災害リスク回避としての多拠点生活〜共助コミュニティに帰属するメリットとは?〜
2020年1月17日、6,434人が犠牲となった阪神・淡路大震災から25年を迎えました。
地震大国の日本は、災害リスクと常に隣り合わせにある環境と言えます。2014年に、政府の地震調査委員会は「首都直下型地震は今後30年で70%」という数字を示しましたが、その根拠となる歴史的背景をNHKが分析しています。
災害リスクを想定し、共助コミュニティに参加
東日本大震災から8年が経過したものの、当時、東北・首都圏で被災した人にとっては、今でも忘れられない経験であるのは想像に難くありません。
交通網が遮断され、食料やガソリン・灯油などの燃料入手が困難を極め、店の前には長蛇の列ができました。加えて、地震と津波による福島第一原子力発電所の炉心溶融(メルトダウン)など、一連の放射性物質の放出を伴った原子力事故は、日本列島に多大な恐怖と被害を与えました。
こうした背景から、東北・首都圏から移住する人の数は、発生直後から日に日に増していったものです。
しかしながら、被災地以外に身を寄せることのできる親戚・友人が必ずいるとは限りません。また、東京一極集中の人口動態が続く中、首都直下型地震が発生した場合には、家族や親戚なども共に被災し、助けを呼ぶことが非常に難しい局面に立たされる人も、相当数上るのではないでしょうか。
災害という自身の努力では何とも抗えない苦難な状況においては、事前に「共助コミュニティ」に身を投じておくことが対策の一つになるはずです。
コミュニティによる台風被災時・被災直後の支援
2019年9月5日に発生した台風15号は、観測史上最強クラスの勢力で日本に上陸し、千葉県を中心に甚大な被害を出しました。
このとき、多拠点コリビングサービスADDressが運営する千葉県南房総市の家も、ガラスが割れたり停電で2週間もライフラインが閉ざされたり、大きなダメージを被りました。被災エリアのADDressに予約を入れていた会員には、台風の影響を受けていない他のADDressの家を案内。ADDress南房総は1ヶ月近く運営をストップし、改修作業の手配を行いました。
ブルーシートが覆い被さった家屋が点在する中、家屋の修繕のために、工務店など職人への発注が殺到し、千葉県内で業者の手配が非常に困難な状況となりました。この状況をADDressコミュニティに投げかけたところ、複数の方から手配可能な近隣都県の業者情報をいただき、被災して1週間以内で修繕が完成しました。
また、当地に住む家守(管理人)を心配し、食料や簡易電力(給電)の提供など、コミュニティのメンバーからの支援や励ましは後を絶たない程でした。普段の生活を取り戻した後も、コミュニティのメンバーからは「家守さんを元気づけたい」といった声が寄せられ、鳥取から南房総まで車で駆けつけた会員もいたほどです。
安心できる仲間のいる地域に帰属できる生活
ADDressは毎週、多拠点生活や会員登録に興味・関心がある方を対象に、交流会を開催しています。
参加者に「なぜ、多拠点生活をやろうと思っているの?」と問うと、「震災を経験し、どうすれば安心して生活できるかを考えるようになり、多拠点生活に行き着いた」と回答する方が、だいたい3人に1人はいます。
多拠点生活は「地域ごとにさまざまな出会い」があり、新鮮さや楽しさ、普段の生活からの気分転換といったニーズは共通項としてあるものの、災害リスク回避という観点でのニーズも徐々に広がっているのではないかと実感しています。
今住んでいる場所とは違う、第二第三の故郷を他地域に見つけて、そこで好きな時に生活してみる。そんな生活が当たり前になれば、さまざまな地域に帰属するコミュニティが生まれます。いつどこで困難な状況に陥っても、一緒に乗り越えられる仲間が待っているという安心感を感じてもらえたら、多拠点生活の大きな利点になると思います。
ADDress交流会で聴ける多拠点生活リアルな声
2020年1月25日(土)12時より、Nagatacho GRiD 5F(東京・千代田区平河町2−5−3)にてランチ付交流会「ADDressのリアルな「コリビング日常ライフ」が聴ける MEET UPランチ」を開催します。
その名の通り、ランチを食べながら交流できるカジュアルなイベントです。お一人でのご参加も大歓迎です。ADDressコミュニティについて聞いてみたい!という方、ぜひお気軽にご参加ください。
毎回、イベント告知はADDressの公式FacebookページまたはTwitterアカウントから情報発信しています。ぜひ、フォローをお願いします。
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