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すごいアドリブ力!031「アナロジー(類推)のアドリブ力」

こんにちは、くらです。

(いつも「みんなのフォトギャラリー」からすてきな画像を拝借しております。今回は、高梨さんの画像です。ありがとうございます。)

新しいことを考えるとき、既存のものの組み合わせで発想を広げることがあると思います。私たちの周りにあるものの多くはそうやって生まれてきたと感じます。荷車と動力を合わせて自動車、ギターと拡声器でエレキギター、アイスとイチゴでいちご大福・・・・・。

無理やり合体させた感があります(根拠が正しいかどうか分かりません)が、見回してみると進化しているものは、何らかの組み合わせだと感じます。そこで出てくるのが、類推(アナロジー)という概念です。

「とくに新しいビジネスの機会を生み出すときには、無関係に存在している点と点を結びつける力が欠かせません。その典型がアナロジー(類推)です。あるもの(A)と別のあるもの(B)とのあいだに構造的な類似性を見出しているとき、もしAのなかにaという特徴があったなら、Bにもbという特徴を予見することができます。このように、眼に見えていないものを観るときには、アナロジーはきわめて有効なのです。

ザッポスCEOのトニー・シェイは、大学時代に興味を持ったポーカーをビジネスと関連づけており、市場機会・マーケティング・ブランディング・戦術・財務・企業文化といったビジネスの要素のほとんどを、ポーカーとのアナロジーのなかで学んだと回想しています。

たとえば、ポーカーでは、どんな9人とプレーするか(テーブル選び)を変えるだけで10倍勝てることを彼は知っていました。そこでビジネスでも、『何のビジネスをはじめるか』を最も重視したのです。

経験豊富なライバルがいるテーブルに着けば、ゲームの負けは見えているという点は、どちらにも共通でした。そのようなアナロジーから生まれた会社が、のちにマイクロソフトとアマゾンによって巨額買収されることになろうとは誰が予想し得たでしょうか。

異なる事物における相似性を知覚する創造的プロセスという意味では、比喩(メタファー)もアナロジーの一種です。実際、比喩を生み出そうとする人の脳内では、実行制御ネットワークとイマジネーションネットワークという領域をつなぐダイナミックな活動が見られるのですが、この脳活動はクリエイティブな人に特徴的に見られるものでもあります。

互いに疎遠なものどうしのあいだに関連性を見出すためには、『眼に見えないものを観る力』、すなわち、マインドアイの作用が不可欠です。『AはBのようだ』という比喩が語られるとき、そこではメンタルイメージに基づいたビジュアルシンキングが行われているはずです。たとえば、次の比喩をご覧ください。

『(20年後)企業は、指揮者(CEO)が率いるシンフォニーオーケストラのように階層が減り、横のつながりが重視されるようになるだろう。これまで研究→開発→製造→宣伝→販売という順序で起こっていたことが、同時発生的にそれぞれの情報を持ったスペシャリストが集まったチームによって遂行されていくのだ』

これはピーター・ドラッカーの言葉です。彼は比喩の名人でもあり、自ら書いた文章のみならず、インタビュー記事などでも、彼の言葉には比喩が頻出します。これはドラッカーがビジュアルシンカーであったことの証明とも言えるでしょう。」
(『知覚力を磨く』神田房江(ダイヤモンド社)より引用)

違ったものを組み合わせて新しいものを創造する。メタファーもその最たるもの。クリエイティブな脳は、普段から鍛えることで進化していくと感じました。

今回もお読みいただきありがとうございました。

「今日の一言:アドリブ力は、アナロジーの訓練で鍛えられる」


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