なぜ私のモチベーションはこんなにも上がらないのか - #仕事について話そう
ここ1年半ほど、ずっと仕事に対するモチベーションを持てないことに悩んできました。どうしてもやる気が湧いてこない。社会人生活10数年の間、前向きに自分の仕事に取り組んでいたことも確かにあったのに、なぜ今の私はこんなにモチベーションが低いのだろう。
これって私のせいなのか?
ずっとつきまとっていた自分に対する疑問。経営大学院に通い、ヒトやイノベーションに関する基礎的な知識を身につけ、同期やクラスメートとの会話・フィードバックを受け取り、自分の価値観に向き合うことを繰り返した中でようやく気づいたこと。
これは絶対私だけのせいじゃない。
私はともすれば全部自分に責任転嫁して落ち込んでいってしまうタイプの人間なので、「なぜ私のモチベーションはこんなにも上がらないのか」という問いに対し、「モチベーションが上がらないのは私だけのせいじゃないぞ」と言いきれるだけの根拠を、自分を救い出すためにもできるだけ論理的に書き残したいと思います。
理由① 会社(上位層)がモチベーション理論を理解していない
そもそも過ぎるし、学術的でも何でもない理由を最初に挙げるのもどうかと思いますが、結論から言ってしまうと結局はこれに尽きます。
私の所属組織の場合はさらに深刻で、「リーダーの役割はメンバーを育成し、チームのパフォーマンスを高め結果を出すこと」という経営学では当たり前の考え方がまったく浸透していません。もともと上の発言にモヤモヤすることは多かったのですが、知識をつけてしまったが故に、彼らの発言に自信を持ってがっかりするようになってしまって・・・。例えばこんな感じ。
モチベーション理論の知識が少しでもあれば、もう少し頭を働かせて日常会話ひとつでもメンバーのモチベーションを高められるのに・・・。発言一つ一つで上司・役員が自ら無知をさらしているように見えていたたまれない気持ちになっています。
自部署の上位層を見ていて難しいと感じるのは、相手の気持ちを慮ることができない人に、自分の発言がどうまずいか自覚してもらうこと。特に上の立場の人ほど難易度が増すので、「相手の気持ちを推し量れない人、自分に対し謙虚になれない人」は最初からボードメンバー(あるいは管理職)に入れない、くらいの強い意思が経営層には必要だ、と個人的には思っています。
理由② 自分と会社の価値観がまったく合っていない
大学院生のとき、たまたま「ストレングス・ファインダー」のコーチングを受ける機会があり、34の資質について知りました。
私自身の傾向はこんな感じです。
【私の上位資質】
1. 戦略性
2. 適応性
3. 親密性
4. 着想
5. 回復志向
【私の下位資質】
30. 収集心
31. 分析思考
32. 達成欲
33. 規律性
34. 競争性
セッションですごく印象的だったのが、ファシリテータの方が「前の仕事では何をやっても全然ダメでうつ状態にまでなったのに、自分の資質に合う会社に転職したら仕事がすごく楽しくなって、結果がどんどん出せるようになった」と仰っていたこと。その方は「自分のトリセツ」を作って、自分の得意なこと、苦手なこと、こういうことをされると嬉しい/凹む、といったことを転職先で説明したそうです。
その話を聞いて初めて、「もしかして、私って自分の資質を全然発揮できない環境にいるのかも?」と思い至り、衝撃を受けました。
よくよく考えてみると、自社は製造業(自動車部品)で、安全・品質はノックアウトファクター(しかも今後もここは変わらない)と言えます。じゃあ安全・品質の問題を出さないようにするにはどうすればいいか?・・・長年磨き抜かれた製造ノウハウの結晶「作業要領書」通りにオペレーションすること。つまり「規律」を乱さないことが重要なわけです。仮に問題が出たときは、同じ過ちを繰り返さないよう、発生原因と理由をとことん「分析」します。また、人員構成、特に男女比率に大きな偏りがあり(女性比率12%、私の属する30代に限ると3%!)、勤続30年の50代以上の男性が結構な比率を占めています。とにかく忙しく長い時間働くことが良いことなのだ、という昭和の価値観を持つ世代である彼らが、会社の上位にいるわけです。
ここまで見てみると、現時点での会社の資質(価値観?風土?とも言えそう)は私の上位資質と一致するところがあまりなく、どちらかというと下位資質にあてはまっていることがわかってきます。
そうか、私の性格とかではなくて、アンマッチが元凶なのか・・・!!
今の会社に入ったときはまだ若く知識もなくて、「古い会社風土に新しい風を入れられるのは自分だ!」と思っていたのですが、知識をつけて自分の資質を改めて顧みると、自分の資質に合わないところで苦しみもがいても小さな成果しか出せない人生より、自分の資質が評価されるフィールドで成果を出す方が人生楽しそうだぞ、というように考え方が変わってきました。
理由③ 心理学系の理論と照らしてもやっぱり変
心理学の世界では、モチベーションに関連する理論が数多くあります。その中でも「ハーズバーグの二要因理論」に照らし合わせて、今の自分の状態を評価してみました。
↓このサイトはモチベーションに関する理論がまとまっていてめっちゃ参考になりました
ハーズバーグの二要因理論 - 衛生要因
欠けてしまうと不満につながる要因。マイナス→ゼロ
衛生要因を改善しても、仕事を好きになるわけではない。嫌いでなくなる程度。「仕事に不満がある」の反対は、「仕事に満足」ではなく「仕事に不満がない」。
→給与、仕事の安定、作業条件、企業方針、管理方法、上司との関係など
ハーズバーグの二要因理論 - 動機づけ要因
仕事への愛情を生み出す要因。ゼロ→プラス
動機づけは、外からの働きかけや刺激は関係なく、自分自身の内面や仕事の内容と大いに関係がある。
→成し遂げる達成感、自己の仕事が認められた、有意義な貢献をする、やりがいある仕事そのもの、仕事を通じた成長実感、責任の重い仕事、自己裁量でのチャレンジなど。
二要因理論で自己評価してみた
私にとって A:めちゃ大切、B:割と大切、C:重要ではない
今の職場は ◎:満足、〇:悪くない、△:よくない、×:耐えられない
という軸で、今の状況を評価してみました。
- 衛生要因 -
給与 B / 〇
仕事の安定 C / △
作業条件 C / ×
企業方針 B / △
管理方法 A / ×
上司との関係 A / △
- 動機づけ要因 -
成し遂げる達成感 B / ×
自己の仕事が認められた C / ×
有意義な貢献をする A / ×
やりがいある仕事そのもの B / ×
仕事を通じた成長実感 A / ×
責任の重い仕事 B / ×
自己裁量でのチャレンジ A / ×
さらにブレイクダウンしてみる
私にとっての「やりがい」ってなんだ???
自分のアイデアが実現すること
関係者みんなが気持ちよく仕事できたと思えること
私はどういう状態が耐え難いのか???
目的のわからない仕事。意味もなくやらされている状態が耐えられない。何のためにやるのか、それに自分が納得(共感)できるか、がないと動けない。
自分の存在意義が感じられない状態。誰でもできる仕事しかなかったり、新しいことに挑戦できなかったりすると気持ちにエンジンがかからない。
で、ここからどうする?
自己評価の結果、今の職場・仕事で動機づけがなされておらず、それがモチベーション低下の要因になっているようだ、ということが見えてきました。
次の問いとしては、今後動機づけがなされる予兆はあるか?自分の行動で改善できそうか?ですが・・・これは難しそうです。一つ目の理由としては、上位層が組織論に関する知識を持っていないこと。二つ目の理由として、人事部門はそのあたりを改善しようとしているようですが、ロードマップでは全社で教育体系ができるのは2~3年後、と示されています。
3年後(40歳)に劇的に会社風土が変わり、自分の資質が存分に発揮できる職場になるか?と想像するにしても、これまでの経験上そう都合よくは変わらないと判断せざるを得ません。過度に期待を寄せてそうならなかったとき、自分のキャリアにとってめちゃくちゃ痛手になってしまう。
「辞めるにしても何か結果を残してからでないと無責任だ」と思う自分と、「私にとって居心地が悪く、会社にとっても扱いづらいという関係性を前向きに解消する方がいい」と思う自分でずっと葛藤してきました。知識がつけばつくほど、他の会社の話を聞けば聞くほど、自分と会社はアンマッチなんだと確信に変わる一方で、クラスの中では「いきなり辞めるのではなく、少しずつシフトしていく方がいい」「今の場所で変革できることが本当にないのか、やりきったのか?」と先生から重い問いを投げかけられ、答えられない自分もいて。
だけど、ここまで言語化してもやっぱり思いが変わらないのだから、もうしょうがない。前に進むしかないな。(結論軽っ)
私の心を軽くするためだけのpostに最後までお付き合いいただいた稀有な方がもしいたら、心から御礼を言いたいと思います。モチベーションが保てないと同じような悩みを抱えている方にぜひ伝えたいのは、それは絶対あなただけのせいではないよ、ということ。あなたが悪い、会社が悪い、というのではなく、お互いアンマッチな状態が今の状況を作り出しているだけです。もちろん、それをどう解消するかは一人ひとりが考えるべきことですが。大丈夫、きっと何とかなります。
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