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バンギャ的感性による非V系楽曲12選

バンギャ(ないしバンギャル、略称としてギャ)というのは端的に申し上げますとVisual系バンド(以下V系)のファンの事で、私は思春期の頃からバンギャなんですけども。なんなら"あわい"って名前もバンギャのライブネームをそのまま使ってたり(ライブの現場でハンドルネームのような仮名を名乗るカルチャーがある)。

近年は全然V系じゃない曲を掘ってる事が多いものの、全然V系じゃない楽曲を聴いているにも関わらず、「V系を聴いている時の"バンギャの耳"が反応する」「つい"バンギャが好きそう"といった感想が出てしまう」といった事が発生するので、ならそういう曲を一度まとめてみようかなという試みです。要するに「バンギャの俺の体がV系的な要素を勝手に検知しちまったんだから仕方ねえだろ???」という野蛮な前提による楽曲紹介です。

もちろん全てのバンギャに刺さるとは思ってないんですが、少なくとも私のバンギャ的バイブスは伝わるチョイスにはなっているはず…多分…。

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1. Shortparis「Так закалялась сталь」(ロシア)
多分Soft BalletとかBuck-Tickが好きな人には「あーーーーッ」っていってもらえる曲だと思う。Body Musicとかインダストリアルとかそういう系譜の奴。まさかこんな曲が2019年になってリリースされるなんて…!とブチ上がってしまった。
前のアルバムの時点でV系臭さはなくとも好きだったんですが、この曲はあまりにもV系を感じてしまいハチャメチャに高まってしまった…。
ちなみにこのMVは結構バイオレンスな内容且つ最後突然の切腹があるので苦手な人は注意で。

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2. ИСПАНСКИЙ СТЫД「Стыд」(ロシア)
アルバムを通しで聞いても全体的に90年代V系すぎて「なんなんだよ2019年作とはおもえねえぞ!?」とビビり散らかしたんですが、その中でも特にこのStydという曲のV系感が頭一つ抜けてすごい。イントロからのAメロ入った瞬間の「おいおいおいおいこういうバンドおったやん!!!!!!」感で瀕死になってしまった。
しかしMVの類を見てみると黒服も着てなければ白塗りメイクもしていないし髪も立っていない、不思議すぎる。
周囲の友人達からは「90年代V系麺の魂が乗り移っているとしか思えない(主にギター)」といった反応が多いです。いいよねクリーントーンのギターがピロピロしてるの…わかる…。

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3. THE HARDKISS「Make-Up」 (ウクライナ)
ここのバンドはビジュアルの凝り方の時点で自分のバンギャ的センスに刺さっていたんですが、それに加えて申し上げますと全体的に往年のV系箱で転換時に死ぬほど流れていたEvanescence的なノリが感じられまして(個人の感想です)、故にバンギャとの相性が良かろうという判断でございます。同世代の子に聞かせたら「わかるwww浦和ナルシスで流れてるwww」という反応をいただいたので「でしょ〜〜〜〜〜〜?????」ってドヤ顔した。ここのバンドは他の曲もMVかっこいいから見てて楽しい。吸血鬼ネタのMVとかもあったりする。

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4. Atlantida Project「Мир в беде」(ロシア)
以前に友人と話していたことがあったんですが、V系って「ここではないどこか」に行けそうな雰囲気の曲って多くありませんか。少なくとも90年代後半とか私が聴いてた限りでは、「俺の想像した異国感」みたいな雰囲気の曲結構あったように思うんですよね。ここのバンドはそういう異国感ある曲が多いなと思っております、まぁ名前の時点でお察しなんですが。
エスニック感・打ち込み・ロック、がうまいこと混ざりつつキャッチーな感じになってて、絶妙だなーと思います。ミクスチャー感があるというか。で、そういうノリも含めてバンギャ、好きじゃん…ってなる奴。

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5. Amusant Antenna「Таким как ты」(ウクライナ)
イントロの時点で「おい…これはPlastic Treeの痛い青を彷彿とさせる…この…うおおお」ってなる感じです。Plastic Treeが好きなバンドマンの友人に聴かせたら速攻「買ったわ」との返事が返ってきた。
バンドの他の曲を聴いてみたら他の曲はV系味を感じなかったので、この曲だけが偶然それっぽいバイブスを放っていた様です。ちなみになんかロシア辺りのインディーバンドの曲が50曲位入ってるレーベルコンピを試聴してた時に偶然発見した。ギター聴いた瞬間位「 ハッッッ」て体が反応してしまったので俺の身体の精度はなかなかなのでは…とちょっと自分で思っている。

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6. T-fest「Человек」(ウクライナ)
ラッパーの子だけど、メロディのある歌として聴けるなーって曲が結構多かったり、最近出したアルバムが割とロックっぽい音とか、アコースティック系のトラックでラップしたりしてて、結果「V系バンドのアルバムにこういう曲1曲位はいってそう」みたいな雰囲気の曲がちょいちょいあるんですよ。この曲とかアルバムの後半入ってそう感ありません?
元々他の曲もけだるくて陰と湿度の高さと温度の低さがある雰囲気だったりして好きだったんですが、そもそもそういう要素をバンギャの時求めていた気がするので、全体的に好みなんですよね彼。あと顔がいい。バンギャ、不健康そうな感じのイケメンはだいたい好き。

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7. Tommy Cash「X-RAY」(エストニア)
なんかクラブで遊んでて知り合ったバンギャ上がりの子がTommy Cashが好きだと挙げる事例が身近に複数あって、多分バンギャが好きになりやすい要素がある人なんだろうなぁと。まぁ私もそうなんですけど。なんかこの人を食ったような感じというか、いい意味での悪趣味具合とか、色気もありかわいい感じとか。そりゃ好きになりますわ。
あとV系からRaveとかHardcoreとかに流れるバンギャって割といる印象が体感としてあるんだけど、その切り口からも接続できるアーティストかなと思っている。ほらバンギャ、暴れるの好きだし…。

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8. ПОШЛАЯ МОЛЛИ「Буду твоим песиком」(ウクライナ)
このエレクトロ感とロック感とチャラみのバランス感素晴らしくないですか、あとなんていうか爽快感というか疾走感というか…そしてボーカルのちょっとダルそうな不健康そうな雰囲気のビジュアルとかバンギャが大好きな奴じゃん、完璧か。10代の時に出会ってキャーキャーしたかった感じがある。Wikiにはポップパンクバンドと紹介されてるんだけども、俺にはポップパンクがよくわからない…しかしこの曲が収録されてるアルバム『Грустная девчонка с глазами как у собаки』を通しで聞いた感じ、音的には服装がカジュアル寄りでかわいい系のV系バンドの系譜とか、いわゆる白塗りピコピコ電子サウンド系のV系バンドの系譜が好きな子とかに刺さりそうな気がする。

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9. Waltari「Far Away」(フィンランド)
フォークメタルのイベントに行った時に、不真面目なのでヘッドライナー以外全然把握してなくて、ヘッドライナーの前に出てきたのがこのWaltariだったんですけど。始まった瞬間「メタルっていうかミクスチャーでは???っていうかこの曲の感じ懐かしいな???」ってなったのが最初。
妙に気になって調べたら”ミクスチャーメタル”って扱いになってて、Hideがパク…参照したとも言われてるバンドだという事がわかり、色々後から納得したのでした。俺の耳は正しかった。HideはもちろんOblivion Dustとか好きな人とかにも刺さる気がする。

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10. Три дня дождя「Демоны」(ロシア) 
この湿度感!薄暗さ!けだるさ!キャッチーさ!危うさの伴う緊張感!ありがとう大好きです。ちなみにアーティスト名と曲名を英語にするとThree Days Rain「Demon」って意味だった。え…好き…。
当初「ふーん聴きやすいじゃん」位に思ってたんですが、何か妙に気になってアルバムを通しで聴いてみたら、まんまと「え〜〜全部好きなんだけど〜〜〜」ってなってしまった。周囲のV系通過したタイプの人にオススメしたところ、Plastic Treeを通過したタイプの子には刺さる感じでした。わかる気がする。あと三白眼かわいい。

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11. Korpiklaani「Beer, Beer」(フィンランド)
V系とメタルはそりゃまぁ相性いいよねとは思うんですが。この曲は…V系盤によくある「暴れ曲」と呼ばれる楽曲と…構成が全く同じなんだよ…!身に覚えがありすぎるんだよ…!ヘドバンも手バンもモッシュもできる!故に暴れギャがこの辺の現場を体験したらハマるパターンはあるかもしれないと思ってるんですがどうですか。

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12. Twilight Force「Flight Of The Sapphire Dragon」(スウェーデン)
シンフォニックパワーメタル?らしいです。細かい事はさておき、MALICE MIZER等コンセプチュアルなバンドを通過した事のあるバンギャは、基本的に世界観を全うしているバンドは大好きなので、「ファンタジー系RPGの世界観やりきってて偉くない!?最高か!?」ってなると思うんですよ。スカッとして聴きやすい曲だし。
そしてMV見てもらえばわかるけど、ギターソロのシーンをリュート(古楽器ですね)使って当て弾き&早弾きしてるのが面白くてさすがに笑ってしまった、大好きすぎる…。銀髪ロン毛エルフのメンバーがいるのも熱い。なぜならバンギャは化粧した髪の長い男が好きだから…。

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という訳で12曲挙げてみたんですけど。果たしてこれは他人にどこまで伝わるのか…。別にめっちゃデスボイスだとか、いかにもな化粧をしているとか、そういうのが必須条件ではないんですよね。なんていうかヒリつきを求めた結果の一つとしてV系ってものを好んでいる所があるというか。
ただとりあえずこうやってアウトプットしてみると、「自分がV系に何を求めていたのか」というのが顕在化してくる感じがして楽しいので、なんか思いついたらまた書いてまとめようかな。

という訳で今回はこれでおしまい。

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