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MD実装!生まれ変わった【忍者】デッキのキホンのキ。

ドーモ。

PHOTON HYPERNOVAでの新規獲得後、有名CSでの優勝実績なども出たことで、にわかに【忍者】に注目が集まったりしました。

また、マスターデュエルでの実装も、まさかのストラクという形でおこなわれ、非常にお手軽に、フルスペックの【忍者】に触れることができる環境が図らずも整いました……ありがたい……!

優勝者の方のnoteを拝読し、自分でも実戦を経るなかで、このデッキの扱い方がある程度言語化できてきたため、
これから【忍者】を組もうとする方に役立てていただきたく、僭越ながらその一端でも伝われば、と筆をとることにしました。

これから【忍者】を組もうとしている方にとって、少しでも参考になるnoteになるといいなと思います。

では、いってみましょう!



【忍者】デッキとは

【忍者】自体は古くから存在する由緒正しきデッキですが、22年7月発売のOCGレギュラーパック「DARKWING BLAST」で大幅に強化(ほぼ別物に)され、続く「PHOTON HYPERNOVA」でも強力な新規を得て、デッキとしての完成度が飛躍的に向上しました。

区分としてはコントロール寄りの中速タイプで、
決まった展開の型を通して制圧するのではなく、状況に応じて相手の動きをいなすように動いていくデッキです。

おもしろい特徴として「裏側守備」を非常に上手に扱うテーマであることが挙げられます。
裏側守備による妨害は、シンクロ、エクシーズ、リンク、およびスプライトの展開の阻害はもちろん、
破壊耐性をすり抜けたり、墓地に送ると厄介なカードを上手に処理したり、
逆に自分の効果を安全に通すことも狙うことができます。
影は薄いですが、非常に強力な妨害であり、これが忍者のアイデンティティのひとつになっています。

相手の制圧盤面を無理やりこじ開けるようなパワー、および相手の行動を一切封じるような制圧力はありませんが、
布陣が整った後のリソース回復力に優れ、後続を切らさずに粘り強く戦うことができます。
デッキのカードへのアクセス強度も非常に高く、狙った戦術を柔軟に取ることができます。

また、中軸となるエースカードが、自軍をダイレクトアタッカーにする能力を持ち、
まさしく、敵の軍勢を意に介さず、敵将の首だけを秘密裏に狩り取る、暗殺者たる忍者らしい勝ち筋を持っています。
これは一見ロマン砲のように見えるかもしれませんが、相手の盤面を無視して勝ちに向かえるというのは想像以上に強く、
遊戯王はライフが0になったら負けるんだ、ということ改めて認識させられることとなりました。


カテゴリカード解説

【忍者】は「忍者」モンスターおよび「忍法」魔法罠によって構成されます。

これらのカテゴリは古くから存在する関係で、かなりの数が存在しているのですが、
今回は、DARKWING BLAST発売後の【忍者】、およびマスターデュエルのストラク登場後の【忍者】での採用率が高いもののみをピックアップして紹介します。


「忍者」モンスター

◼️《忍者マスター HANZO》

【忍者】のメインエンジンたる忍者です。
マスターの名は伊達ではない。

召喚方法を工夫する必要はありますが、このカード1枚からあらゆるテーマカードに触れることができ、当たり前ですが最も重要な忍者です。脳死3投です。
このカードが絡むことで、展開の強度が一段階上がります。

また、サーチャーでありながらターン1および①②いずれかのような縛りが一切なく
複数回出力できれば、その分アドを稼ぎ出すことができます。

ただし、いずれの効果も時の任意効果であり、タイミングを逃すことに注意です。


◼️《若い忍者》

こちらも色忍者の一角、Vジャンプで登場した最新の忍者です。
若葉の緑ということでしょうかね。

使用法がテクニカルで、使えば使うほどポテンシャルの高さを感じる、忍者の期待のホープです。

①の効果は手札からの展開効果で、同時にモンスターを裏側守備にします。
これはデッキによってメリットデメリットがあります。
一般的には融合以外の素材にならなくなるのが最たるデメリットですが、忍者の場合はこのデメリットはあまり気になりません。

メリットとしてSS時効果に対するヴェーラー、泡影を、裏側にすることで躱すことができます。
モンスターの「発動はできるが効果が無効になる効果」を通すこともできます。
《覇王龍の魂》から呼び出したズァークを裏返すことで、無効になるはずの全体除去を無理やり発動させる、という動きが可能です。

②の効果は相手モンスターにも使えるため、タイミングを合わせれば《月の書》相当の妨害になります。使いやすい妨害効果です。
トリガーは落ち方を問わないため、コストで手札から落ちても使えるのがいいですね。
忍者における妨害力、捲り力の一角を担います。
素材とした場合、チェーンの組み方を工夫することで、出したモンスターのSS時誘発効果を安全に通す役割も担えます。


■《宙の忍者-鳥帷》

ここから、最新弾「DARKWING BLAST」で追加された新たな忍者たちです。

手札からの展開効果は消費がやや激しいですが、妨害をもらった際に手札のリソースを吐くことができ盤面形成の強度に寄与します。
特に、妨害をもらいやすいHANZOの横に忍者を並べて、融合やリンクへ向かえます。
【忍者】は割と横並びが重要であり、後述の冥禪へたどり着くことが第一目標となるため、純粋に相方を選ばない展開効果はあって困るものではありません。

また、即時誘発効果で、相手ターンに融合をおこなうことができます。
択は2つあり、いずれも優秀な効果を持ちます。
前述の若い忍者を素材に含めることで、月の書のような感覚で妨害とすることもできます。


■《蟲の忍者-蜜》

ついに登場した、実戦に耐えうるクノイチです。

①は非常にゆるい条件での自己SS効果で、このデッキであればまず満たせないことはない条件です。

②の効果で、相手のモンスター効果を妨害することができます。
破壊まではできませんが、発動場所を問わないのがありがたく、展開に添えることでニビルをケアするような動き方も可能です。

これは【忍者】的にはかなり画期的で、これまで【忍者】は、忍者モンスター単独では能動的な妨害を作ることはほぼできませんでした。

①の効果から、②の効果発動条件となる裏守備忍者を用意したうえで容易に展開ができ、完結性も高いです。


■《獣の忍者-獏》

サーチやサルベージで手札に加わった際に自己SSが可能です。
先述しましたが、忍者は横に並べてナンボというデッキであり、簡易な条件で自分で場に出てこれるのは優秀です。

また、着地時に範囲の広いサルベージ効果を持ち、展開とリソース獲得を同時にこなすことができます。
召喚では反応しない点だけ難しいですが、自身の①で出ている必要はなく、前述の鳥帷で展開してもサルベージ効果を使えます。
この場合、そのまま鳥帷を回収できますね。

後述の装備魔法とあわせて運用することで、強力な無限リソースループを形成できます。


■《銃の忍者-火光》

筋肉女子です。
忍術で炎を生み出し、大筒をぶっ放す、という設定らしいです。

①の効果で、忍者の蘇生が可能です。
裏守備での蘇生になるためリンク展開などは不可ですが、後述の融合は問題なくおこなえます。
前述の鳥帷で展開すると、そのまま鳥帷を蘇生でき、召喚権を使わず場に2体の忍者を並べることができます。

忍者のリーサルプラン的に、できるだけ多く忍者を並べまくることが求められるため、シンプルに数を増やせるのは場面によりかなり輝きます。
若い忍者を釣り上げての融合が、手数も増えて強力です。

②は相手の無効効果を躱すために使うケースが多いでしょうか。
対象となったカードはバウンスされるため、注意が必要です。
HANZOへの泡影などに使えるとベストですね。


■《重の忍者-磁翁》

デカくて強くてカッコいいジジィです。
古今東西、だいたいデカいジジィの忍者は、一人称がワシで、三白眼で、性格に癖があると相場が決まっている。

モンスター2体を裏にし、それが相手のモンスターなら永続的に埋める効果、
リバースに反応して相手のカードを1枚対象に取って割れる効果を持ちます。
とにかく妨害に振り切った効果です。

この①がとにかく強く、忍者デッキにおける妨害の主軸となります。
自力でのリバースを封じることから、対象にさえ取れればそのモンスターを完全に無力化でき、墓地にも除外にもいかせないことから再利用にも待ったをかけることができます。
また、自軍も対象にできることから、HANZOを筆頭に有用なリバース効果を持つ忍者を裏側にすることで、次ターンに反転召喚からアドバンテージを獲得できます。
1枚相手のモンスターを、1枚自軍を、という運用も可能で、妨害とリソースの両面に寄与します。

②は、磁翁以外で裏返した相手のモンスターを起こす動きをとがめることができます。
自軍のリバースでもよいため、前のターンに裏側モンスターをリクルートしたり、①でリバース用のモンスターを用意できれば、その分手数を増やすことができます
①で埋めたモンスターと戦闘することで②を誘発することも可能です。

そして、忍者のなかでは高いスタッツを誇り、単純な処理しづらさも兼ね備えています。

地属性・岩石族・レベル8とステータスもサポートが多そうで、【忍者】以外でも、【岩石族】や【地属性】で活躍の場があるかもしれません。



■《忍者マスター SAIZO》

ここからEXモンスターたちです。
SAIZOは忍者をとりあえず2体表で並べれば呼び出すことができ、②の効果で任意の「忍法」へアクセスできます

リンクモンスターであるため、レベルを参照する展開型の忍法とはかみ合わせがよくないですが、
それを差し引いても、2体の忍者をとりあえず並べれば、最低限の動きが保障されるのは、普通に優秀ですね。
残りの手札と相談して、SAIZOから何を引っ張ってくるのかを決めましょう。

またターン1の起動効果であるため、次のターンまで維持できれば継続的にアドバンテージを稼げます。
①の耐性により場に忍者を維持し続けられれば、次のターンの活用も見えてくるほか、蘇生した際にもしっかりアドを稼いでくれます。


■《戎の忍者-冥禪》

「DARKWING BLAST」で登場した新たな忍者で、このデッキを象徴するエースモンスターです。

種族違いである必要はあれど、「融合」を必要とせず、リンク召喚のような手軽さで召喚が可能です。
対戦相手の方に言われたことがありますが「剣闘獣」のそれに近い使用感です。

融合であるため、裏側守備の忍者を墓地へ送って呼び出すことも可能で、その点ではリンクより柔軟性は高いです。
そのほかにも、鳥帷の効果で相手ターン中に呼び出されることがあります。

相手の効果発動に反応して「忍者」をなんでもリクルートできます。
この効果が非常に優秀で、相手の動きに合わせて様々な動きを用意できます。

基本的には、相手ターンには、相手の展開に合わせて磁翁を展開し、動きを阻害していきます。
自ターンでは、獏でサルベージをおこなったり、火光で場の忍者を増やしたり、とSS時効果が優秀な面々を呼び出し、リソースを増やすことができます。

なお、この効果は「時の任意効果」であり、相手の効果の発動に直接チェーンして発動します。
そのため、HANZOをリクルートすると、絶対にタイミングを逃す仕様になっているため、注意が必要です。

③は「忍者」全員をダイレクトアタッカーにする永続効果です。
この効果の適用下で、相手のライフより高い打点を用意するのが、忍者のリーサルプランになります。


■《冑の忍者-櫓丸》

出てきたときに、対象こそ取りますが、除外という雑に強めの除去を撃つことができます。
彼自身も雑に出てくることから、妨害、捲りともこなせる優秀なモンスターです。
コストは墓地からも用意でき、基本的に融合素材が墓地に落ちることからコストに困ることはなさそうです。

また、この効果はリバースでも発動するため、磁翁や若で一度ひっくり返したり、後述の《異譚の忍法帖》で裏守備蘇生することで、コストがあれば何度でも対象除外を撃つことができます。

また、レベル5なため《簡易融合》に対応しており、
場に「忍者」を増やしつつ、除去を撃ちつつ、というムーブが可能です。
《ミレニアムアイズ・サクリファイス》など、他の《簡易融合》対応の他のモンスターと合わせてEXデッキに採用することができそうです。

簡易融合から呼んでも、エンドフェイズの自壊前に、適当に《戎の忍者-冥禪》や《忍者マスター SAIZO》に変換でき、みすみす自壊させることはほぼないように思います。

なお、コストは場からも調達できますが、自身をコストにできないため、
《簡易融合》とともに出張、とはいかないようです。
基本的に【忍者】デッキであればまったく気になりません。


「忍法」魔法罠

■《忍法 分身の術》

低レベルの「忍者」を大量にリクルートすることで、真価を発揮します。
HANZOでサーチしてそのまま使っただけでも、おおむね星1・星1・星2のような展開が可能です。

通れば非常に強いですが、リリースがコストであり、うららをもらうと戦線が崩壊しかねない点には注意が必要です。

場に鳥帷を含めてモンスターを展開することで、相手ターンの妨害数を増やすことができます。
鳥帷、若をリクルートし、櫓丸を融合できれば、1裏守備+1除外をフリーチェーンで放つことができます。


■《忍法 落葉舞》

万能リクルート効果を持つ忍法です。

特筆すべきは、
「忍者」のほかに、裏側守備であればどんなモンスターでもコストにでき、
かつ相手の場のモンスターでも対応している
点です。
これにより、《月の書》や《若い忍者》で相手モンスターを裏返すことで、
相手のモンスターを除去しつつ展開をおこなうことができます。

②の効果は、場の「忍法」の使い回しを意図した効果です。
自身も戻せるため、次のターンに再度リクルートの準備をすることができます。
同一ターン中では①②のいずれかしか使えない点は注意が必要です。


■《隠れ里-忍法修練の地》

場に維持して、墓地からリソース回復をおこなうフィールド魔法です。

サルベージしたカードはそのターン中の効果発動が封じられますが、忍者にも忍法にも対応しており、
このデッキにおける重要なカードをひととおり回収することができます。
なお、制約は修練の地の効果発動後からかかるため、このターンすでに効果を発動したカードでも問題なくサルベージができます

トリガーはかなりゆるく、意外と墓地にカードは落ちるので、序盤でも回収対象がない、ということは少なく、
たとえば、
・鳥帷で展開→出力した忍者の着地に反応して鳥帷を回収
・成金忍者からHANZOリクルート→SAIZOリンクの流れからHANZOを回収
・忍法で別の忍者を呼んだ場合に、コストにした忍者を回収

といった動きができます。

相手ターンに特殊召喚を繰り返すことが多い関係で、サルベージしたカードの使用制限はあまり気になりません。
次ターンの動きを想定しながら、必要なリソースを確保していきましょう。


■《異譚の忍法帖》

11期、という感じのパワーカードです。
発動するだけで1枚が2枚になるタイプのカードで、かつデッキの任意のカードに触れたりと、効果盛り盛りになっています。
字レアのスペックではない……ただし同期字レアには《クシャトリラ・フェンリル》がいます。

相手の場にカードを要求するため、先攻初手では「深淵の獣」あたりを相手にしていないとまず発動できないのですが、
速攻魔法であることから、伏せて返しのターンには使うことができ、場に忍者を増やすことができます。

この効果は、墓地にカードがなくても発動が可能であるため、腐ることはまずありません。

また細かいところでは、墓地の忍者に対する《墓穴の指名者》や、ビーステッドの共通効果を回避するプレイングも可能です。


■《忍法装具 鉄土竜》

除去、展開を同時にこなせるかなりハイスペックな装備魔法です。

②のコストが③の蘇生/サルベージ対象となっており、完結性が非常に高いです。
②はカード種類、表示形式を問わないため汎用性が非常に高く、③のトリガーもゆるゆるです。
ここを最大限に生かす動きとして、相手モンスターに装備し、効果でそのモンスターを破壊すし、このカードを墓地へ落とす動きがあります。
これにより、このカード1枚から、盤面を取りながらリソースを回復することができます。

これのコストに獏を使うことで、③で獏をサルベージして、獏の効果でSS、そのまま墓地のこのカードや、このカードを墓地から再セットできる《異譚の忍法帖》を回収することで、この動きを永続的に再現できます。
そして異譚がループに絡めば、ループするごとにカードが1枚ずつ増えていきます。

また、①の効果で、テーマ外モンスターに忍者ネームを付与できるので、
冥禪と並べればダイレクトアタックのダメージを加算できます。
装備魔法であることから、セットしたターンでも発動できるため、SAIZOでセット→SAIZO素材に高リンク→忍者化して冥禪と並べて殴るみたいな動きが可能です。
筆頭は、冥禪と並べることでワンショットキルが成立する《ヴァレルソード・ドラゴン》《アクセスコード・トーカー》になります。



いまの【忍者】が目指す動きは?

ここからは、戦略の概要について記載していきます。


冥禪+忍法を目指す

先攻で考える一番の大方針です。
冥禪は先置きすることで、磁翁リクルートでモンスター展開を妨害できます。
それに加えて、手数を出すために、分身か落葉舞によるリクルートを追加します。

冥禪+忍法は、
・SAIZOで忍法をセット
・SAIZO使って冥禪を融合
とすることでそろえることができ、場に3体の忍者(うち2体が表で、1体が戦士族以外)が必要になります。
ここでHANZOを引けていると、リソース面で楽になってきます。

忍法は、残りの手札との相談になります。
メリット、デメリットを考えて選びましょう。基本的には落葉舞のほうが堅実な選択になります。

落葉舞:
・Good:リリースが効果であり、うららをもらっても盤面が弱体化しない
・Good:裏側なら相手モンスターもリリースできるので、裏側にする手段があれば優先度が上がる
・自身の効果で再利用が可能
・Bad:1体しか出てこないので、手札の組み合わせ次第では厚みが出ない

分身:
・Good:2-3体は平気でリクルートが可能で、鳥帷×2+若など妨害力の高い盤面を簡単に作れる
・Bad:リリースがコストであり、止まると盤面を失う
・Bad:磁翁が基本的に出せない(冥禪がいるのでさほど問題ではないかも)
・Bad:レベルを持たないSAIZOが対応しない


相手ターン中にできる妨害

盤面、手札次第ですが、忍者ギミックのみで、2手、多ければ3手分、主にモンスターに干渉することができます。

櫓丸:
相手ターンには、鳥帷の効果で融合召喚します。
前後どちらでも触ることができ、再利用および追加効果を許しづらい除外であることから、非常に優秀です。
レベルがやや高いことから、分身のコストとしてもいいですね。
コストとなる墓地のカードは、鉄土竜で回収したいカードを選ぶとよいでしょう。HANZOか獏が筆頭になるかと思います。
火光や異譚で蘇生するプランがある場合は、そこを除外してしまわないように注意です。

磁翁:
モンスター限定ですが、2面さわれる上に、反転召喚を封じての裏側化と、除去としての質が高いです。
特に融合以外でエクストラを使うデッキに対しては、素材2体分を無力化でき、展開阻止に絶大な効力を発揮します。
冥禪のダイレクト効果で勝つことから、盤面に残ったモンスターはノーカウントとして扱うことができ、落葉舞のコストにもなります。
地味に自分のモンスターを裏返すこともでき、例えば蜜が横にいる場合に、相手のモンスター1枚と自軍を裏側にしつつ、蜜で裏返すカードを用意できます。
そこから蜜の効果を起動できれば、さらに②で1枚盤面を割ることができます。
なお、反転召喚を封じるのは相手モンスターだけで、自軍を裏返した場合は次のターンに問題なく反転召喚可能です。

若い忍者:
墓地へ送ることで、月の書相当の妨害になります。
相手ターンに墓地へ送る方法としては、鳥帷の融合効果の素材にするか、忍法のコストにするか、のいずれかになるでしょう。

蜜:
お膳立ては必要ですが、発動場所問わずモンスター効果を無効にできます。
忍者のパーミッション効果はこれと《青竜の忍者》しか存在せず、あちらの効果はお世辞にも実用レベルとは言い難いため、実質的には忍者唯一のパーミッション札になります。

これらの効果、特に盤面に触る効果は、何回かに分けて、割と任意のタイミングで発動できる点が強力で、
相手の動ける手を摘み取って、ターンを戻していくことを狙います。


《戎の忍者-冥禪》の効果でライフだけを削り取る

冥禪の効果で、相手の盤面がどうあれ、相手ライフ以上の打点を忍者で並べることさえできれば、そのままゲームエンドとなります。
敵の首魁を秘密裏に殺める。暗殺者たる忍者らしい勝ち筋ですね。

可能であればワンショットでライフを取ってしまいたいところですが、取り切れないケースではしっかりと次ターンも相手を封じ込め切れる算段を立て、ライフを取ってターンを返します。
ライフが取れるなら必ずしも相手の盤面を崩す必要はないため、リソースを除去へ振るのか、キルルートへ振るのかは吟味が必要です。


後攻からの捲りの動き

相手ターンの妨害札と同じものを通していきます。
召喚権を潰されたうえで、さらに破壊までされると、後続の展開札が続かなくなるため、召喚権は慎重に使う必要があります。
できるだけ手数を用意できる展開を考えて、場合によってはHANZOセットから入る、みたいな展開もあり得るかと思います。

また、HANZO含めて忍者を4体並べることで、ワンキルルートに繋がります。
妨害があると不成立になりますが、覚えておいて損はないルートです。




構築案


現在は《スプライト・エルフ》が禁止です

メインモンスター:

HANZO:
文句なしの3枚採用。

若い忍者:
状況に応じて分身から呼び出し、鳥帷と融合することで、フリーチェーンで《月の書》相当の妨害ができます。
テーマ内で《忍法 落葉舞》を強く使う補助ができ、
手札に抱えた場合は、基本展開を通した後の妨害数が増えるため、ある程度引きにいく2枚採用。

鳥帷:
獏か火光と引ければ2枚でSAIZOまでいくことができ、
それ以外の忍者でも召喚権と合わせて無理やりSAIZOへ向かえるため、初手に引いておく理由がある程度あります。
強くはないですが、ダブっても最悪同名を展開できるため、手数を増やす狙いで3枚。

蜜:
仮に同名カードが被っても雑に展開でき、役割を持てない場面がほぼないため3枚です。
素材にしてよし、置いておいて妨害に使ってもよし、です。

獏:
手札にいてほしいカードではないのですが、
特殊召喚したHANZOからサーチする筆頭であり、1枚では足りないと感じたため2枚としています。
ここはプレイングが煮詰まってこれば、1枚にできるところだと思います。

火光:
中盤に引くか、鳥帷とセットなら冥禪まで簡単にいくことができるほか、
リクルートすることで蘇生札になります。
必ずしも初手に欲しいカードではなく、状況に応じてリクルートできればOKなカードなので、1枚。

磁翁:
相手ターンの妨害の要です。デッキから枯れてしまうと厳しいため、2枚。
手札に来ると厳しいですが、鳥帷で展開することで捲りもこなせます。


魔法罠:

異譚の忍法帖:
先攻の初動に寄与しないのはおなじですが、明らかにカードパワーが高く、セットから雑に使っても何らか役割は持てるため、3枚。

鉄土竜:
2ターン目以降に使いたいカード。サーチが容易なのと、先攻盤面の形成に寄与しないため1枚です。
獏の存在から、2枚目が欲しい場面はそうないと想定。

増援:
HANZO水増しのため迷わず採用。
HANZOが初手にいるなら、若い忍者が追加で手札にいると嬉しいため、そっちに充ててもいいですね。

月の書:
盤面は取れないが使用シーンを選ばない、妨害も捲りもこなせる小回りの利く優秀な速攻魔法。
落葉舞とセットで使いたいですが、最悪なくても、捲りに追加妨害に、と仕事はできるので、3枚。
裏守備を意識した動き、裏守備に対する耐性、というものは各デッキあまりない(裏守備する、という戦術のマイナーさゆえ)ため、思わぬところで効果を発揮することがあります。

特にシンクロ、エクシーズ、リンクのデッキに対しては、素材を裏守備にすることで、展開の妨害になります。
こと【エクソシスター】は、妨害の要であるリタニアが「場にエクソシスターしか存在しない場合」にしか撃てず裏守備モンスターがいるとこの制約に引っかかるため、見た目以上に有効な妨害として機能します。
【ピュアリィ】も、変身効果に合わせて裏返すことで、エクシーズを阻止できます。

金満で謙虚な壺:
EXは忍者たちがいれば何とかなるため、壺のコストに充てやすいです。
マスターだと制限なので、要調整。

落葉舞:
リソースと妨害の要。
初手でできるだけほしいため、3枚。

分身の術:
あると嬉しいカードではあるのですが、忍法を1枚追加することはある程度できると考えると、落葉舞と分身のいずれかはそこから引っ張ってこればよく、
うららへの耐性などを考えた際に、落葉舞のほうが確実性が高いため、こちらを1枚としています。


エクストラ:

冥禪・SAIZO・櫓丸:
必須枠はここだけなので3枚ずつ。
先攻盤面での冥禪の優先度が高いことから、SAIZOは思ったより出てくることが少なく、枚数を減らしてもよい枠です。

スプライトエルフ:
展開が容易な蜜を絡めて雑に出てきて、SAIZOを蘇生できます。
そんなに頻繁にしたい動きでもなさそうなので、まずは1枚から。

クロシープ:
冥禪・櫓丸が簡単に出せる融合モンスターなので、墓地蘇生効果を使いやすいです。
HANZOを蘇生してアドを得たいところ。

ヴァレルソードドラゴン、アクセスコード:
割と横並びするので、クロシープ展開からのフィニッシャー枠で採用できます。
鉄土竜を装備することで忍者ネームを得ることができ、いずれも冥禪と合わせて総打点8000overでダイレクトアタックによるワンショットが可能です。
手札に余裕があるなら、トロイメアユニコーンを経由して不安要素を剥がしつつ、アクセスにいくのが安パイであるように思います。
なんらかでキルが取れずとも、盤面を剥がすことができます。



展開例

初動:

冥禪+忍法のセットを目指します。
基本思考として、種族が1体だけ異なる3体の忍者が出力できれば、SAIZOを経由してこのセットが完成します。
また、忍法が素引きできていればその分ルートを短縮したり、上振れを目指すことができます。

展開のテンプレートらしいものがなく、手札に来たカードで盤面を作っていきます。
やること自体は場に忍者を並べまくるだけといえばだけなため、展開の手数がどうやれば増えるか、を手札と相談します。

初動で展開が伸びやすいカードは下記です。冥禪の条件である「種族」面だけ、注意を払いましょう。

・HANZO:獏か蜜サーチで盤面+1
・鳥帷:召喚権使わずに盤面+1
・蜜:引けていれば単純に盤面+1
・若:鳥帷や蜜のSS効果に合わせて展開すれば盤面+1

展開札のなかには、後述の妨害を作れる面々もおり、素材にするのか、妨害用のリソースとして保持するのか、の判断も必要です。
対モンスター展開の妨害としては、磁翁がブッチギリで優秀なため、少なくとも磁翁が狙ったタイミングで出力できるようにしておく、は最低ラインとなります。


妨害:

相手ターンに妨害アクションになるカードは下記です。

・磁翁:冥禪か忍法でリクルート
・櫓丸:鳥帷で融合
・若:忍法のコストにするか、融合素材にする
・蜜:セットモンスターを隣に用意する。分身でまとめて呼ぶと◎

磁翁で1回、鳥帷から櫓丸融合で1回が基本になります。
そこへ、誘発や泡影、月書などを重ねて厚みを作っていくことで、相手の動きを封じ込めます。

妨害の当て方はデッキにより異なるものの、櫓丸は魔法罠にもさわることができる点は、覚えておくとよさそうです。
制圧力の強いパーミッション系の効果は持たないため、相手のデッキのウィークポイントを正しく見極めていくことが必要になります。


捲り:

磁翁、櫓丸が突破力が高く、櫓丸に若が絡むと2面除去を狙うことができます。
また、自ターンでは鉄土竜を使うことができます。突破とリソース回収を兼ね備えた強力なカードです。

ただし、これら以外では直接盤面に干渉するカードは少なく、単独で手数がどんどん出るデッキではないため、妨害量で押し切られると少々苦しい展開となります。
突破力があるカードをいかに当てるか、それまでに何手用意できるか、を計算し、相手の妨害の当てどころをずらせれば、突破が見えてきます。


リーサル:

相手のリソースを破壊しつくす必要はなく、相手の邪魔なモンスターを磁翁で埋めつつ、冥禪で飛び越えてライフを取り切ることを目指します。
忍者ネームを並べてもいいですが、1ターンでライフを取り切るのであれば、冥禪+アクセスコード(鉄土竜装備)で8000を取り切るのがスマートです。

クロシープのリンク先に冥禪を融合召喚することで、展開が伸びます。
ここでHANZOを蘇生できれば、サーチから獏SSでさらに展開を伸ばすことが狙えます。

キルを取り切れない場合は、天地晦冥を追加できれば、2面、3面の除去を狙うこともできます。



おわりに

ある程度【忍者】の基本的な部分については、インプットができる内容になったのかな、と感じています!いかがだったでしょうか?

攻め手が独特で、分からん殺しと相まって、思っているよりワンチャンが狙えるテーマです。
忍者といえばこれまで強力なイメージはあまりないアーキタイプでしたが、侮るなかれ、テクニカルなデッキを扱ってみたい方は、ぜひ一度触れてみていただきたい面白いテーマになっています。

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オタッシャデー!!


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