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スイス[8] 欧州の鉄道(1)

202202161225スイス[8] 欧州の鉄道(1) A.J.

 スイスのルツェルン(Luzern)にあるスイス交通博物館に行ったことは既に記した。

 先に断るけれど,私は鉄道は好きな乗り物ではあるが鉄道ファンということはない。身近に鉄道があるから鉄道をよく利用して結果好きではあるが,それは日本の話であって,ドイツでは鉄道に良い思い出がないので単純に好きとか嫌いの話ではない。さらに鉄道の話をすると「日本の鉄道(技術)は世界一」と思っている人に時々出会うけど,確かに日本は私が経験した限りでは世界一『パンクチュアル(punctual)』だし安全性も高いとは思う。けれどTGVやスイスのIC,国際列車のECなどの新型列車に乗っていると(軌道の良さも理由にあるはずだが)その快適性に驚く。
 ALSTOMやBombardierあるいはSiemensなどの国際企業と日本企業は(少なくとも)日本国内では競争をしていない以上,どちらが良いとは単純にはいえないだろう。日本市場は少なくとも近年まで閉鎖的であったし,日本の鉄道は他所の国とはつながっていないので日本の規格は歴史的・政治経済的・地理的にも欧州企業の基準とは違ってくる。

 ずいぶん前に,シュタイン・アム・ライン((*1)Stein am Rhein,スイス北東部の小さな村で木組の家並みが有名な観光地)にSBB(スイス連邦鉄道)の地方路線で出かけた際に,その列車の車掌さんと一言二言(ひとことふたこと)話をして
「SBBの列車は快適だね」
と私が車掌さんに言うと彼女(*2)は
「日本の鉄道は世界一よ」
と返してきた。ふーむ。

 英国で日立の車両が走る時代なのだから(*3)日本製あるいは日本の技術もそこそこあるはずだが,鉄道は道路を走る自動車と違い軌道や電力・信号設備など線路・駅・車両の総合的なシステムで成り立つ。売り込み先企業(運用者・社)の設備・規格や利用者(乗客)の要求にも応じなければならない。
 欧州大陸で日本車輌(*4)の列車が走る日は……どうだろう。


(*1)シュタイン・アム・ライン
https://www.myswitzerland.com/ja/destinations/stein-am-rhein/

(*2)
SBBの車掌には女性がとても多い(実感)

(*3)
https://www.hitachi.co.jp/rd/research/design/product/case_british_railway.html

(*4)日本車輌製造株式会社
https://www.n-sharyo.co.jp/


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