ショートエッセイ:殺意
土曜日なんですけどね、日帰りで大阪出張だったんすよ、アタクシ…。
帰りの新幹線で、窓際に腰を落ち着け「ふぅ」と一息ついたら、隣の席にスーツのおじさんが乗ってきた。
彼は最初は大人しく弁当など食していたのだが、そのうち車内販売で日本酒やおつまみ、ウイスキーまで買い込み、音立てて物を食うはげっぷはするは、終いには靴を脱いで足を座席前のテーブルに乗せるは(!!) んでがーがー寝出す。既にあんたはこの車両一の騒音男。
第一そんなポーズ取られちゃ私通路に出られないじゃないのよ、そんな長い足でもないくせにコノヤロー。
すごくバッチィ感じがして、手許にハエ叩きがあったら叩き殺してやりたいくらいハラが立ったが、ズボンのボタンを外して爆睡するオヤジを眺めているうちに、(こいつにも家庭があったりするんだろうな…)などと考え始めてしまった。考えがそっちの方に行くと、憎めないというか、仕方ないかな、と我慢モードに入ってしまう私。悔しい。
横でオヤジが伸びをし、「疲れたよ~」と独り言を呟き、体勢を変えてテーブルの上にうつ伏せになった。
新幹線ひかり号は、浜松を通ったところ。東京まではまだ遠い。
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