ADDressでの交流エピソード〜家守・会員同士・地域の人〜
多拠点居住ライフプラットフォーム「ADDress」では2021年春と夏に、会員を対象に多拠点生活に関するアンケートを実施しました。アンケート結果および日々の業務データを収集・分析し、株主である一般財団法人社会変革推進財団(以下SIIF)および立命館ソーシャルインパクトファンド投資事業有限責任組合(プラスソーシャルインベストメント株式会社、以下「RSIF」)の3社が共同で企画・分析した『ADDressインパクトレポート2020-21』を2021年10月15日、一般公開しました。
このレポートは、ADDressが多拠点生活のプラットフォーム提供者として、地域経済や社会にどれだけのインパクトを提供しているのか。ロジックモデルに沿って分析結果を可視化したものです。詳しくは上記のリンク先をクリックし、閲覧してもらえれば幸いです。全部で20ページのレポートとなっています。3社と本プロジェクトを立ち上げて約1年。何十回と協議を重ねて完成させたレポートを、ようやく皆さんにお届けできました。今回は初年度ということで、比較検証できる次年度には、ADDressのインパクトマネジメントの成果をより深く分析していくことになると思います。
会員の皆さんからのアンケート回答は、自由記述形式が多かったこともあり、具体的かつ心に残るエピソードも数えきれないほど寄せられました。このnoteでは「ADDressの家・その地域での人との交流」に焦点を置いて、「①各地の家守さんとの交流エピソード」「②会員同士のエピソード」「③地域住民とのエピソード」の順で、本当にあった多拠点生活のお話について紹介したいと思います。
※回答者の個人が特定されないよう、できる範囲で編集を加えています。
①家守との交流エピソード
ADDressは2021年10月14日現在、全国207の家を展開しています。アンケートには実にさまざまな地域で、笑いあり涙あり驚きありのさまざまな思い出話が綴られていましたが、スペースの関係でいくつか厳選して紹介します。
エピソードで多かったのは、2019年4月のサービススタート当初からオープンしている千葉県の南房総A邸。家守は社会経験も人生経験も豊富なプロのカメラマンで、ADDress公式SNSアカウントや広告などでも目にした人は多いようです。ADDressに入会したら、必ず行きたい家として人気です。
■利用歴13か月(30代・女性)
特に印象にあるのは南房総邸です。目の前が海という立地なので、サップをしたり、自分で取った貝でご飯を食べたり、海ほたるを見たり、家守さんとご飯をご一緒にしたり、朝は波の音で起きるというようなこれまで体感したことのない経験をしました。感動したのはそれだけではなく、家守さんの人柄です。とても親切で私がサップをどうしてもやりたいと話したら、天気があまり良くなかったにも関わらず、サップを用意してくださり、かつ一緒に海に入ってくださりました。また、夜は団欒しながら楽しい時間を過ごしました。人生経験豊富な年代の方のお話は良い刺激となりました。
■利用歴8か月(40代・男性)
南房総邸で家守さんの経歴や今の生き方を聞いて、自分の信念に基づいて生きることの貴重さを知りました。家守さんの生き方が、どこかで私の心の支えになっています。
■利用歴5か月(30代・女性)
南房総邸に滞在した時、家守さんが毎日夕日を見に行かれると聞いて、仕事終わりに一緒に夕日を見に、海辺を散歩しました。時間帯によって海が満ちたり引いたりするのを見るのも、日によって夕日の様子が変わるのも、あまり意識したことがなかったので、自然の美しさに感動しました。4日ほど滞在したのですが、同じ場所でも、自然は毎日その姿が変わるということを初めて肌で感じられました。
アンケートでは20代〜60代まで幅広い世代の会員が、南房総A邸家守との交流エピソードを挙げていました。南房総の美しい自然もさることながら、家守との会話の一つ一つが心に響いたという声が多かったです。
千葉といえば「サーフィンの聖地」でもあり、サーフィンを通した家守とのエピソードもいくつかありました。
■利用歴14か月(30代・男性)
茂原A邸家守さんの誘いで、人生初のサーフィンにトライできたのが思い出に残っています。ADDressを通して、今までやったことのなかった「初めて」に多く触れられるのが大好きです。
■利用歴5か月(20代・男性)
サーフィンはしたことなかったけど、茂原A邸の家守さんに誘われて千葉の一宮町で初体験。サーフィンの聖地と言うだけのことはあり、サーファーの人が至る所にいました。テレビの中でしか見ないサーフィンを今からやるのだと思うと、興奮と不安で浮き足立っていたことを思い出します。いざやってみると、なかなかパドルで波に乗れない。ようやく波に乗れる感覚を手にして、体がぐんっと前に進むようになった。この体験、刺激は唯一無二だと思う。でも、この辺りで股関節に痛みが走り、そのまま休憩へ。日頃の運動不足もあってか、次の波に乗ろうという気持ちになれなかったので、浜辺でぼーっと海を見る。多分、1時間くらいしかそこにいなかったけど、海の音やサーファーの方の声、家族連れの声、風の音に包まれて、すごく濃い、貴重で刺激的な時間を過ごしました。サーフィン後のラーメンは死ぬほど美味しかったです。
茂原A邸の家守はサーファーで、家族で家守をされています。茂原邸に滞在していなければ、サーフィンをすることもなかったというような初心者会員さんの思い出エピソードを読むと、初めてのことにトライしてみたくなりませんか?
最近ではサーファー故に、千葉や茨城の他、静岡など太平洋の海岸沿いの家を行ったり来たりしながら多拠点生活を始める会員も増えています。自分の趣味に合わせた生活を求めて移動できるのも、多拠点生活の特徴です。
家守との出会いを通して、現地で趣味に没頭するエピソードも。
■利用歴13か月(20代・男性)
小豆島A邸では家守さんがご自身の釣り具を自由に使わせてくれたので、連日のように釣りへ行っていました。
■利用歴8か月(40代・男性)
京都聖護院A邸へ行けば、家守さんや現地の方々と楽しくおしゃべりをしたり、珈琲文化について造形を深めたりすることができます。お客さんとの交流もあり、オンライン読書会にも参加しています。
家守をきっかけに地域交流が生まれたエピソードとしては、長野県の白馬A邸での思い出深い体験を綴った会員も複数いました。
■利用歴20か月(30代・男性)
白馬A邸に滞在し、家守さんやサブ家守さんとの交流がきっかけで、「エクストリームワーケーション」ができ、これが起点となって、会ったことがないADDress会員さんや地域住民の方と交流が生まれています。
■利用歴5か月(30代・女性)
白馬A邸の家守さん経由で白馬村に住む人たちをたくさん紹介していただきました。いろんな集まりにも呼んでいただき、白馬村の生活をたくさん体験できました。印象的だったのは、「遊びのために朝5時起き」とか「今日は山登りするからお店は営業しない」とか、これだけ遊びに本気な大人がいるのかということです。ずっと東京で暮らしていますが、お金や名誉といった、目先に明確な理由がないと中々行動に移すことができない人はたくさんいます。「楽しいから」「面白いから」という理由で本気でそれを楽しむ。そのフットワークの軽さは、非常にクリエイティブで、人間らしいと感じ、自分にとっては今までに感じたことのない、大きな刺激になりました。
家守を介して地域の人と繋がることで、これまでにない価値観を知ったり、新たな価値観に刺激されて新たな活動を始めたりといった体験が生まれているようです。
寄せられたアンケートの中では、家守と一緒に地域巡りをしたり、家守のお薦めスポットを訪れて、地域の歴史や文化に触れたというエピソードが最も多かったです。
■利用歴11か月(20代・女性)
大阪天満A邸にて、家守さんが30分の天満ツアーをしてくれました。エリアの簡単な説明とそこでの文化(初めまして同士で飲んだりして出会いがあるなど)、美味しい食事についてなどを紹介してくれました。その日が初めての天満滞在だったので、だいぶ町に詳しくなれました。
■利用歴8か月(20代・男性)
山口県の岩国A邸の家守さんにはすごく優しくしてもらっています。鉄道好き・地方好き同士で気が合うというのもあります。近くの考古資料館に連れて行ってもらったこともありました。
■利用歴4か月(50代・男性)
北海道の富良野A邸の家守さんの紹介で役場の人と会食し、次の日から2日間、観光ツアーをアテンドしていただきました。
■利用歴3か月(20代・女性)
福島県の湯本温泉A邸といわきA邸に行ったときに、家守から伝承館をお勧めしてもらい、訪れました。震災を忘れてはいけないと改めて感じました。
家守の計らいで、同時滞在した他の会員や地域の人たちと交流を楽しんだエピソードも。食事を共にすることで交流を図ることが多いようです。宿泊施設連携物件での暮らしでは、そこに訪れるADDress会員以外の人々との交流も魅力の一つとなっています。
■利用歴12か月(20代・男性)
香川県の三豊A邸で、家守さん主催のうどんづくり、猪鍋パーティーに参加したことが最も印象に残っています。移住を考えて試し住みされているふご夫婦、近所でうどん屋を経営されているご主人など地域の方の他、その食事会がきっかけで他のADDress会員とも仲良くなれました。平日の夜で仕事が残っていたのですが、精神的に疲労もあり、勇気を出して仕事を切り上げて良かったです。前向きに仕事に取り組めないときは気分転換してリセットしたほうが効率が上がりそうですし、普段一人暮らしなのでADDressならではの学びを得ることができました。
■利用歴8か月(30代・男性)
三豊A邸の家守さんが、地元の猪肉をもらってきたというので、滞在中の会員さんたちと皆で一緒にバーベキューをしました。猪は地元では獣害で、農家の方々が悩まされており、屠殺した猪は廃棄され、山に埋める手間もかかっているという現地の事情は大変勉強になりました。
■利用歴8か月(40代・男性)
京都西大路A邸へ行けば、家守さんを含めて地元の仲間たちに会えます。彼らは常に私を受け入れてくれ、共に楽しんだり一緒に出かけたり、誘ってくれます。神戸A邸も家守さんをはじめ、施設のスタッフの皆さんがいつも温かく出迎えてくれます。出張珈琲を実施する大阪の「とある珈琲」マスターにも会えます。
その他、ADDress生活で「家族」のように安心して過ごせた、第二の田舎ができたといった声もありました。
■利用歴7か月(20代・男性)
神奈川県の鴨宮A邸家守がとても良い方で、もう一つの田舎ができたような気持ちになりました。
■利用歴6か月(20代・女性)
愛媛県の大洲A邸(会員になって2物件目)で1週間一緒になった会員さんたちと家守さんと、まるで家族のように心を許して過ごせました。
②会員同士の交流エピソード
普段一人暮らしをしている会員、コロナ禍で家族以外と接点がなくなった会員など、ADDressでの共同生活で初対面の人々との何気ない挨拶のやり取りや、食事を通しての交流など、誰かと一緒に暮らすことの安堵感を感じているようです。
■利用歴6か月(20代・女性)
挨拶する人が常にいること。何かをしたいときに相談できる人が身近にいる感じです。
■利用歴5か月(20代・男性)
自炊が楽しいことに気付きました。誰かのためにご飯を創る楽しみに気付きました。誰かのために生活環境を整えることの尊さに気付きました。人生の中で、「生活すること」にここまでコミットしたことがなかったので、生活自体がチャレンジでした。
■利用歴4か月(20代・男性)
一人暮らしをしてることもあり、コロナ禍でなかなか人と会えない生活が続いていたので、共同生活を通して会話する頻度が増えて孤独感が減ったと思います。
■利用歴3か月(20代・女性)
朝起きたらリビングで誰かが朝食をとっていたり、お昼や夜にごはんの支度をしていたりするときに「一緒に食べる?」という声がけが自然と起こることに、とても救われました。
ADDressは10代から70代の男女、未婚も既婚も子ども同伴の家族利用も、さまざまな属性の会員で構成されています。会話を通してお互いのキャリアや生活環境の違いを知り、価値観の多様性に気づくことで、自分自身の人生を見つめ直すきっかけにもなっているようです。
■利用歴13か月(30代・女性)
夜通し話したり、自分の日常を言語化する機会になった場面が複数ありました。一般的なゲストハウスでも楽しく会話をしますが、ADDressで出会った方とは、かなり斬り込んだ深い話ができます。ADDressという共通点、心理的安全性、また日常から少し遠い初対面の人たちだからこそ、内面について話しやすいのだと思います。
■利用歴8か月(30代・男性)
学生の時にコンピューターサイエンスを学び、その後日本と米国でIT関係の仕事に携わっているADDress会員の方と2人で飲みに出掛けて、ITをめぐる世界の最前線の状況(IT技術の事業効率化への適用・起業・VCとの付き合い方など)について教えていただいた。私自身の「変化」として、今後海外大学院に留学してITと経営を学ぼうと本気で考えるようになり、既にある海外大学院から条件付き合格を得ており、英語学習を進めています。
■利用歴8か月(20代・男性)
一緒に食事を作ってバーベキューしたり、サーフィンをしたり、共同作業的な事をして距離感が近づきました。私は社会人で、相手は大学生だったので、これからのお互いのキャリアやビジョンについて話しました。大学生と話す機会は少ないので、刺激にもなり知見が拡がりました!
■利用歴8か月(40代・男性)
ADDress会員やADDress関係者との出会いはまさに「一期一会」であり、一人一人と丁寧に向き合い、話をしています。新しい人たちとの繋がりがとても増えました。ADDressを使っていなかったら、出会うことはなかったと思われる人たちばかり。自分自身の関心範囲が大幅に広がりました。
■利用歴6か月(20代・女性)
人との交流と一口にいっても、なかなか気の合う人と出会えることは少ないだろうなあと思っていました。ただ、私が今までに行ったADDressの家では、干渉し過ぎない「程よい距離感」で交流できる素敵な人々と出会うことができました。中にはADDressを超えて仲良くしている人もできて、結果的に人生を豊かにする時間となっています。
また、ADDress生活を通して家族観、人生観に影響を及ぼしたと綴った会員もいました。
■利用歴13か月(60代・女性)
今まで海外在住で、日本に帰国しても壁を感じて永久帰国は難しいだろうと思っていましたが、ADDressで出会う人々が今まで出会った日本人たちとは違ったオープンな人々、時には「ちょっと変わった人」のカテゴリーに入りそうな人が多く、やっと自分と波長が合う人々に出会えた感じで嬉しかったです。それと同時に日本の永久帰国にも自信が持てるようになりました。
■利用歴6か月(60代・女性)
私が昭和生まれのせいか、疑問を感じながらも「夫をたてる。妻は一歩下がって。母親は自分を抑えて家族優先」みたいな家族像を演じていて苦しくなっていました。新しい形の夫婦や親子関係を模索していたところ、ADDressの家で出会う方々はとても自然体で、さまざまな夫婦の形があることを知り、会話で触れる家族への意識にも刺激を受けるようになりました。私の娘にも、結婚したら「女性が我慢する」という姿ではなく、男性も女性も自然体でいられるような家族の在り方を、会員さんとの交流から持って帰りたいと思っています。
■利用歴3か月(40代・男性)
単身赴任でここ数年まともに関わってやれなかった長男の為に、退職して全国を旅してみようと思い立ってのADDress生活でした。海外放浪の末、古民家を改装してゲストハウスとして運営しつつ、地域再生に取り組んでいる会員、脱サラ後購入した空き家で家守として出会いの場を提供してくださっている方など、優秀な頭脳やさまざまなスキルを持ちながら既存の価値観にとらわれず、自由に新たな可能性を感じるような社会活動をされている方々に出会い、今後の人生の選択肢が広がったような気がしています。
『ADDressインパクトレポート2020-21』でも取り上げていますが、ADDressには共通の趣味を持つ会員や家守やスタッフが3名揃えば「部活」としてADDressが公認する部活動制度があり、22部活715名の登録者がいます(2021年8月18日時点)。
会員同士の交流エピソードの中にも、部活動に関する体験談も多数ありました。
■利用歴14か月(50代・女性)
初めての山はハードルが高いですが、ADDressの登山部を通じていろんなメンバーと初めての山に登る体験ができました。
■利用歴8か月(40代・男性)
京都聖護院A邸で京都珈琲学部の人たちと交流を深められたことや、読書会へ参加をしています。京都の珈琲店巡りをブログにまとめています。そして、ADDressで出会った人たちとADDress珈琲部を作るに至りました。
③地域の人との交流エピソード
最後に、地域の人との交流エピソードについて紹介します。滞在先のイベントに参加したり、外食をきっかけに地域の人と知り合ったり繋がったりするエピソードが豊富でした。
■利用歴11か月(40代・男性)
神奈川県の清川村の焼き肉屋で、店主や地元の方と談笑。茶摘みした新茶に興味があるなら、収穫時期に来れば地元に出回るものを分けてくれるから、と連絡先をいただきました。残念ながらその時期に再訪出来なかったのですが、地元の生活を覗けた感じが印象に残っています。
■利用歴8か月(40代・男性)
山梨県の清里A邸に滞在した時、東大ラリーチーム「一心」の雪道ドライブ練習に協力しました。
■利用歴8か月(20代・男性)
千葉県一宮町が東京オリンピックのサーフィン会場で、町全体が未来のために海を守る活動や発信をしていて、私もビーチクリーン活動に参加しました。
■利用歴6か月(40代・男性)
香川県の三豊市で、ブルーベリーの収穫を手伝いました。
■利用歴3か月(30代・男性)
地方の家に滞在中、ふらりと入った地元の居酒屋の主人と仲良くなり、来年山菜の時期に来るならぜひ一緒に採りに行こうと誘われ、連絡先を交換しました。そのころ、また同じ家を利用することになるかと思います。
■利用歴3か月(20代・男性)
岡山県の日生の家でカナダ人滞在者と出会い、これまでのお互いの旅について話しました。そこで毎朝行われていた英会話に参加することになり、現地の奥さん達に美味しいラーメン屋を教えてもらい、そのあと訪れました。
ADDressではワーケーション目的で地方滞在をする会員も多く、観光地や周辺散策で地域住民との偶然の出会いの中から学びを得たり、交流に発展したりするケースも見られました。
■利用歴13か月(20代・男性)
ADDressの多拠点生活の場合、現地の人々と生活を共にすることが多いです。現地の人々ならではの(都会と違う)価値観に感銘を受けて、より広い視野で幸福感を捉えられるようになりました。
■利用歴12か月(20代・男性)
神奈川県の古淵A邸に滞在した時、木もれびの森というエリアを散策しました。森の保全活動をされているスタッフの方と途中で出くわし、当時キャリーバッグを転がしながら散策していたので珍しがられたようで、話しかけていただきました。古くから生えている木々は衰退しているものも多く、生態系や近隣住民の憩いの場としても保全活動が大事だということをお話してくれました。現地を訪れたからこその交流ができました。
■利用歴8か月(30代・男性)
ADDressの滞在先で、毎回近隣の神社を参拝しています。都度その神社のゆかりなどを調べたり、その場で人に話を聞いたりしています。印象に残るのは、武雄にいたときの大楠でした。県内2番目の樹齢数百年の楠にお参りに行ったとき、その場で人に聞いて"佐賀"の県名の由来が楠が"栄"えるから佐賀、だと聞いたことが記憶に残っています。
■利用歴7か月(30代・男性)
多くの家で、地域おこし協力隊や移住を検討する人々と出会い、一緒に呑みに行ったり食事を作ったり会話をしたりしました。その結果、移住までは考えないものの、フィーリングの合う気に入った地域ができ、古民家を賃貸するなどして2つ目3つ目の固定的な住まいを設けたいな、と思うようになりました。
■利用歴6か月(20代・女性)
愛媛県の大洲の家には1週間滞在していたため、地元住民に教えてもらったお店を訪れたり、臥龍山荘や大洲城など地域の観光スポットにも何度か足を運んだりして、観光を超えたつながりや学びを得ました。また目の前に大きな川が流れているため、川でリフレッシュをしたり地域の人と交流をする場となりとてもいい時間でした。
ADDressの家がある地域では、自治体連携事業も実施しています。2020年度、2021年度と2年続いて連携事業に取り組む佐賀県武雄市、熊本県多良木町の他、空き家再生事業としては山梨県および山梨県上野原市と2022年3月のADDressオープンに向けて取り組んでいます。
2021年度の武雄市では「多拠点居住交流促進事業支援金」として、ADDress武雄邸に年間合計11日以上滞在した方を対象に、交通費補助1万円の他、当地で自身のスキルを活かして武雄市民にプラスになるような講座やイベントを開催した会員には補助3万円が支給される制度を展開しています。この制度を活用するADDress会員も複数います。
■利用歴8か月(30代・男性)
佐賀県武雄にて行われていた、「多拠点居住交流促進事業支援金」の申請条件として地域在住の方にアクティビティを提供する、というものがありました。SNS運用講座を武雄市民の方向けに開催しました。
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以上、『ADDressインパクトレポート2020-21』に向けて取得した会員アンケートに寄せられた交流エピソードの中から、仕分け・厳選して紹介してみました。ADDress会員であれば、「ああわかる〜!」と共感するエピソードもあったのではないでしょうか。また、これから多拠点生活を始めたいと思っている人にとっては、リアルな声として参考になればと思います。
一つお伝えしたいのは、滞在するタイミングによって体験も異なるということです。私も実際にスタッフとしてADDressを日々使っていますが、同じ家に滞在しに行っても、タイミングによってはまるで違う家に来たかのような印象を受けることも少なくありません。「暮らし」は人が作り、人と人との交流の中から生まれるものだからだと思います。だからこそ、一回限りの訪問だけで「この地域って(この家って)こうだよね」と決めつけてしまうのはもったいない。あまりいい体験ができないと再訪する気持ちも早々高まらないかもしれませんが、何事も「チャレンジ」してみる気持ちがあると、多拠点生活がより豊かになるのではないか・・・と思います。私もそんな心持ちで、これからも多拠点生活を続けていきます。
(文/ADDress取締役・広報PR・自治体連携担当:桜井里子)
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