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「自分らしさ」を取り戻すために青春18きっぷの鈍行旅が必要なワケ

先週金曜日、久しぶりに青春18きっぷを使って乗り鉄旅をしてきました。いつもは本数の少ないローカル線を制覇しまくるためぎゅんぎゅんに行程を詰め込んで乗りまくるのですが(リンク参照:3泊4日で移動距離1,300km超)、今回はちょっと趣向を変えてみることに。

今回の旅のルールとチェックポイント

  • 1日目のゴールは広島とする(ホテル確保済)

  • 翌日19時に名古屋に戻る

  • 時刻表は持参しない。スムーズな乗り継ぎなどを調べることは1日目は禁止とする

  • 井原鉄道、錦川鉄道の鉄印は必ずもらう

  • 姫路駅の駅そばは必ず食べる

  • 尾道ラーメンも食べる

  • 広島で銭湯サウナに入る

  • 錦帯橋を見る

ルール設定の理由① - なぜ広島?

春休みかつ18きっぷシーズンなので激閑散路線は人が多すぎて絶対楽しくないのがわかっていたのと、土曜夜に名古屋で友達と会う予定がありそれまでに帰って来る必要があったので、行き先はゆるめの設定にしようと考えました。

①それなりの本数があってふらっと途中下車しても取り返しのつくコース
②帰りは最悪新幹線ワープでびゅんっと名古屋に戻れるコース

この2つを満たす場所として、1日目のゴール地点を 広島 に決定したわけです。名古屋を始発で出て脇目も振らず西に向かってひたすら乗り継いだ場合、おそらく小倉くらいまでは行けるはず(勘)なので、岡山で寄り道したり鉄印をもらいに遠回りしたりしても広島なら夜も活動できる時間帯につけると踏みました。おおよその感覚が研ぎ澄まされてきたのも、乗り鉄歴20年弱の為せる技。

ルール設定の理由② - なぜ「時刻表」ナシ設定?

もうひとつのポイントは、乗り鉄のMUSTアイテム「時刻表」を見ないと決めたこと。いつもは時刻表でスムーズな乗り継ぎができる列車を特定したり、行き違った列車がどこから来たのか調べたり、駅間距離を調べたり、とにかく鉄道に乗ってるあいだじゅう忙しくページをめくっていたのですが、もういい年だし、もっとのんびりしようじゃないか。もっと車窓をぼーっと眺めて、ゆっくりビールでも飲もうじゃないか。と思ったわけです。

破産するわけじゃなし、最悪新幹線なりタクシーに乗れば何とでもなる。それよりも、とにかく自分の思いつくままに行動してみること。2日間これだけに集中して、全力で自分を取り戻すことに徹しようと決めたのでした。

昼から車中でビールを飲む。コロナからの解放感!

自分で何も決められないことがこんなにもストレスだったんだ

途中下車・Uターン・乗り継ぎ失敗の解放感

■途中下車した大阪駅で大遅延に遭遇
①そういえばうめきたホームが開通したんやった!行かねば!
②え、車両確認による大幅遅延やと!?

名古屋発大垣行きの始発電車でうとうとニュースを見てたら、うめきたのニュースをたまたま見つけて「そーーーーやった!!!」と初めて気づき(←遅)、慌てて大阪駅で途中下車することに。ちなみに朝9時前のうめきたホームは信じられないくらい人が少ないです。地上の大阪駅とは別世界。

平日朝9時前なのに人がいない大阪駅

で、せっかく来たからには地下ホームを通る電車に乗りたいわけです。むむっ、おおさか東線があるやないか。これで新大阪まで一駅だけ戻ればええやん!ということで張り切って新大阪に戻ったところ、ホームに響き渡る「列車遅延のお知らせ」。えー何このタイミング!欲かいてうめきた寄らんかったら巻き込まれんですんだのに(涙)。新大阪から姫路まで新快速でずばーんと行こうと思ってたけど断念。おおさか東線でもう一度大阪駅まで戻り、そこから新快速に乗り換えるハメに。結局新大阪⇔大阪間で1時間半も食ってしまったけど、座れたから結果オーライということにしよう。

■尾道ラーメン vs 倉敷ぶっかけうどん 究極の戦い
兵庫・岡山の県境(本数の少ない難所)を超え、尾道ラーメンに向かってひたすら西に向かう途中、最大のチェックポイントである井原鉄道へ行くために岡山駅で伯備線に乗り換えた私。そこから5つ先の清音駅で下車し、井原鉄道の乗り換え待ち中に、ふと思う。「倉敷って・・・たしかぶっかけうどんあったやんな?」
姫路駅ホームで名物駅そば+いなり寿司を食べてから3時間半。お腹はそんなに空いてない。おい私、今本当に食べたいのは尾道ラーメン?それともぶっかけうどん?・・・ものすごく真剣に自分の身体に何が食べたいか問いかけた結果、「よし、ぶっかけうどん食べる!倉敷に戻る!!」に決定!!!乗り換え待ちと徒歩移動合わせて、一駅戻ってお店に行くのに40分ほどかかりましたが、噂通り旨すぎるお味に一片の悔い無し!!!

↓これはもう絶対行った方がいいです

目的地を広島に設定したことが、この心の余裕を作るのにものすごくよかった。絶対着けるとわかってるからこそ「あぁ、やっぱり倉敷のぶっかけうどんはどうしても食べたい…」と倉敷を発車してからどうしても名残惜しくなり、次の駅で電車を降りてUターンするなんてことができたわけで。旅の目的を最初に決めておくのって、行った先で何を見るかを探すよりよっぽど大事なことですね。

純粋に自分の幸せだけを追求して次の行動を判断できる幸せ

この駅で降りるのか、降りないのか。
この路地を選ぶのか、選ばないのか。
この列車だと、右の窓際がいいのか、左の窓際がいいのか。
自分の限られたスペースの胃袋に、今何を入れたいのか。
どうしても歩いて回りたいのはどこか。

えいっと思いつきで電車を降りたり、一駅だけ無駄に戻ってみたり、遅延状態をどうやって切り抜けようか考えて行動したり、失敗も含めて自分の頭で考えてストレートに行動できている状態のとき、めちゃくちゃ充実してると同時に解放感もハンパなかった。

私が「時々旅に出ないと死んでしまう病」になる理由のひとつは、思考をシンプルにできる時間を必要としているからだと思う。つまり、自分の限られたリソース(お金、歩数(脚の疲労度)、時間etc)を、どこにどう配分すれば私はちゃんと満足できるのか、ただそれだけを考えて行動すればいいという状態が、私にとっての心の回復には何よりも必要ってこと。今回の道中でも、周りからみたらただふらふら寄り道しているだけに見えてたやろうけど、一瞬一瞬が判断と行動の連続で、内心ずっとゾクゾクしてたし、満たされてもいた。

自分がどうしたいか考えて、それを実現するために行動する。たったそれだけのことが、1日の大半を過ごす会社で全然できてない。毎日ほぼ定時で帰ってるのに晩ごはん食べたら寝落ちしちゃうのはなんでやろう、全然忙しくないのになんでこんなに疲れてるんやろうと思ってたけど、たぶんこれは自分らしさをひたすら押し殺して長時間やり過ごしている反動なんやろうな。

どうやら私の乗り鉄には、ストレングス・ファインダーの複数の上位資質(=強み)がぎゅぎゅぎゅっと凝縮されているらしいことがわかったのですが、こちらはまた別の機会に。

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