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エルサに重ねるADHDの自分~アナ雪に見る生きづらさとの向き合い方~

最近、アナと雪の女王を見返しました。(ディズニープラス万歳!)

※超今更なのでないとは思いますが、この記事はネタバレを含みます。

1.アナと雪の女王 あらすじ

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アレンデール王国の姉妹のプリンセス、エルサとアナ。二人はとても仲良しでした。エルサには生まれつき氷を操る魔法の力がありました。ある日、エルサは不慮の事故で大事な妹のアナを、魔法の力で傷つけてしまいます。トロールの魔法の力でアナは一命を取り留めたましたが、エルサの魔法についての記憶をすべて消されてしまいます。エルサは大事な妹を傷つけた自分を許せず大きなトラウマを負ってしまいます。エルサとアナを守りたい両親は、城門を閉じて国の人との交流を絶ちました。アナとエルサも離れ離れです。エルサの魔法の力のことを忘れてしまったアナはそれでも大好きなエルサに話しかけますが、そんなのんきなアナの気持ちがエルサを苦しめます。日に日に強くなる力を恐れたエルサは怯えから心を完全に閉ざしてしまいます。そんな中両親のアレンデール国王と王妃は旅先で事故に合い、帰らぬ人となってしまいました。悲しみに暮れる二人でしたが、エルサは自分がまたアナを傷つけるのではという思いから、お互いに支え合うことはできないと感じてしまいます。

エルサの女王戴冠式の日。はじめて開かれた世界にアナは大はしゃぎ。国の人や新しい人との出会い、久しぶりのエルサとの触れ合いに舞い上がったアナは出会ったばかりのハンス王子に恋をし、結婚をする。とエルサに報告をします。結婚に反対するエルサに腹を立てたアナは、エルサに今までの気持ちをぶちまけます。エルサの想いを無視したアナに怒ったエルサは今まで必死に抑えてきた魔法の力を解き放ち、城を凍らせてしまいます。これ以上誰も傷つけたくないエルサはパーティーを抜け出し一人雪山へと向かいます。

雪山でエルサは自分の力を解放し、大きな氷のお城を作り、そこで「ありのままの自分」として一人で暮らすことを決めます。(有名なLet It Goのシーンです)エルサを放っておけないアナは一人で雪山にのりこみ、そこで出会った氷職人のクリストフ(とトナカイのスヴェン)と共にエルサの城へ乗り込みます。エルサは国へ帰ることを拒絶しますが、自分のせいで国中が凍り付いてしまったことを知り、再び自分を責め心を閉ざしてしまいます。感情に乱れから力のコントロールが利かなくなったエルサは、再びアナを魔法で傷つけてしまいます。そして、これ以上二人を傷つけまいと、大きな雪男を作り二人を氷の城から追い払います。

エルサの魔法は強力でアナは瀕死の状態に陥ってしまいます。真実の愛だけが魔法を説くことができると知ったアナは、急いでハンス王子の下へ戻ります。しかしハンス王子は真実の愛の相手ではありませんでした。アナの魔法は解けず、ついにアナは魔法の氷で凍ってしまいました。完全に凍ってしまったアナを見たエルサは、悲しみに暮れ、心から愛する妹を傷つけたことに涙しました。するとアナを覆っていた魔法の氷が解けたのです。エルサを思うひたむきな心がエルサの心をとかし、エルサはアナへの愛を再び思いだしたのです。アナはエルサの力を受け入れ、2人の心が再び通い合い、二人は元通り仲の良い姉妹として国に帰りました。エルサは感情の安定を取り戻し、力をコントロールし良き女王として国を治めました。

2.他人と違う生きづらさ

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私がエルサにもっとも共感をしたのはエルサの抱える「生きづらさ」です。魔法の力は生まれつきエルサに備わったものでした。決してエルサが望んだものではありません。エルサはきっと常に「どうして私だけ?」という気持ちと「誰も傷つけないように常に自分を隠し、いい子にしていなくては」という気持ちを抱えていたように思います。

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ADHDも同じです。生まれつき、どうしても人と同じようにできないことがありました。ただできないだけではなく、自分が人を悲しませたり傷つけたりする人間だとわかったとき、とても悲しかったことを覚えています。みんなと同じようにできないことを親に伝えても理解されなかった。「普通」であることを求められていました。できれば普通でいたかった。親の望む「いい子」でいたかった。親の期待に応えたかった。誰も傷つけずに笑顔してあげたかった。それができない自分が大嫌いでした。その反面「普通」になれない自分を受け入れてほしかった。そう思いながら毎日を過ごしていました。

3.自己の解放

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エルサは自分の決断により、閉じ込めていた自分自身を認め、能力の活かし方を見つけ、受け入れます。二度と自分も、そして他の人も傷つけないように一人で生きることを決めました。
私にとっての転機はADHDの診断をうけたことでした。私は大人になるまで自分がADHDであることを知りませんでした。ADHDの診断を受けたとき「なんで私にはできないの?」って悩むことが少しだけバカらしく思えました。生まれつきできないんだから考えたってしょうがない。無意味に自分を責めるよりもADHD持つ良い面を受け入れて大事にしていこうとそう思えた瞬間でした。自分を少し受け入れたと同時に「こんな症状、他人は許容できない。きっと誰にも理解はしてもらえないだろう。」という思いが生まれました。もしかしたらずっとひとりで生きていくべきなのかもと考えたこともあります。(いまだにちょっとそう思ってます。)

3.過去のトラウマと現在の感情のコントロール

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エルサを最も苦しめていたのは、自分の能力への恐れから来る精神不安定でした。過去のトラウマを捨てきれず、日々強大になる自分の力にいつもおびえていました。いつか取り返しのつかないことになるのではないかという不安といつも闘っていました。そうした不安からくる感情の乱れがエルサの能力を暴走させ、人々をより一層遠ざけてしまいます。過去のトラウマが引き金となって、エルサを一途に愛するアナや周りの人の愛情を覆い隠してしまいます。

私もいまだに「過去のトラウマ」を引きずっています。いわゆるADHDの二次障害です。うまくいかなかったことを怒られたり叱られたりした経験から二次障害を持っているADHD当事者は少なくありません。私にとって一番顕著な二次障害は「見捨てられ不安」です。親に認めてもらえなかった経験から、友人にも恋人にも見捨てられてしまうのではという不安といつも闘っています。見捨てられたくないという気持ちがとても強いです。「自分はダメな人間だから見捨てられてしまう!」という思考に陥ると、衝動のコンロトールが全く効かなくなります。それが最終的に「見捨てられる」という事実に直結していることをわかっていても抜け出せなくなってしまいます。

本当は、過去のトラウマを払拭し、見捨てられ不安を捨て去ることこそが「見捨てられない」ための一番のカギなんです。私は未だエルサのように過去を払しょくできていません。ただ、過去は過去、今は今ということを受け入れなければずっと凍った心のままです。これについては一つずつ払拭していければいいなと思います。

4.現実に目を向けること

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エルサは過去のトラウマにとらわれ、自分の力を恐れるあまりアナの愛情に気づけないままでした。魔法のことを忘れてしまったとはいえ、幼いころからアナは大好きなエルサを拒絶したことはありませんでした。両親のアレンデール国王と王妃も同じです。二人は決してエルサを苦しめたかったわけではありません。エルサを守るため、力の使い方を教育し、城を閉じたのです。

愛情が正しい形で相手に伝わるとは限りません。厳しい愛情もあるかもしれません。私は過去の経験から、人に対してあまり心を開くことができませんでした。相手も自分も傷つけたくなかったのです。しかし、自分に向けられている愛情があることに気づき、それを受け入れることが「ありのままの自分」を受け入れるためにはとても大切です。実はこれに気づいたのは本当に最近のことでした。映画の公開直後にはこのことには私は気づけませんでした。映画を見直したことで、サポートしてくれる彼や友人のありがたさを改めて実感しました。それに真摯に向き合い、応えることが「自分を好きになる」第一歩だと思います。(まだなかなかうまくできてないけどね…)

5.アナ雪・エルサに学ぶ生きづらさとの向き合い方

①ありのままの自分を受け入れること
②自分を責めるのを辞めること
③能力を活かす場所(活かす方法)を見つけること。
④過去のトラウマから離れること。
⑤支えてくれる人の愛情に目を向けること。

この5点が、わたしがアナと雪の女王から学んだ点です。
どれもこれも文字で書くほど、簡単ではありません。

ADHDであるか否かに関わらず、何者も自分であることから逃げることはできません。どこかで必ず自分と向き合う必要があります。この映画をきっかけに、少しですが自分の気持ちの持ち方が変わりました。どうしてもつらいときはアナ雪を見よう…。

アナと雪の女王Ⅱでは、エルサはアレンデールの女王でいるよりももっと自分に向いている場所を探し求めます。エルサが自分自身を愛することができたからこそ、より良い環境を求めることができたのだと思います。

とりとめのない文章になりましたが、本日はここまでです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。エルサのように愛にあふれた、幸せな生活がやってきますように!

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