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可惜夜喜多方

明けてしまうのが惜しい夜
そんな夜はそうそう無いし
そういえばいくつもの夜を使い果たしたし
せっかくの楽しさも眠気にかまけて夢うつつ
ああでも雰囲気は覚えているさ
12月の凍てつく真夜中
パーティーから抜け出して
3月のライオンの新刊を買いに行った
コンビニには
夜を持て余した
似たような私たちが佇んでいた
おでんも食べてこう
小腹を満たして
ゲストの前には戻らなくっちゃ

またみんなで集まって飲めるのかな
どうかなぁ
飲みたいですね
飲みたいけどね
あの日集まって飲んだみんなとは
その後集まって飲むことはなかった
少なくとも2023年の夏の今は
バンドの結成みたいに奇跡的で
音をかき鳴らし
歌い散らかして
このGROOVE最高
なんて
乾杯を繰り返して
しばしの休眠からの活動停止
美化している
美化なんてしていない
讃美歌
はハミングで
 
月が綺麗だ
思うことは自由だ
雲一つない夜空
街灯一つない田園
そよぐ風
稲は青々と照らされる
ほろ酔いの身体で
誰もいない
何も通らない
夜道を走っている
気持ちの悪さ
足元の覚束なさ
バッドな私と
素晴らしい夜



雨ニモマケズ 風ニモマケズ