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三豊市財田町の"皆の実家"〜古民家で繋がる地域との交流〜

香川県1号物件であるADDress三豊の家がある三豊市は、高齢化が進む山側の「財田町」にあります。

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三豊市というと海側の三豊市仁尾町「父母ヶ浜」が有名で、水面が鏡面状に映る写真が撮影できることから、インスタグラムなどSNSで人気のスポットです。観光客が多いのが海側で、ADDress三豊の家のある山側は地元住民が住む静かな農村集落です。

(※画像下=ADDress三豊の家の外観)

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個室が3部屋(洋室1部屋、和室2部屋)ある他に、キッチン・ダイニングと二間続きのコリビングがあります。もともとオーナーさんが理容室を経営していたので、店舗部分をコワーキングスペースとしても開放しています。

(※画像下=コリビングとして冬はコタツ部屋に)

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地域の農産物がADDressの家で手に入る環境

財田町は野菜を生産する農家が多く、三豊の家でも購入することができます。地元農家と親しい家守さんが、その時々の収穫野菜を仕入れてリビング隣のスペースの一角に「おふくわけマルシェ」(=画像下)を作りました。

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徒歩圏内にスーパーマーケットがないので、このような取り組みはADDress会員にとって重宝されています。私が滞在した2021年3月は、うどん粉で生地を作り、トッピングにマルシェの野菜を使ったピザを家守さんや会員さんたちと一緒に作りました(=画像下)。

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家守さんのクチコミ情報で生活をもっと豊かに

家守さんと一つ屋根の下で共に生活するからこそ得られる地域情報は、多拠点生活ならではの醍醐味です。今の時代、インターネットで検索すれば大体のことは分かりますが、地域の生きたクチコミ情報は行間にしか書かれていないものでもあるからです。

私は三豊の家ができるまでに何度かこの地を訪問したので、ある程度のことは知っているつもりでした。しかし、数時間訪問するのと今回のように複数日滞在するのとでは、知りたい情報の幅や角度も異なります。

以前は目に止まらなかった近所のカフェがふと気になって家守さんに聞いたところ、マンゴー農園が運営しているフルーツカフェだということを知りました。そして、マンゴーが三豊の名産の一つであると説明を受けました。三豊とマンゴーの組み合わせが意外だったので、早速カフェを訪ねてデザートを購入。甘い甘い三豊マンゴーは、仕事の合間の息抜きとして丁度いいおやつになりました。

(※画像下=アン・ファームのマンゴースイーツ)

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ちなみに、マンゴーを使った手作りピザも、家守さんや会員さんたちと一緒に作りました。焼いても美味しくいただくことができました(=画像下)。

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三豊の家には、家守さんや会員さんのクチコミ情報ボードが設置されています(=画像下)。暮らし情報、ドライブ・ツーリング、グルメ情報などさまざまです。

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香川といえば、うどん。うどんは避けて通れない食文化です。
近隣グルメにも、家守さん一押しのうどん屋情報が貼ってありました。複数日の滞在で、複数のうどん屋さんを食べ歩きましたが、やはり家守さん一押しのうどん屋さんが一番美味しかったです。

(※画像下=家守さん一押しのうどん屋「SIRAKAWA」の小うどん)

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SIRAKAWAの家守さんお薦めポイントは、揚げたてのちくわ天(=画像下)と大将の人柄だそうです。

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三豊の家にもお風呂はありますが、近隣に温泉施設も複数あるので、時間があればのんびり大浴場やサウナに入りに寄ってみてください。

個人的には、ヌルヌルした浴感が気持ち良い天然温泉「環(たまき)の湯」(=画像下)がお薦めです。三豊の家から一番近く、道の駅「たからだの里」に併設しています。料金は大人510円と手頃なのも魅力です。

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元庄屋の古民家が新たな地域コミュニティの場へ

そして、三豊の家の周辺情報として外せないのは、「cafe 季(とき)」。車で5分、徒歩15分の距離にある家守さんが運営するカフェです。2021年3月時点では改装準備中で、オープンは4月22日を予定しています。

準備中の物件を訪問したのですが、歴史ある大きな立派な建物が印象的でした(=画像下)。

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庄屋だった古民家を、家守さんを中心に地域の農家さんや大工さん、庭師さんや職人さんの支援を受けて再生させたそうです。オーナーが物件を提供してくれたのも、地域の人が改修の手伝いをしてくれたのも、家守さんがこの地でコミュニティを築いてきたから成し得たもの。

家守さんは神奈川県から地域おこし協力隊員として香川県三豊市に移住され、お菓子作りを勉強しながら財田町に暮らす中で、地域住民との絆を深めてきました。2021年3月で任期満了を迎え、翌4月からカフェ運営として独立起業しつつ、ADDressの家守も兼務されます。

このカフェを訪問し、古民家が新しい形で生まれ変わった様子を感じた時、私はとても温かく感動的な気分になりました。財田町のコミュニティの中で、家守さんがしっかりと定位置を作られたことを実感したからです。

(※画像下=カフェの庭にある大木モッコクの脇で腰をかける家守さん)

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手を施された内装や庭の景色一つ一つが、地域の力で生まれたものでした。他所から来た若者の活動を応援し、協力する地域住民の姿が目に浮かんできました。

(※画像下=廃材を活用し、地元の職人によるアイデア・インテリアに)

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店舗の奥には、コワーキングスペースもありました(=画像下)。家守さん曰く、「ADDress会員さんはテレワーク利用が多いので作りました」とのこと。実際にADDress三豊の家に滞在した会員さん一人一人に意見をもらいながら、スペースを作っている段階です。仕上がりが楽しみです。

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"フルスロットル"新プランで2次交通課題解消

三豊市財田町は中山間地域のため、二次交通が課題でした。高松空港経由で来る県外都市部在住の会員も多いので、滞在中の地域内移動手段をどうするかというのは、2020年秋のオープン時からの懸案事項でした。

しかし、この課題は家守さんの地域コミュニティ力で解決。隣の観音寺市にあるバイクなどの整備会社「株式会社フルスロットル」に掛け合い、レンタルバイクとレンタカーの地元最安値「ADDress限定プラン」を作ってくれたのです。元々家守さんは、同企業の観光PR動画に協力したことが縁で繋がりが生まれ、その後もイベント運営の手伝いなどで交流を深め、信頼関係を築いていました。

(※画像下=家守さんも登場する三豊・観音寺のツーリング紹介動画)

レンタカー料金は以下の通り、驚きの最安値価格です。

■軽自動車(乗車定員4名)
車  種:三菱EKワゴン
料  金:24時間3,300円/1週間11,000円(税込)
保険内容:対人対物無制限/搭乗者500万円
     24時間ロードサービス付
     カーナビ/ETC付
     走行距離無制限
※オプションで車両補償免責:24時間1,100円/1週間3,300円(税込)
※観音寺駅までの無料送迎またはADDress三豊の家まで運搬サービス有

フルスロットルはバイクや車の整備会社が主な事業ですが、3年前からレンタル事業を始めました。上記は車のレンタルプランですが、スクーターから大型バイクまでバイクのレンタルも行っています。

コロナ禍でレンタル事業の利用者が減る中、専用アプリを開発。スマホを携帯すれば、地元のお薦め店舗やスポットルートの案内の他、GPSデータを取得した24時間ロードサービスを展開するなど「手厚いアフターサービスが売り。それはどこにも負けない」と語る代表取締役の友枝正千さん。

友枝さんがADDressプランを提供した背景としては、ADDress会員の移動範囲が広がることで地域の店舗を訪問する機会が増えて「地域の人に喜んでもらえること」。ADDress会員には移動手段が増えることで「楽しい体験をしてほしい」。そして、「石井ちゃん(家守さん)がいるからだね」と最後に一言、優しい笑顔を浮かべて断言されました。

(※画像下=フルスロットル代表の友枝さんとレンタルバイク)

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ADDressプランを提供して間もない中で、利用ニーズは日に日に高まっているそうです。使いたい会員さんが増えるなら、提供自動車も増やしていきたいと、友枝さんは今後の展望も検討してくれています。

また、ADDress三豊の家は山側で勾配のある道が多いことから、レンタル電動自転車も5月頃を目処に提供開始してくれるそうです。電動自転車であればADDress三豊の家にポートを設置できるので、到着した途端に借りることも可能です。

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地域によって物件の立地や周辺環境は異なります。多拠点生活では、住み替えごとに買い物や交通など地域課題に直面します。地域に住むことで課題が浮き彫りになり、何か良いアイデアを一緒に考えるきっかけにもなります。

三豊の家では、前述したように収穫した野菜の販売所としてADDressのスペースを活用したり、長期滞在用の移動手段として地元企業と提携したレンタル事業を展開したり、アイデアが形になっています。これもひとえに、家守さんが地域コミュニティの中で活動され、地域の人と繋がるきっかけを作ってくれたからこそです。

(※画像下=ジョギングコースとしても最適な家から片道2kmの宝山湖)

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半年ぶりの訪問でしたが、私が三豊の家に着いた時に「お帰りなさい」と迎え入れてくれた家守さんに、反射的に「ただいま」と答えていました。

一つ家の下で共に生活する家族間で交わすような会話が、ADDressでは当たり前の光景になっているのを実感しています。多拠点生活は、”家族”のあり方というものにも思いを巡らす機会にもなります。
【文/ADDress取締役&広報PR・桜井】


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