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信念と断定に人は魅了されてしまう

話題の危機感ニキ「ジョージ」さん。
あらゆる方面に正論パンチのようなものを叩きこんで世の男どもの心を
良い意味でも悪い意味でも抉っている人ですね。

僕はこの人、思想に偏りを感じながらもそんなに嫌いではありません。
何故かというと、この人はこの人なりに自分の人生について
真剣に向き合って一つの答えを出しているからだと思います。

彼の使う「危機感」という言葉には、最終的には
胸を張って生きてない自分に対する後悔を持ちながら生き、
死ぬことへの警鐘を鳴らすものであって、
そこに何かマウント地味たものとかを感じないからです。

彼から感じるのは「一緒に幸せになろうぜ、俺は幸せになる方法を
知っている。俺が教えてやる」という信念です。
ただ、危機感という言葉を使う事によって不安を煽って他人を従わせよう、
自分の思想を広げようとするのは余り好みではないです。

あと、個人的に僕はモテるという言葉を使う人は信用しません。
僕はモテる必要なんて無く、ただ一人の女性を真剣に愛して
幸福を祈れればそれで良いと思ってますし、モテるという言葉は
競争を煽る言葉で、それは子孫を残す本能に根差した価値観であり、
人間的ではない価値観を主軸に置く主張に違和感を感じるのです。
人間の闘争本能を利用した少しずるいやり方で、
皆さんが感じる鼻に突く印象はこれが原因の一つだと思います。
人は人の「獣」の部分を利用されると嫌悪感を感じるものです。

それでも、彼に一定の魅力を感じてしまうのは、それなりに練り込まれた
思想と、それを心の底から信じて発信し、断言する信念の強さがあるからでしょう。
一種のカリスマ性が彼にはあると思います。

僕はジョージさんを初めて見た時、独裁者を思い起こしました。
ヒトラーの演説っぽいなと。
人のルサンチマンや劣等感を刺激し、奮起させ、
彼に付き従おうという気になる要素を兼ね備えている。

ヒトラーは一次大戦で負けて経済的にボロボロになった不満を
上手く他責的発言によって負のエネルギーの行き先を与えました。
そして、ヒトラーは経済政策でも成功を収め実績を示すことで、
自分の思想の正当性をより深め、示すことにも成功した。
その事で絶対的な地位を得ることになりました。
そしてホロコーストを国民が支持するにまで至ってしまった。

ジョージさんもすごく似ています。
本能に根差す男性的な模範、方向性を示し、
自身も筋肉などの肉体的なもの、信念という精神的な男性的な魅力を
実績として示しています。
彼は別にどこかの世界で一番になったわけでもないですし、
大学も中退しているとの事ですが、経歴はホリエモンの
東大中退のような、非凡な印象を抱きますね。

だから、彼の理論にどこかしら違和感を感じながらも
魅力を感じざるを得ないのです。
もうこれは、本能からくる反射みたいなものだと思います。

僕は仏教やアドラー心理学などを勉強し、人生とは他人との競争ではない
という事を理解していますので、彼の思想については異論を唱えますし、
彼の思想に染まるつもりは更々ないです。
ただ、彼が間違っていると僕が考えているだけで、どちらが正しいなんて
普遍的な答えは出ません。
また、本能に根差した人間性を無視した理論を打ち出しながらも、
彼が問い、伝えている事は「よりよく、胸を張って生きよう」と
いうことで、僕はそこは大いに賛同するところです。
なので全否定する気も無いです。
少し価値観が違うなという事だけは言えます。

今回僕が伝えたいのは、なぜ彼に一定の正当性と違和感を感じるのかを
自分の中で分析し、客観視できたほうが良いということです。
彼のカリスマ性は麻薬的です。
そしてそんなに邪悪でもないというのが僕の見解です。
危険なのは他人の思想に心酔し、自分で考える事を放棄する事です。
僕もアドラー心理学にかなり影響をされていますが、全てを鵜呑みに
しているわけでもなく、理論値としての正しさと、
実践値としての不確実性を感じていますし、
僕はアドラーの思想の上に「死」の概念をトッピングした考え方を持っています。
そこら辺は興味がありましたら僕の他の記事をご覧ください。

少し脱線しましたが、今の所、ジョージさんは
誰かを洗脳して高い壺を買わせているわけでもないですし、
金や名声をそこまで求めているような感じもしない。
YOUTUBEの広告収入で結構儲けてはいるでしょうけど、
それが目的だとは思いません。
ただ人間は変わるもので、彼に人気が出て持て囃されるように
なった時、彼が初心を忘れずに名声に酔う事が無いかどうかは
正直疑問です。
承認と称賛は魔物ですからね。
僕もこんなところでこんな内容の記事を書いてるぐらいですので、
同じ穴の狢だと思います。
ただ、僕は表現はしたいのですが、あまり目立ちたくないです。
承認欲求に負けたり、競争に巻き込まれるので
それが怖いです。

僕から言えるのは、ジョージさんがコツコツとYOUTUBEで発信し、
積み上げてきたものが人の心をつかみ始めているという事。
そして僕らは彼に本能的、反射的に惹かれざるを得ない、
反論しがたいものを突きつけられているという事です。

記事の最初に張った動画のゆゆうたさんが「効いた」とかいいながらも
「ずるいだろ」というのは至極真っ当な反応だと思います。
僕も同じ感想です。

彼に感じる信念への尊敬と、ヒトラーになり得る素養への恐怖感に
今日は筆を執りました。
それでは、

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