が増えるためCPMが上昇」

これまでは上記の環境で広告配信されていたのが、日予算を上げ広告量を増やすことで

となり、CPMが上昇。CVするユーザー数は一定のためCTVRは維持(もしくはCVしない層へインプレッションが広がるため低下)し、CPAが悪化するケース。

ピラミッドの図で理解すると、

上記の様に、良い感じに赤枠に入り適正CPM・CTVR(良い感じのCPA)で配信していたものが、

日予算を強化し、丸印が拡大することでグレーのエリアまで配信を出すことになります。(CPM上昇・CTVR低下)

赤枠面はCPMが高いため、既存の広告の推定CTVRが極端に高くない場合、CPMを上げつつ比較的端側(CVしない層)認知層側へ配信を広げ予算を消化しようとしていることも考えられます。

※配信中広告の推定CTVRが高くない場合、媒体視点ではあまり広めたいと思っていない

CPMを高め、Meta社としては売上を上げつつ、インプは出にくくなる

この丸印も、日予算を変更しない限り枠の大きさを維持したまま時間をかけて、最適な位置を探そうとします。

良いケースだと、2,3日すると適正なCPM帯に落ち着き始めCTVRも若干良化。
日予算を上げる前と比較すると多少CPAが上がったが、CV数は増やすことが出来ているというケース。

悪いケースだと、2,3日してもCPMは高いままで、CTVRが低いユーザーに配信が出続け、CPAだけ上がるというケース。

これを解決するには主に3つの方法になるのかなと。

①既存オーディエンスに被りのない広告セットで伸ばす
②推定CTVRの高いCR作成(バナー・LP作成)
③日予算20%以内で強化

※他にもありますが、"基礎的"には上記3つ

なお、当たりCRを作れた場合は赤枠の中心部に配信したとしても、推定CTVRが高く、比較的CPMを抑えてオークションに参加できるため、日予算を強化し丸印をいくら広げてもCVを獲得し続けられるボーナスタイムに入ります。

当たりCR出現時のイメージ

この状態は、いくらピクセルや広告セットの学習が〜といっても実現できないので、クリエイティブ作成にめちゃくちゃ注力する必要があります

これは運用どうこうという話ではありません。

③キャンペーン・広告ガチャについて

ガチャと呼ばれる現象は”ある”と思います。

まずガチャの定義を自分なりに立てると

新規配信した広告が配信初速(数時間)もしくは数日(2~5日間)のうちにかなり低CPAでCV獲得出来ている、もしくはその逆

という感じかなと。

その場合、キャンペーンや広告セット、広告を複数作成し一気に配信開始をすると成果の良いものと悪い物に判別でき、成果の良い広告の配信を伸ばすのは合理的です。

イメージとしては以下の図。キャンペーンや広告セットを10個作成した時に、グレーの箇所はCVがつかず、赤枠に被っている丸印はCVがつく。

※CVがついた際に許容CPAか否かは丸印の位置による(CPMとCTVRのバランスによる)

しかし、参加するオークションが常に変わり続ける(丸印がぐるぐると動き続ける)ため、いずれ赤枠から外れ成果が合わなくなることがあります。

逆に、初めはグレーの位置に丸印が配置されたものの、赤枠に徐々に近づき許容CPA内でCV獲得できる様になるケースももちろんあり得ます。

基本的に、機械学習が機能する案件では、徐々に安定化する事例が多いため、初速からCVをつけたいか中期的にCVをつけ安定化させるか、の違いになるかと思います。

自分が運用する際は、案件の状況によって変えていますが、基本的な考え方としてはガチャを用いた運用はせず、少数の丸印を赤枠に近づけ続ける運用を行う様にしています。

この点は運用者の考え方によるので、成果が出ればいずれの方法でも良いと思います。

④”広告疲れ”が起きている

効果がずっと良かった広告が最近成果が悪くなってきてる...

よく見ると、CTVRはそこまで変わってないけど、CPMだけ上昇してるのが要因だ、というケースもあります。

これはいわゆる”広告疲れ”"広告の疲弊"と呼ばれる現象。

かなり分かりやすい数値の動き方としては

「CPM上昇・CTR悪化・CVR悪化」

です。

実際の配信では、ここまで明確な数値の動き方をすることはあまりないので、CPMだけ上昇・CTR・CVRだけ悪化などのケースも見受けられます。

推定CTVRや実際のCTVRが悪化、それに伴いCPMが上昇するケース

これは、推定CTVRが悪くなった広告に対し、CPMを高めることで総合的な価値を一定・もしくは高め、オークションに入り続けようとしている挙動とも捉えられます。

対処法としては簡単で、

新たな訴求・テイストのバナーを入稿すること

です。

対処法としては以上で完結ですが、「なぜ広告の疲弊が起きるか?」を考えると、2つの観点があるかと思います。

1点目:配信中の広告で許容CPA内でリーチできるオーディエンスの上限に達しつつある

これまで成果が良かった広告は、ピラミッドの中でも上記図の四角枠が成果が良いと学習しており、基本的にその中で配信していればCPAは良い。

しかし、配信中の広告は四角の枠の中で配信できるユーザーに配信しつくしたため、媒体の推定CTVRが低下しCPMが上昇するという考え方。

2点目:Meta社的に同じ広告を配信され続けると、ユーザー視点で新鮮味がなく離脱に繋がる(=利益を損なう)

個人的にこれが大きく影響してそうだなと思っていますが、

FacebookやInstagramに表示する広告の新陳代謝を起こすため、"広告疲れ"という機能(現象)を設けている

という考え方です。

冒頭で触れた、Meta社は営利企業である以上、People Firstを掲げユーザー数の維持・増加を図っています。

想像したら分かりますが、広告主的に成果が良かろうが、ユーザー視点では同じバナーが1年中ずっと流れ続けていたらは辟易としますよね…

目新しい広告が流れてくることが、「お、これは何だ?」と興味をひく状態となり、ユーザーにとっては良い状態とMeta社が捉えている可能性はあるかなと。

広告成果(CPMとCTVR)だけ考えれば、広告主には同一のバナー・LPを配信し続けてもらい、参加オークションの調整は媒体側で行えば良いので。

※前述図の四角枠を媒体側でずらし、新たな推定CTVRやCPMでオークションに入れば良い

媒体のルールとして設定されている以上、"広告疲れ""広告の疲弊"とは上手く向き合って、成果を安定化させていきたいところです。

CPMの上昇を抑え成果を安定させるには

前提としてCPMの変動を運用者が完璧にコントロールすることは非常に難しいです。

その上で、上手くCPMの上昇と付き合いCPA・ROASを安定させるには、主に3つの方針で運用することが重要だと感じています。

①媒体に良い広告・広告主だと認識させる

People Firstを掲げている通り、媒体から「良い広告主だ」「世に広める価値のある広告だ」と認識してもらう必要があります。

それは、広告配信に関わるビジネスマネージャ、アカウント、キャンペーン、広告セット、広告、FBページ、ドメインなど網羅的な要素をもとに決められているのではないかと思います。

ちなみに、自分は過去にドメインをバンされたことがあり、特定のドメインで入稿しようとするとエラーが表示され配信できなくなったことがあります...焦

サポートの方に相談して解除したものの、CPMが高い日予算を使い切らない(広告を世に広めようとしていない)など、デメリットがかなり大きかったため、悪い評価は受けない方が吉です。

「良い広告主」「良い広告」については、以下の項目などがあると思います。

・Metaが推奨する項目を出来るだけ設定する
・FBページを定期的に投稿しいいねやコメントをもらう
・CTVRが高いCRを配信する
・広告粒度で「いいね」「シェア」「ブックマーク」などポジティブフィードバックを得る

効果が良くずっと配信が出続けている広告をプレビューで確認すると「いいね」が多くついていることが非常によくあります。

これはまさに、Meta側が良い広告だと判断しCPMを下げインプレッションをたくさん出そうとしている典型例だと分析しています。

ネガティブフィードバックは出来るだけもらいたくない

反対に、「広告の非表示」や 「広告を報告」などをされると、ネガティブフィードバックとなり広告が却下されたり、CPMが異常に上がりインプレッションが出にくくなることが考えられます。

また、少し話はそれますが媒体から「良い広告主」「良い広告」と認識されるために、

「ブランドとしてユーザーから好まれること」

中長期的に成長するためには非常に重要だと自分は考えています。
※Meta広告を伸長させるだけでなく、事業を伸長させる上でも

なぜかと言うと、ユーザーを騙す過度な訴求をし続けると、ユーザーからヘイトを買う(嫌われる)ことでネガティブフィードバックを得やすくなるためです。

一例として、

定期便だと意図的に気づきにくくし初回購入を促す
or
定期便解約のハードルを意図的に高くする

継続を希望しないユーザーからブランドとして嫌悪される

そのユーザーに広告が表示されるとネガティブフィードバックされやすい

媒体から「悪い広告」と認識され、CPMが上がりやすい or バンされる

といった流れは中長期的に見れば十分起こり得ます。

反対に、ブランドとして好まれるサービス展開をしていると、ユーザーとして購入せずともつい「いいね」を押してしまいます。

※実際に自分は好きなブランドにはいいねをよく押してしまいます

この様に、媒体から「良い広告主」「良い広告」だと認識されることが、Meta広告のCPM安定化にも結果的に繋がると考えられます。

②機械学習を機能しやすくさせる(ピクセル・アカウント構造)

媒体に適正なCPM正確な推定CTVRを算出させるために、データを蓄積させることを重視させます。

ピラミッド型の図通り、CVに近い層のオークションに参加させ続けるには、十分な量・高い質のデータをもとに配信させる必要があります。

量については、イベントマネージャ上で最適化設定するイベントが十分な量蓄積していること。

質については、詳細マッチングコンバージョンAPIの設定イベントタグの網羅的な設定をちゃんとしていること。

について分かりやすいイメージとしては、以下のケース。
育毛剤の広告配信を行っており、1人の男性が広告経由で購入したとします。

CV①
30代
東京都在住

CV②
38歳
東京都新宿区在住

最近、前髪の生え際が気になりだした
→「30代 前髪 生え際」と検索し複数サイト閲覧した

同じ1CVだとしても①と②では媒体が参考にできるデータが異なります。

①の様なCVデータばかり溜まっても、「美容好きな30代男性」や「筋トレ好きな30代男性」など育毛剤に興味がないオーディエンスに広告を配信してしまい、CVに全然繋がらない可能性も。

しかし、②の様な詳細情報があれば、似た様なユーザー行動をとっているユーザーにこの広告(育毛剤)を配信すれば、CVする可能性が高そうだ、と学習してくれます。

これが、CVの質も重視した方が良い理由です。

データ規制の流れの中で、データが欠損する話はよく上がります。
CVの量はもちろん、質を高めることも運用者としては必須です。

広告セットも同様に、CV数が十分量蓄積していると次は誰に向けて配信するか判断しやすくなるため、CPMと推定CTVRを正確に把握しやすくなり、成果が安定しやすくなります。

③CTVRの高いクリエイティブ作りに徹底コミット

媒体が「CTVRが高い広告だ」と評価すれば、低いCPMでも総合的な価値を高めオークションに参加することが出来ます。

配信初速は、過去のデータをもとに推定CTVRが算出されますが、実際にCTVRが高いCRを配信していると、推定CTVRも実数値と乖離しなくなりCPMを低下(安定化)させやすくなります。

では何が良いクリエイティブか、は業種や商材によって完全に異なるため、

商品のUSPやユーザーインサイトをもとにクリエイティブを作る

しかありません。

記事LPやバナーの作り方については、基本的な考え方として記事LPのサボテンさんやアナグラムさんの情報が参考になったので気になる方はご覧ください。

引用元:記事LPのサボテン

引用元:アナグラム株式会社

ここで広告を初めたばかりの方に注意ですが、クリエイティブを作る際は法律を頭に入れておく必要があります。悪質な場合は普通に逮捕されるので、要注意です。

引用元:Yasuta Arashiro弁護士

かなーーり大雑把に言うと以下の様な感じです。

景表法:大袈裟に言いすぎない・紛らわしくしない(有利誤認・優位誤認)
薬機法:サプリの効果を明確に言わない ※サプリを薬の様に扱わない

この点は本当に重要なので、誤って自社・クライアントが不利益を被ることがない様、しっかりと勉強しておきましょう。

参考サイト:弁護士法人グリーンリーフ法律事務所

まとめ

いかがだったでしょうか。

現在Meta広告の運用で困っている方の参考になったのであれば、とても嬉しく思います。

世の中には様々な運用ノウハウがありますが、自分は基本的に今回お伝えした考え方を基本的な軸として運用しています。

実際に、他代理店から移管してきたり担当者が代わったりしたことでCPA抑制・ROAS改善したアカウントも多数あるので、一定程度の汎用性はあるかと思います。

本noteの最後にお伝えしたいこととして、いかなる運用方法でもMetaを運用する際に大事なことは

媒体を上手く扱ってやる

というマインドです。

運用者が媒体から扱われる” "媒体の言うことを聞きすぎる"と無駄広告の配信にも繋がり、媒体から搾取され続けてしまうのでバランスが大事です。

もしMeta広告運用にお困りの方で、以下に当てはまる方がいらっしゃればXのDMからお気軽にご連絡ください。

※現在創業期につきご依頼鋭意募集中です!

・Meta広告の運用代行を探している広告主 様
・インハウス体制構築を検討している 広告主 様
・運用品質の安定化を図りたい代理店 様
・外部の意見を取り入れて成果改善を図りたい運用者 様

DMはこちらまで:あどまる
https://twitter.com/adoadomaru01

可能な範囲内でお力添えさせていただければと思います。

※リソースの関係上、すべてのご依頼は受けかねる旨ご了承ください…!

もし今回のnoteが少しでも参考になったという方は、リポストコメントいただけると大変ありがたいです…😭🙏

もし需要があれば、2本目も執筆するかも?しれません。

それでは本日は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました!


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