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自分の入れ物が広がった話

自分はもう40代後半の年齢なのだが、こんな歳になって、なぜか最近、新しく興味を持つことや新しく好きになるものがとても増えてきている。自分でも不思議なくらいに、今まで目を向けてこなかったものや人に対して目が向くようになった。

興味が湧いて、好きになり、さらにのめり込むまで突き進んじゃってる。

昨年春までは、ただただ自分が20年前に立ち上げたクラブを運営し現場でも自分が主になって動いて⋯という毎日ばかり。クラブを存続させることだけに精一杯だったから、それ以外のものに目を向ける余裕やゆとりも、きっとなかったのだと思う。

それまでは時間に縛られ、クラブを維持するための強迫観念に駆られていた。今思えば、そんなに根詰める必要もなかったはずなのに。言い方に語弊があるかもしれないけれど、せっかくの時間を無駄にしてきていたのかもしれない。
もちろん、ずっとやってきたことは決して無駄じゃなかった。たくさんの出会いに恵まれたしね。

でも昨年春にいろいろあってクラブから離れ、大人になってからほぼ初めて、本当にほぼ初めて、時間ができた。

それまでルーティンのように決まって過ごし動いていた曜日のスケジュールがなくなり、最初は人生最大に辛かったけれど、そのうちに少しずつ気持ちが変わってきて、上向きになったのか、それまでの20年あまりで見えてこなかったもの、もしくはわざと目を逸らしてきたものなどにも、自然に目が向くようになったのだと思う。

それまでの間に気づいてこなかった、自分の入れ物。
いや、気づいていたのかもしれないけれど、あえて閉ざしていた。そんな自分の中にある入れ物の蓋を、ようやく開けることができたのだと思ってる。

新しいことに興味を持つことは楽しい。毎日がチャレンジングだ。
興味を超えて好きになると、楽しいを超えて嬉しくなる。新しい幸せが始まる。

例えば
ある日、ふと立ち寄った本屋である本を立ち読みした。この本の中で、日本が韓国を植民地支配していた時代のことが書かれていた。

あの時代、日本から韓国に渡り、若くして亡くなった浅川巧という人物。
統治する側だったのに、韓国に魅せられ、ハングルを学び、現地の人たちの側に立って仕事をし、現地の人たちにとても愛されたという。
彼の葬式には多くの韓国人が駆けつけ、涙を流しながら棺を担いだらしい。

そして逆に、留学生として韓国から日本に来て、禁じられていたハングルで詩を書いたことで逮捕され、獄死した尹東柱(ユン・ドンジュ)という若者の話。

彼は死ぬ直前に、ハングルで何かを叫んだと言う。

彼が命懸けで残した詩が、とても美しかった。

死ぬ日まで天を仰ぎ
一点の恥じ入ることもないことを、
葉あいにおきる風にさえ
私は思い煩った
星を歌う心で
すべての絶え入るものをいとおしまねば
そして私に与えられた道を
歩いてゆかねば。今夜も星が 風にかすれて泣いている。

両国にとって不幸だった(日本が悪いのだが)あの時代に、韓国で死んで韓国の人たちに愛された日本人と、日本で投獄され、終戦の半年前に福岡刑務所の獄中で孤独に死んでいった、韓国の若い詩人。

浅川巧と、尹東柱。偶然立ち読みした本でこのふたりの話を初めて知って、隣の国のことなのに、今までほぼ何も知らなかった自分が急に恥ずかしくなった。

日本から一番近い国。歴史の中でたくさんの交わりがあり、たった数十年前まで日本が統治してしまっていた、隣の国。

今では文化面でもたくさんの交流があり、韓流の映画、ドラマ、そしてK-POPも日本人は普通に受け入れるどころか、すっかり魅了されている。

何度も言うけど、これまでの歴史でたぶん一番関わりがあって、しかも隣にある国。そんな国のことはもっと知るべきだし、歴史も含め、もっと勉強すべきだと思った。こんな歳になってから気づくのも遅いと言われるかもしれないけれど、気づいたからにはやるしかない。

まずは言葉だ。ハングルをマスターしたい。喋れるようになれば、韓国行ってたくさん友達できるじゃん!
TWICEのメンバーたちが話してる会話、字幕なしで理解できるじゃん!と。

あ、時系列が逆になりましたが、ハングルを勉強するようになってからTWICEを好きになり、今では完全にハマってます(遅い)

興味とか好きとかいうレベルはとうの昔にあっさり通り過ぎ、今は沼に入り浸り状態。ナヨン大好き。いや、メンバー全員好き。

これも、クラブ運営に四苦八苦していたあの頃では絶対になかったことだと思う。
2015年くらいからなぜか急に乃木坂46を好きになってハマったけど、ただ彼女たちのコンテンツを観てるだけでそれは消化できたから、のめり込むというほどではないし、楽だった。

でも今は、コンテンツを一方的に受けるだけでなく、毎朝TWICEの動画を観て、ハングルの勉強までしちゃってる自分がいる。一歩、踏み入れちゃってる。
日課の朝活。こんなの、以前の自分では考えられなかったんです。だから、自分の変化に自分で驚いてるのだ。

わかる人はわかると思うけど、ハングル文字ってとても簡単。記号の組み合わせだから、読みを覚えるのは1日でできる。パッチムとかはちょっと難しいけどね。

読み書きはほぼコンプリート。
今は、TWICEの動画に出てくるハングルの字幕を「えっと、あ、ん、にょん⋯」なんて字を追って読もうとしなくても、見ただけで瞬時に読み取れるようにまでなった。たまに「あ、今こう言ったよね」と、ハングルが自然に耳に入るようになってきてる。

なんだ俺!すごいじゃないかと自分で自分を褒めてる。自分以外に褒めてくれる人がいないので。

もちろん、一つ一つの言葉の意味はまだほぼ分からないんですけど。
だからこれからは、単語や言葉の意味を覚えて、接続詞的な言い方とか言い回しも身につけて、彼女たちが話してる内容を字幕なしで自分で理解できるようになりたい。瞬時に聞き取れるようになって、最後のゴールはもちろん、韓国の人と会話ができるようになりたい。そこまでは長そうだけどなー。

でも、がんばろう。

TWICEは9人グループで、韓国人が5人(ジヒョ、ナヨン、ジョンヨン、ダヒョン、チェヨン)日本人が3人、台湾人が1人という構成。
日本人のサナ、モモ、ミナ、そして台湾人のツウィも、今ではハングルがペラペラ。普通になんの違和感もなく、他の韓国人メンバーたちと会話してる。それ観て、よし、俺も!となってくるのだ。

彼女たちはデビューからずっと9人で共同生活をしていて、そこでの生活の様子も含めて、彼女たちの普段の様子がたくさんの動画で観られるんですよ。さらに、彼女たちが不定期でいきなりLIVE配信もしてくれて、そこでコメントを送って交流もできたりする。

だからなおさら、僕ら日本のONCE(TWICEファンのことをこう言う)がハングルに触れる機会も多くなるわけです。

ちなみに自慢ですが、サナの配信の時にコメント送ったら、サナがそれをハングルで読んでくれた。わーい

・・・

「自分の入れ物が広がったのだ」なんて意識高い系の話をしたかったのに、後半はほぼTWICEの話になってしまった。悪い癖です。

ただ、なんで僕がここまでTWICEを好きになったかというと、たぶん多国籍グループだったからなんですよね。
3ヵ国のメンバーがひとつのグループを形成して、ハングル語だけでなく英語や日本語でも曲をリリースして、世界中でスーパースターになってる。

これはとんでもない奇跡だと思うし、僕らが身近で体感できる、とてもわかりやすいグローバルコミュニケーションなものだったりする。そして彼女たちの日常を普通に見せてくれることで、ひょっとしたら韓国の人に対し何らかの偏見を持っている人の、その誤解を解いてくれるような存在なんじゃないかなと思うんです。韓国人メンバーの5人も、とっても愛すべきキャラクターばかりだし。

TWICE最高。ナヨン大好き。早くLIVE行きたい。
ハングル覚えるの楽しい。
新大久保が新たな散歩スポットになった。サムギョプサル大好き。キムチは朝から食べる。真夜中に辛ラーメン自分でつくって食べる。

結果⋯今では韓国大好き。そんな自分もなかなかいい、と自分で思える。
あぁ、早く韓国に行きたい。

ハングルを完全にマスターしたら、韓国と日本を繋ぐビジネスも始めたい。今年の目標だ。
韓国の有能な若手選手をこっちに連れてくる仕事とかもしてみたいな。

入れ物の話に戻ります。
ハングルだけでなく、これまでにない趣味もたくさん増えた。好きなジャンルのものも増えた。

自分の人生を考えて、移住も真剣に検討し始めた。
実際、12月には移住先に出向いて現地の方にたくさんアテンドしてもらい、たくさんの話も聞いた。

ますます、移住の決意が高まった。いや、固まった。
「タカマッタ→カタマッタ」一時入れ替えるだけで、意味が大きく変わってくるな。今気づいた(どうでもいい)

移住なんて、以前の自分なら絶対にそこまで想像も考えも至ってない。
自分で言うのも恥ずかしいけれど、本当に、僕は変わった。たぶん。

目と頭と心の向く先が変わるだけで、こうも新しい日常が待っているとは思わなかった。
自分の入れ物がここまで広がるのも、嬉しい誤算だった。


何かを好きになったり、何かを始めたり、人生をガラッと変えようとすることに、早いも遅いもないし、年齢も、きっと関係ない。
これからの人生の中で今日が一番、若い自分なのだから(意識高い)

It’s not too late, Because we’re young、ってやつです。

とにかく
自分の入れ物を広げ、新しいことに興味を持ち、好きになり、何かを始めてみる。それがこんなに楽しいことだと気づいた今、毎日が楽しくなったのだ。

人生はまだ長い。これからどんなことが自分の入れ物の中に入ってくるか、自分で自分が楽しみになってます。

最後に TWICEの凄さがわかる動画を ↓↓

練習室でのダンス動画だけど、上手いとかカッコいいとかを遥かに通り越した感動レベルの鳥肌もの。これ観て毎日泣いてます(沼)Feel Specialな日々。



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