鷺ノ宮のスーパーウルトラ読書日記 vol.1
鷺ノ宮が読んだ本の感想文です。1冊読むごとに400〜1600字くらいで感想を書きのこしているのですが、それを外向きに読めるようにしたものです。
感想を書いた本のリストです。
これで三ヶ月分くらいです。少ないですね
恥ずかしいので有料にしていますが、サポートいただいた分で更に本を買って読みたいからです。せっかくならおすすめとか教えて下さい。
一応の注記:以下感想文中で「ラ!」はラブライブ!シリーズのこと、「ス」は少女☆歌劇レヴュースタァライトのことを指しています。呼吸を刷るようにそういう呼称をするので、多分先に書いておかないといけないと思って……。
・六番目の小夜子(1992)/恩田陸
小学校のときにドラマ愛の詩を観ていたし、原作も確か中・高のときに一度読んだ記憶があるものの、どういう話だったか本当に何も覚えていないので読み返す。
生徒の話じゃなくて「学校」という場所そのものの話だった。進学校の受験生という人生の岐路で、一年しか無い青春の煌めきを爽やかに描いている。ミステリ部分をスパイスに読み進めると、その瑞々しい日々の鮮やかさそのものが「目的」だったと最後に気付かされる構成が美しかった。その日々が本当の宝物だよ、という構造でこんなに魅力的だと感じたのは初めてかも。要するに「何てコトない毎日がかけがえないの/オトナはそう言うけれどいまいちピンとこないよ」ってコト。ちなみに、ブックオフの100円クーポンが100円棚の本にも使えることを初めて知ったときに買った本で、相当擦り切れていてボロボロの本だったのだが、読んでいる最中に真ん中のあたりのページが外れてきてしまって、おそらく物質としてのこの本の最後の読者がおれになった。お疲れ様。
・僕らはどこにも開かない(2005)/御影瑛路
高校で読んでいたものの再読。この本に限らない話なのだが、中学生の頃に持っていたinfoseekの無料HPや、高校の頃のmixiで、プロフィールに「好きな本」として記載していた作品群があったのだけど、内容はともかく今思うとそのリストは、その頃に読んでいた本のすべてを列挙していただけだった。同じアンテナで、自分にとって波長の合う本を見つけたものだから、作品のテーマがどれも近かったり、繋がりが強固だった部分はあるけど、読んでいる本のジャンルにぜんぜん幅がなくて、いま思い出しても恥ずかしいくらいダサかった。この読み返しもそうだが、そのリストを「かつて好きだった本リスト」として、この機会にちゃんと読む。
閑話休題。この小説は発刊当時キャラクタービジネスとして手堅く広げつつあった電撃文庫というレーベルで、表紙にもどこにも一切登場人物の挿絵を出さずに刊行された、ヤバイ本としての位置づけだった。当時斜に構えるタイプのイタいオタクだったからこそ、この本に出逢えたということを先にんべておく。
実際に読み返した感想を書いておくと、異能の話じゃなくて人間の影響力の話だった。犯人となったガリ勉の思考の歪みが空の境界の白純里緒のそれと近いかもしれない(起きてしまった現象に対しての正当化)し、死んだ人のことをどこまで背負うかという部分も近いかも。唯一の異能力者としてのスキャニング先輩だけが浮いてしまっていて、突発的な異能者ではなく何らかで補完する設定が匂っていればまた読み味が違ったのかもしれないが。それか一部にだけマジの異能を用意する特殊設定系の走りだとしてもよいのか。何にせよこの本を読んだぜんぜん後になってから「クビキリサイクル/西尾維新」を読んだのだが、もし西尾維新を先に読んでしまっていたら、この本の初読の機会さえなかったかもしれないと思う。
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