普通の工学部4年生が国家総合職試験(大卒程度)に工学区分で合格した話



自己紹介

はじめまして。現在私は地方国立大学工学部の4年生です。ちなみに電気系です。院試勉強の合間に休憩がてら書きます。おもに後輩や進路に悩む同級生に向けて書くつもりです。
大学の成績は中の下くらい。4段階評価でだいたい下から2番目。だいたい全部一夜漬けで単位を取得しテスト終了時にはきれいさっぱり内容を忘れているきわめて一般的な(?)大学生です。成績はめちゃくちゃ悪いけど興味の幅は広いほう(?)なのかなと思います。絵を見るのも音楽を聴くのも好きだし歴史関連のコンテンツ(?)が好きでこの間の春休みにどうしても見たい城があったのでイギリスまで友人と行ってきました。
一応現在所属している研究室では通信関連の研究をやる予定です。
冒頭にも書きましたが試験には合格しましたが大学院への進学を(院試に受かれば)予定しています。それについてもおいおい書きます。徒然なるままに書くので読みにくいかもしれませんが私の日記帳だと思って大目に見てください。以下の文章はすべて個人の感想です。

受験のきっかけ

 そもそもなぜ受験するに至ったのか。大学院に進学する予定なのになぜ?と思われるかもしれません。まず第一の理由は将来国家公務員になる可能性は0ではないな、と思ったことです。国家公務員というと財務省とか経産省とかの文系の人が行くイメージが強いかもしれませんが実際各省庁で自分の専門分野を活かして働いている技術系総合職の方はたくさんいらっしゃいます。研究職とかメーカー勤務だけが進路じゃないなーと思ったことが結構大きいです。いつか受けるなら今受けてもいい、というかM1とかM2とかで受けるよりより時間があるほうがいいかなみたいな。
 もう一つは院試に向けてのいい模擬試験になるかなと思ったことです。大学受験と違って院試って模試とかなくて怖いからなんか受けようと思って(受験料タダだし)。
 あと受験結果って今は5年間も保持できるんですよね。めっちゃお得じゃないですか。B4でうかればドクターまで卒業しても大丈夫な計算です。受けるしかない。

(知っている人は飛ばしていい)受験科目の話

こんなのはググれば出てくるんですけどね。ちなみにここに書くのは全部今年受けた時の話で試験日程は毎年少しずつ早くなっていっている傾向にあります。民間の就職時期に合わせて受験者を増やす狙いがあるとかなんとか聞きました(効果出てるのか?)。出願は3月。まず一次試験が4月頭くらいにあります。ここでやるのはマークシートの試験で基礎能力試験(全区分共通)っていう超コスパの悪いセンター試験みたいなのをやります。内容も英語国語算数理科社会みたいなかんじ、40問。あともう一つが専門多肢試験ですね。工学は20問が工学の基礎っていうやつでこれはセンター物理、センター数学から大学1年生で習う教養科目の数学物理くらいの難易度のものが出題されます。残り20問はなんと27科目135題の中から4-6科目合計20問を解くというものです。27科目と聞くとびっくりですが専攻で普通に6個くらいに絞れます。なので30問くらいの中から20問を選ぶイメージ。私は本番では結局電磁気、電気工学、電子工学、通信工学、制御工学あたりを解いたような、、、。

 つぎに二次試験、これはGWあけの5月頭にあって2週間後に面接があります。2次試験と1次試験の結果を合算して合否が決まります。
 筆記試験は専門記述試験と政策論文試験です。専門記述は大学の定期試験とか院試レベルのものが出題されます。政策論文試験は1000から2000文字程度(だったかも)であなたが行政官だとして~を~するためにどうするか資料を用いて論じてください的なものです。

まとめ

  • 一次試験で基礎教養と専門のマークシート試験

  • 2次試験で専門の記述と政策論文

  • 最後に面接

あとといっくとかとーふるとか英検とかで加点があります。私はといっくの点数を提出して15点加算されました。加算される点数は15点か25点なので英語外部試験を死ぬほど頑張る必要はそんなないかなと思います。

なんの勉強したんや ~一次対策編~

最初に結論だけ述べますとトータルで2週間か3週間くらいしか勉強してないです。

基礎教養試験

まず基礎教養科目、これに関しては過去問を一年解いたのみです。というのも前述したとおり基礎教養科目は範囲が広い割に出題されているものはセンターレベルなので1年といたところ、20/40取れてしまったので満足してやらなくなってしまいました。どんな問題が得点できるのか解説していきます。
 まず英語と国語の読解的な問題は普通に大学入試を突破したものならばほぼ難なく解けます。なんも難しいことはないです。算数(というか数学)は条件付確率とか旅人算と的なものとかが出ます。私は説いたことないんですけどSPIとかを意識しているんでしょうか。内容のレベルは数1Aどころか正直、小中学生レベルです。時間制限がややきついので慣れていない人や忘れた人は訓練が必要かもしれませんが特に難しくないです。問題は理科と社会ですがこれははっきり言って私には無理です。選択肢5このうち3個に絞れればいいほうでした。小中高の理科社会が全部範囲なイメージです。今更12年間の復習をするのは無理だったので素直に対策をせずに臨みました。医師の名前とか世界史の何とか王朝とか液体の色とかそんなものをすべて覚えるのは不可能です。対策をやめました。

専門試験

 この対策しかしていないです。まず工学の基礎ですがこれははっきり言ってセンター試験レベルです。とはいってもすべてが忘却の彼方だったので等速円運動の公式を確認するところから始めました。初めてといたときは3割程度だった正答率が過去問をガンガン解くことで10~12/20くらいになりました。とはいってもここが限界でした。特に剛体の力学なんかはさっぱりでした。大学に入ってからすべてを一夜漬けでやったツケが回ってきたなと思いました。
 次に専門のほうですがこれもすべてが忘却の彼方でした。なので2,3年生の時の授業資料を見返すことから始め、並行して過去問をガンガン解きました。なんか問題演習が一番力がつくと思うタイプなんですよね、なので授業でやった演習問題とか教科書の問題とかとにかく解きまくりました。

こうかくとめっちゃ勉強したみつぃですが所詮は数週間の付け焼刃なので過去問を解いても専門多肢試験は20~24/40くらいしか取れませんでした。本番では半分を下回りませんようにと祈りながら、、、、。

一次試験

 付け焼刃だったのでなるようになれ!という感じ。地方の受験会場だったからなのか工学区分はかなり人が少なかったです。法律区分とかはたくさんいました。

とにかく時間との勝負なので必死でした。旅人算で詰まったり、電気回路が解けなかったりしてなんども勘で選びました。
 お花見に呼ばれていたので試験後は会場からその足でお花見をしに行きました。とても楽しかったです。

結果はトータルで42/80。びみょうだなーと思いました。ぎり受かったかな?と思いましたがわからないので勉強はいったん辞めました。

なんの勉強したんや ~二次対策編~

専門記述

 なんと一次の合格発表後から勉強を始めるという超スロースターターでした。GWも普通に遊んでいました。今年度は4/21合格発表5/7試験だったので全然勉強していないですね。自分でも驚きです。
 専門は選択問題なのでまず選択する科目を選ぶことにしました、過去問と突き合わせて院試の科目に近いものを選びました。2個解かなければいけなかったので本当は3科目くらい勉強したかったのですが時間がありませんでした。というのもこの辺で研究室の活動が楽しくなり、モチベも下がっていったんですよね。ちなみに建築系の人はまた科目数が変わってきます。
 公務員試験の過去問は人事院から取り寄せができますが、解答はないです。なので自分で調べるしかありません。はじめは頑張っていましたがめんどくさくなったので大学院入試の問題と大学の授業の演習問題を解きまくることにしました。問題の難易度は極めて基本的なものしか出題されず、問題数はやや多いですが時間にはかなり余裕がありました。正直院試より簡単かもと思っています。なので私のように毎度一夜漬けで乗り切ったような人間ではなく普通に大学の単位を取っている人は正直あまり対策はいらないのではないかと思っています。みんなちゃんと勉強しよう。

政策論文試験

 これに関してはほんとに何もやっていません。どんな問題が出てるのか過去問を見ただけです。あとは英作文の書き方で習ったことを思い出していました。サポーティングセンテンスがどうのこうのとか。資料見て考えればいいやとなぜか楽観的でした。添削してくれる人とかがいなかったのであんまりやることがわかんなかったんですよね。具体→抽象の流れだけきちんとしようと思いました。思っただけです。

二次試験

筆記

 まず専門記述の時間でした。これに関しては正直手ごたえは微妙でした。マクスウェル方程式を忘れるという大失態を犯し、すべてが微妙になりました。でももう一科目のほうは割と解けました。
 結果は成績開示によると素点が200点満点で150点くらいでした。妥当です。書き忘れていましたが一次試験も含め、ペーパーテストは標準偏差とかを用いて得点調整的なのをやるので多分素点はあんまり意味がないんですよね。わからないですけど。まあ専門記述はおそらく7~8割とれたのかな、みたいな。

 次に政策論文試験。政策論文試験は3個の資料があって英語のものと日本語のもの両方があるのですが資料の一つが本当に読めなかったんですよね。私は中学生のころから英語が大の苦手でもう見ただけでアレルギーを起こしていました。何度も出てくるおそらく大事そうな単語の意味が分からないものが3個くらいあって本当に何もわからなかったです。Topic Sentenceの単語に複数わからないものがあったので推測とかも不可能でした。諦めました。なので資料は3個のうち2個しか使えていないです。でも結果は7/10でした。たぶん破綻した文章や突拍子もないことをかいたりしなければほとんど差はつかないのだと思います。具体→抽象の流れだけ気を付けて公務員としてどう働いていくべきだと思っているかテーマに沿って真摯に書きました。

面接

 筆記試験の日に面接試験の日程と場所が通知されます。事前にみじかいESのようなものを書き、当日面接官に渡してそれをもとに15分程度の面接という感じです。先に書いておくと結果は5段階中C評価でした。普通ですね。

 私は院進希望だったので民間のESとかも書いたことがなく、本当に初めてのESでした。先輩や同級生、キャリアセンターなどで添削してもらい、模擬面接もしてもらいました。本当にありがとうございます。
 内容は大学で頑張っていること(学業編)、大学で頑張っていること(課外活動編)、その他、公務員になりたい理由。みたいな感じだったと思います。学業のところは研究室で頑張っていることを書き、課外活動のところは部活動のこと(吹奏楽部です)、その他にはアルバイトのことを書きました。あくまでも面接のネタ帳のような感じで本当に短い文章しか書けません。面接で聞いてほしいことを重点的に書くようにしました。でも4年生の5月って別にまだそんなに研究してないんですよね、なのでほとんど私の将来の夢みたいな感じになってしまいました。部活動も仲間と頑張る楽しさと大切さを学びましたみたいなありきたりなことしか結局書いてないです。正直面接なんて本当に久しぶりなので謙虚に臨むことにしました。
 午前中にイオンでスーツを買ってそのまま会場に向かいました。面接の内容はここは○○○○って書いてあるけどそこから学んだことは?みたいな感じが主だったと思います。正直緊張してあんまり覚えていません。緊張するとへらへらしちゃうタイプなので印象は悪かったかもしれません。でも終始和やかに面接は終わりました。ちなみに公務員になりたい理由のところは一ミリも突っ込まれませんでした。頑張って書いたのに、、、。

おわりに

 面接の後に採用は2年後にしてね、みたいな書類を提出して全日程終わり。結果はざっくり300人中150番くらいの真ん中くらいの合格でした。現在は専ら院試勉強中です。大学院行きたい、、、。
 今のところ将来は公務員になれたらいいな~と思っているけどどこの省庁でもいい!!というわけじゃないしおそらく(無事に大学院に進学出来たら)来年あたりから普通に就活をするだろうなと思います。もしかしたら院卒枠でもう一度受けなおしたほうがいいのかも?ともおもいます。
 でも思うんですけど就活と試験勉強両立するの大変ですよね、あと試験内容は大学3年生くらいで全部習うんだから早めに受けるに越したことはないゃないですか。なので公務員を一ミリでも視野にいれている人間はマジで試験受けたほうがいいと思います。特に理系。人事院が公開している倍率とかか確認してほしいんですけど工学とかって法律とかと比べると格段に倍率低いんですよ。ほんとに受かりやすいと思います。
 あと日本というのはでかい組織なので大抵のことはやっています。なのでどんなことを大学で学んでいてもそれが活かせる場が必ずあります(多分)。まあ試験問題になっているようなものができる人材が欲しいわけで、いろんな科目が用意されてるってことはいろんなところから募集したいってことじゃないですか。

理系の公務員受験ガチでおすすめです。進路に悩んでいる人は是非どうぞ。
あと質問等あればそちらもどうぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?