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鷺ノ宮のスーパーウルトラ読書日記 vol.1

鷺ノ宮が読んだ本の感想文です。1冊読むごとに400〜1600字くらいで感想を書きのこしているのですが、それを外向きに読めるようにしたものです。

・ネタバレ全開で面白かったとかつまんなかったとか書いています
・自分にとってどうだったかの話しかしてないです
・事実上の日記です
・間に漫画読んだり映画観たりもしていますが、単行本ないし小説作品だけ書いています
・昔読んだ本の再読も多いです
・友達の話しとか同人誌の話もしてます
・ロシア文学の話をしたら戦争かもしれませんみたいな注意文が入ってしまった……

感想を書いた本のリストです。

・六番目の小夜子(1992)/恩田陸
・僕らはどこにも開かない(2005)/御影瑛路
・空の境界(上)(2001-2007)/奈須きのこ
・GOTH 夜の章(2002)/乙一
・GOTH 僕の章(2002)/乙一
・GOTH 森野夜は記念写真を撮りに行くの巻(2008)/乙一
・とある魔術の禁書目録 1(2004)/鎌池和馬
・BLEACH Spirits Are Forever With You(1/2巻)(2012)/成田良悟
・空の境界(中)(2001-2007)/奈須きのこ
・空の境界(下)(2001-2007)/奈須きのこ
・空の境界/未来福音(2008-2011)/奈須きのこ
・血界戦線 オンリー・ア・ペイパームーン(2015)/秋田禎信
・血界戦線 グッド・アズ・グッド・マン(2017)/秋田禎信
・虐殺器官(2007)/伊藤計劃
・コーカサスの金色の雲(1995)/アナトーリイ・イグナーチエヴィチ プリスターフキン、三浦みどり
・キネマ探偵カレイドミステリー(2017)/斜線堂有紀
・オツベルと笑う水曜日(2013)/成田良悟
・楽園とは探偵の不在なり(2020)/斜線堂有紀
・氷菓(2001)/米澤穂信
・愚者のエンドロール(2002)/米澤穂信
・春期限定いちごタルト事件(2004)/米澤穂信
・クドリャフカの順番(2007)/米澤穂信
・闇に蠢く(1926-1927)/江戸川乱歩
・夏期限定トロピカルパフェ事件(2006)/米澤穂信
・キネマ探偵カレイドミステリー 2 再演奇縁のアンコール(2017)/斜線堂有紀
・リング(1991)/鈴木光司
・恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より(2011)/上遠野浩平
・出版禁止(2014)/長江俊和
・キネマ探偵カレイドミステリー 3 輪転不変のフォールアウト(2018)/斜線堂有紀
・毒入りチョコレート事件(1929)/アントニイ・バークリー
・ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ(2001)/滝本竜彦
・平家物語 犬王の巻(2017)/古川日出男
・天才はあきらめた(2018)/山里亮太
・女生徒(1939)/太宰治
・風の便り(1942)/太宰治
・2℃目の初恋(2022)/笹鎌愁久
・LOVE YOU TEENAGER(2022)/よほろ
・世界の中心、針山さん(2005)/成田良悟
・ぼぎわんが、来る(2015)/澤村伊智
・往復書簡(2010)/湊かなえ
・さよなら妖精(2004)/米澤穂信
・真実の10メートル手前(2015)/米澤穂信
・バウワウ! Two Dog Night(2003)/成田良悟
・Mew Mew! Crazy Cat's Night(2004)/成田良悟
・あなたの人生の物語(2003)/テッド・チャン
・糸(2022)/笹鎌愁久
・がるぐる! Dancing Beast Night<上>(2005)/成田良悟
・がるぐる! Dancing Beast Night<下>(2006)/成田良悟
・5656! Knights' Strange Night(2007)/成田良悟
・ゴジラVSニジガサキ(2021)/室長室長
・ロートレック荘事件(1990)/筒井康隆
・ゴジラvsジュンナナナ(2022/再演)/ようしん
・消失の惑星(2019-2021)/ジュリア・フィリップス

これで三ヶ月分くらいです。少ないですね

恥ずかしいので有料にしていますが、サポートいただいた分で更に本を買って読みたいからです。せっかくならおすすめとか教えて下さい。


一応の注記:以下感想文中で「ラ!」はラブライブ!シリーズのこと、「ス」は少女☆歌劇レヴュースタァライトのことを指しています。呼吸を刷るようにそういう呼称をするので、多分先に書いておかないといけないと思って……。



・六番目の小夜子(1992)/恩田陸

小学校のときにドラマ愛の詩を観ていたし、原作も確か中・高のときに一度読んだ記憶があるものの、どういう話だったか本当に何も覚えていないので読み返す。
生徒の話じゃなくて「学校」という場所そのものの話だった。進学校の受験生という人生の岐路で、一年しか無い青春の煌めきを爽やかに描いている。ミステリ部分をスパイスに読み進めると、その瑞々しい日々の鮮やかさそのものが「目的」だったと最後に気付かされる構成が美しかった。その日々が本当の宝物だよ、という構造でこんなに魅力的だと感じたのは初めてかも。要するに「何てコトない毎日がかけがえないの/オトナはそう言うけれどいまいちピンとこないよ」ってコト。ちなみに、ブックオフの100円クーポンが100円棚の本にも使えることを初めて知ったときに買った本で、相当擦り切れていてボロボロの本だったのだが、読んでいる最中に真ん中のあたりのページが外れてきてしまって、おそらく物質としてのこの本の最後の読者がおれになった。お疲れ様。


・僕らはどこにも開かない(2005)/御影瑛路

高校で読んでいたものの再読。この本に限らない話なのだが、中学生の頃に持っていたinfoseekの無料HPや、高校の頃のmixiで、プロフィールに「好きな本」として記載していた作品群があったのだけど、内容はともかく今思うとそのリストは、その頃に読んでいた本のすべてを列挙していただけだった。同じアンテナで、自分にとって波長の合う本を見つけたものだから、作品のテーマがどれも近かったり、繋がりが強固だった部分はあるけど、読んでいる本のジャンルにぜんぜん幅がなくて、いま思い出しても恥ずかしいくらいダサかった。この読み返しもそうだが、そのリストを「かつて好きだった本リスト」として、この機会にちゃんと読む。
閑話休題。この小説は発刊当時キャラクタービジネスとして手堅く広げつつあった電撃文庫というレーベルで、表紙にもどこにも一切登場人物の挿絵を出さずに刊行された、ヤバイ本としての位置づけだった。当時斜に構えるタイプのイタいオタクだったからこそ、この本に出逢えたということを先にんべておく。
実際に読み返した感想を書いておくと、異能の話じゃなくて人間の影響力の話だった。犯人となったガリ勉の思考の歪みが空の境界の白純里緒のそれと近いかもしれない(起きてしまった現象に対しての正当化)し、死んだ人のことをどこまで背負うかという部分も近いかも。唯一の異能力者としてのスキャニング先輩だけが浮いてしまっていて、突発的な異能者ではなく何らかで補完する設定が匂っていればまた読み味が違ったのかもしれないが。それか一部にだけマジの異能を用意する特殊設定系の走りだとしてもよいのか。何にせよこの本を読んだぜんぜん後になってから「クビキリサイクル/西尾維新」を読んだのだが、もし西尾維新を先に読んでしまっていたら、この本の初読の機会さえなかったかもしれないと思う。

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