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青色の清流 仁淀川の仁淀ブルー

日本の清流と言えば・・・

高知に滞在している時に、市内のひろめ市場で先輩とのお酒の席での話である。
漠然と思いつくのはやはり「四万十川」ではなかろうか?
先輩の答えも同じであった。

その帰り道、アーケードの中をほろ酔い気分で立ち寄った観光案内所で、衝撃を受けたのだった。

ふと目に入ったパンフレットの、川の綺麗さに。でもそれは、四万十川ではなかったのである。

仁淀ブルーの聖地 にこ淵

結局、その週末は観光パンフレットで見た景色を求めることになった。
高知市内から車で1時間と少し、途中道の駅に寄り道しながら、本州とはまた違った景色を楽しみながら山を登っていく。
目的地は高知県いの町
川沿いに登っていくと運転が不慣れな人には少し心細くなる1.5車線程度の山道にさしかかると、目的地の駐車場に到着する。

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のんびりと登っていくと入り口が見えてきた。
すぐに見つけた駐車場に止めたので知らなかったが、どうやらこの入り口の少し先にも駐車場があるようだ。
その他にもいくつも駐車場が用意されているようで、観光シーズンともなるとなかなかの賑わいになるのかもしれない。

サンダルはダメ!動きやすい靴と服装で訪れよう。

さて、道路脇に設置された階段を下ってその「淵」を目指す。

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ご覧の通り、意外と険しい道のりが続く。
時期が悪いと蛇や蜂も出るようなので要注意だ。
間違ってもサンダルやヒールのある靴で来てはいけない。
踏み外したりつまずこうものなら、周りの人に迷惑をかけるだけではなく、何より自分自身が痛い思いをするのだから。
(2020年4月に再整備されて、全て鋼製の階段が取り付けられたらしい)

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足下に注意しながら進んでいくと、さらに道は険しくなる。
しまいには斜面を削って設けられた木枠の階段の脇に、体を支えるための鎖が必要な場所も現れる。

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最後の難所。
この岩を慎重に越えると鋼製の手すりがついた階段にありつける。
もう一度言っておく、サンダルやヒールのある靴では来てはいけない。

神秘的な青の淵

最後の階段を下っていくと、水の音が聞こえてくる。
いよいよ念願の、そしてあの観光案内で見た景色とご対面だ。

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観光案内で見る「青」は、きっと写真の編集で強調しているものだろうと思っていた。だがどうだろう、目の前にある淵はエメラルドグリーンというにふさわしい、いや、グリーンよりもやはり青に近い。
心が洗われるような、神秘的な光景が目の前に広がっていた。

写真のタイムスタンプを見てみると、訪れたのは午前10時半ごろ。
仁淀ブルーが一番青く輝くと言われている時間帯は、ちょうど太陽が高くなるお昼過ぎごろ。
そのせいか、人はおらず貸し切り状態。

幸い天気にも恵まれていたせいか、それでもこの青さを私に見せてくれた。

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近づいてみてもやはり青い。
そしてとても透明度が高い。淵を囲む岩場の苔のグリーンも日の光を浴びて鮮やかだ。

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下流川は岩がゴロゴロとした渓流となる。

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控えめな高さの滝も、風情がある。
ここでも注意事項がある。いち観光客がみても、「神秘的」と言うほどの滝壺である、地元の人に取ってはさらに神聖な場所であることは言うまでもない。
入水したり荒らすようなことはあってはならない。
この美しい景色を見て、そんなことをするような人は居ないだろうが。

しばし時が経つのを忘れてこの美しい風景を楽しんだ。
次の観光客が来たので、私と同じようにこの景色を貸し切りで楽しんでもらおうと、次の目的地へいくために、惜しみつつも青の淵に別れを告げた。

清流を眺めながらのドライブ

まだホテルに戻るには早すぎるので、清流「仁淀川」沿いを走る国道439号をドライブすることにした。
車からみても川は青い。そして川底が見えるほどの透明度のある流れが目を楽しませてくれる。
助手席に座る先輩の一言で、安全な場所に車を止めて河原に降りてみることにした。

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静かな河原に降り立った。やはりここも透明度が素晴らしい。
そしてやはり青い。

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注意深く見ていると泳ぐ魚まで見えてしまう。

スマートフォンが防水なのを良いことに、水中も撮ってしまった。


仁淀ブルーを散策する。「中津渓谷」

静かで落ち着く河原を出発してほどなく、中津渓谷に到着する。
ここは遊歩道が整備されており、のんびりと歩きながら清流を楽しむことができる。

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遊歩道には七福神の石像が置かれており、これを探しなら歩くのも楽しいだろう。

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ここも仁淀ブルーの聖地
青さと透明度は申し分ない。
所々落差のある流れが、水の音を立てて心地いい。

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まるで水彩画のような色使いの水面。

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そして、遊歩道自体もなかなか面白い。
歩行者を安全に通すために、こんな可愛いトンネルも設けられている。

遊歩道の先には滝などの見所がたくさん待ち受けている。

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ただ、暑さとそろそろホテルに戻りたい時間となったためにこの辺りで引き返す。
また機会があったら是非とも全線歩いてみたいと思わせてくれる渓谷だった。


最後は個人的な趣味の時間

この渓谷の近くにダムがあったので、全く興味のない先輩を連れて少しだけ見学。

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大渡ダム、関東に住む私にとってはなかなか来ることの叶わない四国のダム。
下流広場の名前が「減勢工いこい広場」なんていうのも良い。

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しっかりとダムカードもいただきました。


青く澄んだ「仁淀ブルー」は、足掛け5ヶ月に及んだ高知出張の中でもとても印象深い休日を演出してくれた。

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