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スイス[51] 国境を意識する(その1)
202310041704 スイス[51] 国境を意識する(その1)
私が初めて国境というものを意識したのはいつのころだったのか,と思い出してみるとスイスのジュネーブを訪れた時だったと思います。
私が最初に行った海外は英国(イギリス)・ロンドンだったのですが英国への入国は日本から飛行機の直行便ででしたので空港のパスポートコントロールはあれど国境を越えたという認識は私には難しかったです。
その旅行では日本に帰国する時には英国からスイス・ジュネーブ、そしてフランス・パリ経由で帰ることになっていました。そこでロンドン・ヒースロー空港からスイス・ジュネーブ空港までスイスエア(当時)で飛びました。スイス滞在(正確にはジュネーブ滞在)は2,3日間だけだったのですがそれでも当時ジュネーブに住んでいた知人に会えて嬉しかったことを覚えています。
その知人の勧めで,滞在中にジュネーブがきれいに見渡せるサレーブ山に行くことにしました。サレーブ山からはジュネーブがよく見えるとはいうもののサレーブ山そのものはスイス領ではなくフランス領にあります。その時に『私の人生で初めて』国境を越えたわけです。
CFFジュネーブ駅前のバス停から8番のバスに乗りバスの終点から少し歩くと山の頂上に登るロープーウェイのふもと駅に着きます。でバスの終点はスイス領,一方でロープウェイの駅はフランス領なので徒歩で国境を越えることになります。
バス停からすぐのところに国境検問所がありました。事前に知人から「国境を越えるのでパスポートを忘れずに」と言われていたのでしっかり持っていきました。そしてその検問所には係官がいたので英語で
“Must I show you my passport?”
と声をかけたのですがその係官は(多分フランス語で)「うるせぇなぁ,さっさと行け」みたいなことを叫んでいます。当時,スイスはシェンゲン協定には加盟していなかったので厳密に言えばパスポートコントロールは必要だったのかも知れません。しかし結果は全くのフリーパスでした。それでも徒歩で国境を越えるつまり地面のここから先はフランス,あるいはスイスだという感覚が新鮮でした。その国境家検問所は住宅街にありその住宅地に国境があるということにもびっくりしました。
その後ジュネーブ駅からフランス・パリまでTGVに乗ったのですがジュネーブ駅のTGV専用ホームは制度上フランスとの国境になっていてTGVに乗る前に係官のパスポートコントロールがあったことも覚えています。しかしながらそこでも「日本国旅券」の表紙を見せただけで「さっさと行け」でした。
スイスがシェンゲン協定に加盟していなかった当時はテロなどの国際犯罪が少なくセキュリティが優しかったのか,それとも私が日本国旅券保持者だったからなのかは今ではわかりません(*1)。
今ではサレーブ山に行く時に通る国境検問所は無人になっているようです。
(*1)現在はスイスもフランスもシェンゲン協定に加盟していますからジュネーブ駅のTGVのホームにはパスポートコントロールはありません。
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