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今までありがとう。でも、全て忘れてくれ

2021年3月28日(日)
昨年春に離れたクラブの6年生達が、この日の大会で卒団とのこと。最後にぜひ来てほしいと呼んでくれたので、こどもの国まで観戦に行ってきました。

この日は雨予報。でも予報では午後から降るはずなのに、着いて間もなく、朝からザザーっと降ってきた。せっかくの最後の試合なのにこんな生粋の雨男を呼ぶからこうなる。最後までゴメン。
でも最後の日までが雨というのも、生粋の雨男と一緒にずっとサッカーをしてきた彼らの最後という意味では、いかにも、というか。

昨春にクラブを離れて以来、彼ら彼女らにとっての最後の一年は僕は何もしていない。それなのに最後にこうして招いてくれて、メッセージ付きのプレゼントまで。本当に有り難いし、なんだか申し訳ない気持ちも。だから少し行きづらかったのだけれど、行かなきゃ自分も次へ進めないような気もして。

やっぱり行って良かった。

今日を最後にコーチと選手という間柄ではなくなり、サッカーを通して知り合った仲間になる。だからこれからも遊びに来るし、応援にも行くし、何かあったらいつでも連絡してねと、みんなには最後に話しました。

彼らからもらった色紙を見ていたら、ある子がこんなメッセージを書いてくれてた。

「久保田コーチに、一般的なサッカーをひっくり返すサッカーを教えてもらいました。僕の今までもこれからも、一番の考え方はすべて久保田コーチのサッカーだと思います」

12歳でこういう美しい表現ができるというのがまず驚きだし、それをきちんと伝えてくれる彼の人間性を、最後に改めて実感することもできたというか。
何だか、とても嬉しい。

僕のサッカーが全てと今の彼は言ってくれているけれど、でも⋯
彼がこれからチャレンジする新たなステージでは、僕から学んだことは全て忘れるくらいのつもりでいい。本気でそう思う。

意識しなくても、無理に考えなくても、たとえ忘れても。
体と心に染みついているものは、決してなくならない。

だから、変な言い方だけれど
「僕から教えてもらった」と思っているものは、やっぱり全て忘れていい。
そうやって、自分自身をどんどんアップデートしていってほしいな。彼だけじゃなく、みんなそう。

自分で見つけて自分で切り拓いて、そしていつか、自分だけの最高にイケてるサッカー観をつくってくれる事を、心から願ってます。

皆がそれぞれのステージで、自分だけの色をつくって新たな仲間と新たな絵を描いて、そこで、自分だけの魅力をこれでもかと表現していってほしい。
サッカーでも、サッカーじゃなくてもいい。

今まで本当にありがとう。出会ってくれてありがとう。
どうか、アドリブたくさんの楽しい人生を。Buena Suerte !

そしていつか、また会いましょう。

 note、ほぼ一日おきに更新しています。アーカイブは こちら から。


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