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「趣味は読書」の人の醍醐味〜私の本の読み方と買い方〜

「本を読まない人が増えた」と言われるようになって久しい。私のように出版社に籍を置く人間や本屋さんからしてみたら、商売あがったりの実に厳しい時代である。

ネットやスマホの影響はもちろんあるが、私は何よりも本(活字)というコンテンツに魅力を感じる人が少なくなったことが、大きな理由だと思っている。

つまり本よりも魅力のある娯楽やコンテンツが増えたということだ。


可処分時間はサブスクの映画やドラマ、YouTubeのような無料動画に奪われ、プログラム技術の最先端をいくゲームに奪われた。雑誌を読む時間はスマホのネット記事に置き換わり、そして多くの人たちがSNSに時間を割くようになった。



しかし、それでも本を読むのが好きだという人が一定数いるのも事実だ。彼らは今では少数派なのかもしれないが、趣味の一つに読書をあげる。鞄の中に文庫本をしのばせ、通勤電車の中でも本を読み、書店に足を運ぶ時間をこよなく愛し、購入したばかりの、そのブックカバーのかかった本に胸を躍らせる。私もその一人だ。


私はたいてい鞄の中に文庫本を2冊から3冊持ち歩き、トイレに1冊から2冊常備し、お風呂で読む本を何冊か決めている。なので5冊くらいの本をちょろちょろと並行して読む派だ。基本的にななめ読みはしないが、つまらなければページを飛ばすし、章をまるごと飛ばしてしまうこともある。(ただし小説はちゃんと読んでいく。つまらない小説は途中で読むのを止めてしまう)


一日の中で読書に割ける時間は限られている。(映画を観たい時もあればゲームを遊びたい時もあるし、通勤中は音楽やラジオを聴きたい時だってある)そんな中でもできるだけ多くの本を読みたいし、根が飽きっぽいので今のような読み方が定着したのだ。


読みたい新刊はだいたい月に一回、大型書店で5冊~6冊くらいをまとめて買う。まだ読んでいない名作と呼ばれる小説(私の場合はSFやミステリーが多い)はブックオフなどでやはりまとめ買いする。大型書店や古本屋に置いてない本についてはAmazonを活用する。買うのは9割近くが紙の本で、紙の本が在庫切れになっている時や今すぐに読みたい時だけ、電子書籍を買う。紙の本だけでも10冊くらいはいつも積読(つんどく)状態になっているが、特に気にしない。


5冊くらいの本を並行して読んでいると、面白い本はあっという間に読んでしまうことが分かる。トイレで読む用の本が(続きが気になって)鞄にしまいこんだり、逆に鞄に入れていた本がお風呂用やトイレ用に格下げされることもある。


スマホを見ているとあっという間に時間が過ぎてしまうが、「またやってしまった」と後悔することが少なくない。

しかし本に夢中になって時間が過ぎてしまった時にはそういう後悔はなく、次はここらだと栞をはさんで、とても充実した気持ちになれるのは、「趣味が読書」の人の醍醐味だろうか。






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