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すごいアドリブ力!015「ロックミュージシャンのアドリブ力」

こんにちは、くらです。

(いつも「みんなのフォトギャラリー」からすてきな画像を拝借しております。今回は、yupiさんの画像です。ありがとうございます。)

音楽分野でアドリブのことを「インプロビゼーション」といいます。いわゆる即興演奏のことです。ロックミュージシャンのインプロビゼーションというと、私の場合、まずエリック・クラプトンの演奏が頭に浮かびます。

高校時代、彼のいたクリームというバンドは、3人組のブルースバンドでした。高校2年の頃から、私は家へ帰ると、毎日3時間はクリームのLP(レコード)を聞いていました。何故かというと、アドリブを勉強するにはクリームを聞くのが一番、と親友に言われたからです。

聴き始めた頃は、彼らが何をやっているのか、さっぱり理解できませんでした。それまで、歌謡曲、グループ・サウンド、フォークしか聞いていなかった人間が、いきなりブルースの世界に入ったので、音楽事態もピンときませんでした。でも、何度も聞いていると、フレーズそのものが頭に残り、段々とアドリブの世界に親しみを覚えていきました。

プログレッシブロックの代表格のイエスというバンドがあります。そのギタリスト、スティーブ・ハウへのインタビューがあります。

インタビュアーが、あるインプロビゼーションが別のものよりいい、というのはなにによるのだろうか、と質問を投げました。

スティーブ・ハウの答えは以下の通りです。

「~もっとフレージングで自由になることなんだ。ーーー言葉は厳密に使いたいからーーーフレーズが透明になるんです。こうなるとほんとうに興奮する。ぼくがいい即興と認めるのはこれ・・・・・。

音が前に押し出されてくるーーーひとつひとつの音がそれだけで価値をもってくる。みんなが、ほとんどの人が願っているものはこれだとおもうんだ。即興演奏の積極的な面だね。いろんなことをしながらいくらでも弾きつづけられる。レコーディングをしているときの即興演奏でもぼくがなにを求めているかわかっているつもりだ。

なにかをつかみとりたいからなんだ。自分でできるとおもっている以上のことがちょっとできたりする。そこまでいきつければ、ぼくはハッピーだ。ぼくもインプロビゼーションに基準をもうけようとはしている。

じっさい、この基準はグループ演奏のときもあてはまる。つまり、ここまで達しないとうまくは弾けないだろうーーーひとつに溶け合わないだろうという基準が、インプロビゼーションにはあるんだ。

即興の部分でみんな一緒にほんとうにうまく演奏できたときは、ツアーの水準全体が引き上げられる。」
(『インプロビゼーション』デレク・ベイリー(工作舎)より引用)

即興演奏は、透明、音が前に押し出される、いくらでも弾きつづけられる、バンドが即興で溶け合ったときレベルは引き上げられる。

基準はあるが、フレージングで自由になる。枠は決まっているが、その中で自由になる。小節数とコードは決まっているが、その中で自由に泳ぎ回る。

そして、透明になる。言葉だとよく分からないような感じですが、私のような拙いギター弾きでも、なんとなく腑に落ちる言葉です。自分なりにいいアドリブができたときは、頭が真っ白になったときでした。(自分なり、です。あくまでも(笑))。

今回もお読みいただきありがとうございました。

「今日の一言:アドリブ力は、枠の中で自由になる力」

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