俺が独断と偏見で選ぶ2019年リリースのカザフスタンポップス10選

あけましておめでとうございます。

突然ですが、わたくしカザフスタンの現行ポップスを数年に渡って掘っておりまして、たまにDJする際にはそこの辺りの楽曲を中心に流すことが多かったりするのですが。
せっかくnoteも始めたことですし、新年ですので去年掘ってて個人的に良かったなーっていう曲を紹介しようと思います。


Әсет Есжан & Ayree - Жүрек іздейді
ABU TV Song Festival (Eurovision Song Contestのアジア版みたいな奴です、気になる人はググって)でカザフスタン代表にも選ばれたことのあるAyreeのコラボ案件なのですが、彼女この手のエモいミディアムバラードみたいなの歌わせるとめっちゃ良いんですよ…パーティー終わりとか自分の出番の締めとかに流したい。普通の今時ポップスかなって感じですが、微妙なこぶしの利かせ方に異国の風味をちょっと感じるのが良いのですよ…。そしてMVのストーリー、最後これどうなってしまうの…。
この楽曲と同じ路線だと2017年にリリースしてた曲(それもコラボ曲)もめっちゃよかった、この曲にもうちょっと民族っぽい感じが香る雰囲気の奴です。(MVがないのが悔やまれる)


Kyle Ruh - Tus
私が個人的に推しているカザフスタンのボーイズグループ・Moonlightの元メンバー、Era TolenovことKyle Ruhの曲です。ソロになってからめっきりこういう聴かせる系の曲ばかりになってしまったので、もうちょいアップテンポなのも聴きたいところではあるんですが、彼のこういうメロウな感じの雰囲気のセンスと、現在もグループに残って作曲してるYerkekhanのセンスとのマッチ具合が初期Moonlightの楽曲の良さにもなっていたのかもなぁ、と思ってちょっとエモくなってしまうのでした。顔も好みです!(大事)


Kilimanjaro - Жайна
カザフスタンはじめ、モンゴルやロシアなどの緯度が高めの地域の曲を好んで掘っていて感じるのが「湿度の低さ」なのですが、それに加えてこの辺の地域のラテン系楽曲は「腰にこない」というのを2019年は明確に感じるようになりまして、そんな折に発見したのがこの曲。恐らくアフリカルーツの方々なのでしょうけども、カザフスタンあるあるの結婚式現場で歌やショーを披露するタイプのミュージシャン集団によるラテンアフロ系楽曲です。カザフスタンで活動しているだけあって歌詞は勿論カザフ語なんですが、アフリカ系の人がプレイしても不思議と腰にこないんだな…という謎の発見があって面白かった一曲。あとグループ名めっちゃ検索性悪いやん…と思ってたのに割とアッサリとInstagram見つかったのはビビった。結婚式現場の様子とか見れるので面白いですよ。


ML- Boıaýsyz
Moonlightは私の推しボーイズグループです。メンバー変遷は色々あるのですが、現在は4人に落ち着いております。彼らの特筆すべき点はメンバーが曲を自作してる点ですね、いやまぁ他にもカザフスタンは自作楽曲系のアイドルいるんですけど。マジでYerkekhanの作る曲がいいんですよ…。2019年はInstagramのアカウントを一新して更にワイルドさを推す路線になったために、正直今回のMVのAnsatが坊主にされるくだりがホモソ感強すぎてちょっとキツい…とは思ったんですけど、曲は、曲はマジいいんすよ…。あと最近組んでるカメラマンのお姉さんがまたいい感じなんすよね。前まで一緒だったカメラマンはNinety Oneとかの仕事やるようになってしまったのでどうなるかなーと思ってたのですが、よかったよかった。
Moonlightは楽曲はずれなしです。


NINETY ONE - BARI BILED
Q-pop界(Qazaq-popの略称です)を背負って立つNo.1グループといって良い彼らですが、2019年は結構MVも豊作だしクオリティも向上しており、かつK-popの真似ではなくカザフ感をどう出すかという点についても配慮がある辺りは本当にさすがでした。国の独立年を名前に持つだけありますね。この曲のちょっと前にMVが発表されていたMEN EMESは、映像的にカザフの騎馬民族系の要素が映像にも盛り込まれていて、ユルタ(モンゴルのゲルみたいな組み立て式住居)の中で鷹匠よろしく腕に鷹をとまらせているのとかモロで良かったんですけども。
しかしながら個人的にぶっ飛ばされたのがこっちのBARI BILEDでして。デビューして数年経ち、重いテーマも扱えるようなグループへと成長したからこその、という所もそうなのですが、日本と同様核問題を抱えるカザフスタンのアイドルが、長崎の原爆投下日である8/9にこの内容のMVを公開することの凄さにびっくりしてしまって。とはいえカザフ人の女の子とDMでやりとりしていたら、大きな問題を扱えるのは素晴らしいけど、身近さとかが失われることに対する懸念についての指摘もあったので、なるほどアイドルの運営はバランスが難しいな…とも思ったりしたのでした。


Madmen - Ulala
Moonlightと同じく自作楽曲系アイドルのMadmenですが、こちらはメンバーチェンジ後初の楽曲。私の好きなメンバーが抜けてしまってつらいが受け入れていくぞ…。2019年はもう一曲リリースがあったけど、個人的にはこっちのやんちゃ感の方が彼らの素に近そうな感じもして好きかな。K-popダンスカバー界隈出身なのでMoonlightと違ってバッチリ歌って踊れる感じです。ちなみに本名とか顔立ちとか見るとすぐ分かると思いますが、ここのグループは朝鮮系ルーツの子達が大半みたいなので、K-popっぽさがより強く感じられるかもです(カザフスタンにはソ連時代に朝鮮系民族・高麗人が強制移住させられた歴史があるので、そういうルーツの人が結構いる)


the kitchen songs - #папакосмонавт
彼は一応シンガーソングライターって感じなのかな、特徴的な淡め且つハスキーな印象の声をしていて好きなんですけども、彼の新譜がエモい感じで個人的にめっちゃ好みだったので選出。カザフ語の曲も多いけど、この曲はロシア語っぽいですね。彼の曲は全体的にツボな事が多いんだけど、なんというかどれも郷愁的な香りを纏っている気がします。


RaiM & Artur - Сәукеле
カザフスタンのヒップホップもまぁ色々あるんですけど、彼らはメジャーで有名どころって感じかなと思われます、多分。
同じく2019年リリースのСимпаはMVにダンサーもバッチリ起用しててノリよく踊れる感じで良かったんでそれはそれでDJでも使ったりしてたんですけど、こちらのСәукелеの方はカザフスタンのフォーク系の楽器であるコブズや琴がバッチリ盛り込まれていてカザフ感を推した感じの曲になってるので面白かったですね。タイトルのサウケレ、というのは結婚式の時とかに花嫁さんがかぶる円錐状の帽子のことだそうで、MVにもバッチリ映ってます。あとこの辺の国の面白いところは、騎馬民族系の文様をストリートファッションに取り込んだものとかが衣装に起用されてることがあったりする点ですかね。パーカーの袖とかも要注目。


Buira - EmDEED
いや当初は「おお、また若手のアイドルが出てきたか、少年臭さがあってかわいらしいねー」位にしか思ってなかったんですけど、曲を聴けば聴くほどハマってしまいまして、DJの時にめちゃくちゃ使ってしまったし、あとメンバーのZyanくんG-YONくんが何とも言えないかわいさでして、スルメの如く噛みしめるほどにハマるパターンだったんですよ…!故に併せてInstagramを見てほしい。ちなみにこの曲も腰にこないタイプのラテン系楽曲パターンで大好き。(…と思ったら新年早々Zyanくんが脱退してしまった!つらい…)


КешYOU - Уят емес (Ұят емес)
カザフスタンを代表するガールズグループKesh Youは「カザフスタンのポップスと言えば」でよく動画を挙げられることも多いのですが、結婚出産等で比較的メンバーチェンジが頻繁だったりします。そんなKesh Youの最新メンバーのお披露目楽曲がこちらだったんですけど、強くて媚びない女感を推してきたので最高な訳ですよ…。しかも歌って踊れるスタイルの良い美女、を地で行くグループで、まさか全面的にラップを推してくるとは。まぁこれには理由もありまして、Qara Beriっていうカザフスタンヒップホップ番組が2018年に放送されてて、プロダクションの人がそこに噛んでたからというのもあるのかなと。あとMVが二種あって、どっちも「媚びない強い女」感あって良きなので見比べていただけると楽しいかと思います。この曲もDJの時めっちゃ使ったしサビの振り付けもDJ中にめっちゃやった。


職場の異動とかで曲掘れなくてめちゃくちゃストレス溜まったりとかあったんですけど、2020年はもっと自分の好きな事にいっぱい時間を費やすぞ…!という気持ちでございます、やったるぞ。

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