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8才で不安症になった時の話〜心の声が漏れている〜

授業中だった。

あ〜あ、つまんない!こんな事して何になるんだろう?馬鹿みたい。

そう心の中で呟いた。するとふと不安が襲って来た。私今、声に出して言ってないよね?ちゃんと心の中でいったよね?

周りをキョロキョロと見渡した。みんな黒板の文字をノートに写していた。

大丈夫。心の中で言ったはずだ。そうじゃ無かったら先生に注意されているはずだもん。でも、

・・・・・心の中の声がみんなに聞こえてたらどうしよう。みんな知らないふりをしてるだけなのかな?

授業が終わり私は後ろの席の男の子に「ね、授業中私なんか喋ってた?」と聞いた。

「何も喋って無かったよ」

「本当に?つまんないとか聞こえなかった?」

「そんなこと言ってたの?」

「いや、心の中で・・・」

「・・・・何、言ってるの?」

彼は不審がった。

「いや、ごめん。いいや」

何気ない出来事だった。しかし、その日から私は心の声が外に漏れていると言う不安が付き纏う様になった。

友達と喧嘩をしたときや、先生に理不尽に怒られたとき、私は心の中で醜い言葉を叫びまくる。その後に、「ヤバイ!!心の声が漏れているかも!」と不安になって周りにいる人達にすぐに尋ねた。

「今、私の声聞こえた?」

「なんか、話してたの?聞こえなかったよ」

「本当に?」

「うん」

こいつ私に恥をかかそうと心の声が漏れていることを隠してるんじゃなかろうか?と疑心暗鬼になった。

「ちょっとこれ聞こえたかどうか教えて」

(馬鹿!)←心の声

「聞こえた?」

「いや、何も喋ってないじゃん」

「聞こえたかどうか教えてよ」

「喋ってないんだから聞こえるわけないじゃん」

そんなやりとりを何回もして友達に変な子扱いをされる様になった。

そのうちに心の声だけでなくいつも誰かに監視されている様な気がして常に辺りを見渡しチェックをする様になった。トイレに入っても誰かが見てる様な気がして上を見たり下の隙間を用を足しながら覗き込んでいた。

とてもキツかったがそうせずにはいられなかったし、何より不安だった。みんなが私の心の中を全て知っているんじゃないか?常に監視をして見張っているのではないか?と・・・。

でも私にはどうすることも出来なかった。

後ろを向いたり横を見たり、上を眺めたり、キョロキョロするので授業中に注意されることが多くなった。友達も私の行動を笑ったり馬鹿にしたり、怖がったりした。

誰も私の不安を分かってくれないし、真剣に向き合ってくれる大人もいなかった。

ただただ不安だらけの辛い時間が流れていった。

一年経ったときにはもう、「詩織=変な子」となっていた。

何で変だと言われているか分からなかった。私は自分に起こる症状にただただ怯えていただけだったから。

次に私はチック症が始まりだした。

ビートたけしさんのチック症状と全く同じ動きだった。右肩を上にカクッ!と上げて首を右後ろにガクッと下げると言う動きだった。

チック症が始まりだして不安症はいつの間にか無くなっていた。

このチック症にも苦しめられることになった。




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