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【サイヤCS優勝】忍者デッキの解説

1.はじめに

はじめまして。クロモットと申します。忍者マスター HANZOが出たころからの古参忍者使いです。
先日の第18回サイヤCSにて忍者デッキを使用し、なんとなんと、優勝という輝かしい成績を収めることができました。
優勝報告をツイートするやいなや数多くのRT、いいねをいただき、非常に大きな反響を呼んだのですが、中でも「忍者の構築に困っている」、「動かし方、回し方がわからない」、といった声が多く聞かれました。
(正直忍者に興味をもっている人なんて全国で30人くらいしかいないと思ってました)
そのため、今回は私がどのように考えてデッキを構築し、プレイをしているかを言語化して説明していこうかと思います。

(忍者使いと名乗ってはいますが、NARUTOもニンジャスレイヤーも読んだことはありません。無料期間だったので、忍者と極道は最近初めて読みました。面白かったです。麻〇 ダメ、ゼッタイ!)

2.構築の紹介

ではまず構築の紹介です。


3.忍者デッキとは

採用カードの説明に移る前にそもそも忍者デッキとは一体どんなデッキなのかというのを説明しておこうと思います。

私が思うに、忍者デッキとは「裏守備を駆使して相手を妨害するコントロールデッキ」です。
かつてはリバースデッキとしての側面も持っていたのかもしれませんが、最近の忍者・忍法カードの効果を見るに、自身の忍者や相手をセットする効果はあるものの、それらは表になることなく、処理されたり、場に留まり続けます。そもそもからして召喚・特殊召喚成功時にも効果を発動できる(もちろんリバース時にも発動できますが)デザインになっているため、わざわざリバースさせる必要もありません。そのあたりが他のリバースデッキと大きく違うため、裏守備デッキと称したほうが適切のように思います。

また、他には「ライフカットが早いデッキ」という側面も持っています。
後述する戎の忍者-冥禪の効果により、忍者モンスターがダイレクトアタックできるようになるため、簡単にライフを削ることができます。これは他のコントロールデッキにはなかなかできない芸当だと思います。

まとめると、「裏守備で相手を妨害しながらさっさとライフを削っていく特異なコントロールデッキ」といったところでしょうか。

4.忍者の強みと弱み

忍者がどんなデッキかを説明したので、強みと弱みも説明しておきます。

①忍者の強み

・妨害の質と量
裏守備デッキと説明しましたが、最強格の妨害である裏守備以外にも数多くの妨害手段を備えています。そしてそれらをお互いのターンに比較的好きなタイミングで打てるのはコントロールデッキとしての最大の強みでしょう。

・豊富なリソース
サーチ、サルベージ、デッキからのssとアドバンテージを稼ぐ手段が多くあります。1枚から2枚のカードを生み出すカードや相手を除去しつつ展開するカードもあり、一度回ればリソースが途切れることはありません。

・ライフカットの早さ
前章でも書きましたが、これがそのまま強みになります。たとえワンキルできなかったとしても、戎の忍者-冥禪と忍者マスター HANZOが並ぶだけで1ターンで相手のライフを半分削ることができます。

②忍者の弱み

・前(モンスター)と後ろ(魔法・罠)の分断
ハーピィの羽根帚に弱いのは昔からですが、単に全体除去に弱いということを言っているわけではありません。
“忍者と忍法はセットである”ということです。忍者は忍法の発動から動き始め、忍法は忍者でなければ扱えないという前提があるのです。
そこの繋がりが断ち切られると、とたんに貧弱になります。
例を挙げると、前盤面はサンダー・ボルトや溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム、後ろ盤面はハーピィの羽根帚やレッド・リブートなどが該当します。

・灰流うらら
デッキからカードを出す効果が多いため、とにかく灰流うららがよく刺さります。灰流うららをくらうカードを複数枚持っていれば、貫通できることもあるのですが、この効果を通すしかないというところでくらうと絶望です。中でも一番きついのは、忍者マスター HANZOの効果に対して当てられることです。初動の妨害が一番きついので、誘発を当てるならまずはここがよいです。

・手札事故
忍者の純粋な一枚初動は忍者マスター HANZOの1枚しかありません。それ以外は下級忍者×2か下級忍者+忍法からしか動けません。さらには自身でss効果を持たない最上級忍者を2枚も採用しています。極力事故らないような構築を心がけてはいますが、ある程度は割り切らなければいけない部分です。

5.採用理由・採用枚数について

ここからようやく各カードの採用理由・採用枚数についての説明に入ります。
馴染みのないカードばかり出てくると思いますので、少し長くなってしまいますが、1枚ずつ説明します。
※便宜上、一部(ほとんど)のカード名は略称で書かせていただきますので、ご了承ください。

このデッキを考える上で一つ大きなコンセプトを持っておりました。
それは「常に安定して妨害を構えられる構築にする」です。具体的には、常に忍者と忍法をセットで構えられる状態にするということです。
これから紹介しますが、忍者には数多くの妨害手段が備わっています。そして、それを適切に相手に当てることが勝利への一番の近道になります。
それを達成するために自分の中で考え得る限り極限まで安定感を高めた構築になっております。

①メインデッキ

「モンスター」カード
・<宙の忍者-鳥帷>(以下、トバリ)×3枚

分身の術の効果で2枚出すことが多い(融合用と防御用)。展開に繋げられる手札効果も有用なため、3枚採用。

・<蟲の忍者-蜜>(以下、ミツ)×3枚

妨害の起点となる戎の忍者-冥禪を早期着地させることを目指すにあたり、簡単にssできるこのカードの採用は必須なため、3枚採用。
相手ターンにメイゼンからこのカードを出す優先度は低いため、効果無効効果は相手ターンにはあまり使用せず、自分のターンにうららやニビルをケアするために構えることが多い。

・<若い忍者>(以下、緑)×2枚

1.分身の術で出してトバリと一緒に融合し、墓地効果を誘発、2.展開補助として手札からssの計2回分の働きを想定。ssできる忍者がいない状態で手札に複数枚溜まると事故になるので、2枚の採用。

・<獣の忍者-獏>(以下、バク)×1枚

デッキからサーチした際にssする効果は使い切りと考える。HANZOからサーチしてそのままssすることがほとんど。後は墓地に送ってから、カナムグラの効果で使い回す。展開に必要なので1枚は欲しいが素引きが嬉しくないカードなので、1枚のみの採用。

・<銃の忍者-火光>(以下、カゲロウ)×1枚

1枚から融合モンスターを立てられるのは非常に有用。ただし、HANZOと召喚権を喰い合ってしまうので、1枚のみの採用。
墓地効果は自分場の忍者か裏守備1体のみが対象になった時に発動できるもの。自分場のカードを2枚対象に取った場合や、自分と相手のカードを1枚ずつ対象に取った場合は発動できない。そしてそもそも発動できるタイミングで発動を忘れないように注意が必要。案外忘れがちなので、墓地は常に意識しておく。

・<忍者マスター HANZO>(以下、HANZO)×3枚

今も昔も最強の忍者。デュエル中は常に握っておきたく、初手でこのカードを持っているかどうかで勝率が変わるくらい影響力のあるカード。文句なしの3枚採用。
古のカードゆえ、効果の発動にターン1制限がないが、今の構築ではだいたい1ターンに1回しか効果は発動しない(たまに2回、ごくごくまれに3回)。
古のカードゆえ、時の任意効果でタイミングを逃すことがあるので注意。メイゼンから出した際は必ずタイミングを逃し、効果を発動できない(このカードの存在からメイゼンは時に発動する誘発即時効果になったのだと思うが)。

・<重の忍者-磁翁>(以下、ジオウ)×2枚

モンスターを2体まで裏守備にし、しかも起こさせないという最強の妨害効果を持つ忍者。2枚採用しているのは2回効果を使うためではなく、必ず1枚はデッキから出せるようにするため。ジオウでの妨害が使えないと相手ターンの妨害の質が大きく下がるのだが、現状相手ターンに手札からジオウを表側で出す手段がないため、1枚素引きしてもケアできるように泣く泣く2枚採用。2枚素引きしたら本当に泣くしかない。Kozmo-エメラルドポリスのような忍法フィールド魔法の登場が待たれる。
なお、①の効果に目が行きがちだが②の効果も非常に有用。相手ターンに異譚の忍法帖でセットしたモンスターを反転召喚するだけで、相手の場を荒らすことができる。また、相手の反転召喚にも反応するのも忘れてはいけない。

・<増殖するG>(以下、G)×3枚、<灰流うらら>(以下、うらら)×3枚

定番の手札誘発セット。後攻で少しでも希望を持てるように3枚ずつ採用。ただし、忍者での妨害が有用なので、これ以上の手札誘発モンスターは不要と感じる。

以上がモンスターです。忍者モンスターについては、これくらいの採用が一番バランスよく動ける枚数になっていると思います。

「魔法」カード
・<増援>×1枚

特に言う事なし。基本HANZOをサーチするが、状況に応じて緑やカゲロウをサーチすることも。

・<金満で謙虚な壺>(以下、金謙)×2枚

初動の安定性を上げるために採用。
6枚コストにする際の候補は
<冑の忍者-櫓丸>の3枚目
<ギガンティック・スプライト>
<天霆號アーゼウス>
<スプライト・エルフ>
<トロイメア・ユニコーン>
<アクセスコード・トーカー>
理由に付いてはエクストラデッキ紹介で解説

・<異譚の忍法帖>(以下、イタン)×3枚

1枚から2枚を生み出せる恐ろしいカード。これ1枚で盤面をひっくり返すことも可能。何をセットするかは(特に忍法)、その時々で変わるので、状況に応じて使い分ける。
このカードのおかげでリソース勝負に非常に強くなる。文句なしの3枚採用。
先攻1ターン目に発動できる機会は少ないが、1ターン目に発動できなければ2ターン目に発動すればよいというだけ。
なお、時には1枚しかセットできない状態でも発動するという判断も必要。

・<月の書>×3枚

単純な1妨害として機能するだけでなく、忍者においては忍法 落葉舞と合わせて使うことで、相手の盤面を除去しながら自分が展開できるようになる。
これはつまり、忍者を引いていなくても動けるようになるということを意味する。安定して妨害を構えるという考えにマッチしており、忍者の強みを最大限発揮できるカードとして3枚採用。

・<墓穴の指名者>(以下、墓穴)×2枚

汎用枠みたいなもの。

・<忍法装具 鉄土竜>(以下、カナムグラ)×1枚

除去したり、忍者扱いにしてメイゼンと一緒にダイレクトできるようにしたりと用途は様々。デッキからのアクセス、墓地からの再利用の手段は豊富にあるので、1枚の採用。
このカードを装備した相手モンスターや、カナムグラ自身を対象に破壊効果を使えば、すぐに③の効果を使えるようになる。よく使うので覚えておいたほうがよい。

以上が魔法です。汎用と忍法以外には月の書が特徴的だと思います。クシャトリラ・フェンリルの代わりに入るようになったカードですが、採用理由に見合っただけの活躍を見せてくれています。

「罠」カード
・<無限泡影>(以下、泡影)×3枚

汎用枠&手札誘発枠。忍者で採用できる誘発はうらら、G合わせて計9枚が恐らく最大数。誘発を増やして、忍者・忍法減らすと事故に繋がる。

・<忍法 分身の術>(以下、分身)×1枚

新規忍者の登場で一番評価を上げた忍法。
レベル4⇒1+1+2
レベル6⇒1+1+2+2
に変換することが多い。1+1+2で出す際のレベル2は緑であることが多い。
1回の発動でデッキから出したい忍者はほとんど出せ、HANZOから優先してサーチするプレイングを行っているため、1枚の採用。

・<忍法 落葉舞>(以下、落葉舞)×3枚

素引きが強い忍法。いつでもHANZO、ジオウにアクセスできるようになるのが非常に強力。月の書とも組み合わせられるので最大の3枚採用。
逆にこのカードの枚数を減らすくらいなら、月の書も3枚はいらない。
最新のカードゆえ、効果の発動にカード名ターン1があるが、それでも重ね引きは決して弱くはない。
1ターン目(自分ターン):忍者と落葉舞A,Bセット
2ターン目(相手ターン):忍者をリリースし、落葉舞A発動。ジオウを出して、相手2体を裏守備に
3ターン目(自分ターン):相手の裏守備モンスターをリリースし、落葉舞Bを発動。HANZOを出して展開開始
妨害がない前提の動きだが、これだけ動ければ相手とのアド差はだいぶ開いているはずなので、②の回収効果を使うのが4ターン目になっても特段困らないはず。なんなら3ターンで決着がついている可能性もある。

注意)忍法永続罠でデッキからモンスターをssする効果はカードの発動時の効果です。セットした状態から発動する時しか適用されません。そのため、自身が表になった状態で忍者をリリースして、デッキから他の忍者を出すことはできません。一度表になった忍法は、出したモンスターを対象に取り続け、そのモンスターがいなくなった後は意味のないカードとして残り続けます。
(使い終わった忍法の処理というのはずっと忍法の課題だったのですが、落葉舞の②の効果がとうとうそれを解決してくれました。きちんと忍者のことをわかっている方がカードデザインしてくれたのだと思います。感謝しかありません)

以上が罠です。忍法の枚数バランスをだいぶ検討しましたが、現状は今の枚数で不自由なく回せています。

②エクストラデッキ

・<冑の忍者-櫓丸>(以下、ヤグラ)×3枚

自分ターンで出すのに1枚、相手ターンで出すのにもう1枚は必須。簡易融合を採用していないので3枚出すことはまれだが、リソース勝負の長期戦になった時など的確に盤面除去できるこのカードの存在は非常に大きい。忍者ネームというのも大きく、これ以外に除去として使いやすいカードもないため、3枚目も採用。ただ前述の通り、3枚使うことはまれなので、金謙のコストで1枚除外されることが多い。

・<戎の忍者-冥禪>(以下、メイゼン)×3枚

忍者の切り札にして革命児。攻めては、相手を無視して一気にライフを削り取り、守ってはデッキから忍者を呼んで妨害を構える。このカードのおかげでマスカレアストラムも6000アライバルも恐くない!
3枚使うことはあまりないが、メイゼンのダイレクトアタックが明確な勝ち筋である以上、3枚目がなくて勝てませんでしたということは是が非でも避けたいので、最大の3枚採用。

・<ギガンティック・スプライト>(以下、ギガンティック)×1枚

自身の先攻1ターン目、手札3枚使用、相手誘発がない際に展開する時のみ使用する。クロシープと忍者マスター SAIZOでエクシーズし、デッキから緑を呼び、スプライト・エルフの素材になる。使用用途が非常に限定的なため、ほとんど出てくることはない。すぐに金謙のコストとして除外される。
なお、展開方法については後述するためここでは割愛。

・<天霆號アーゼウス>(以下、アーゼウス)×1枚

万が一出番があるかもと採用して、その万が一がなかったカード。恐らく今後も出番はない(そもそもこのデッキでは出し方が限定的すぎる)。金謙のコストとして真っ先に除外される。
どうせ出番がないのなら、忍者デッキらしく、機甲忍者ブレード・ハートとの入れ替えを検討中。

・<クロシープ>×1枚

融合モンスターを出しやすい、ss時に効果を発動できるモンスターが多いという理由から、好相性。効果でHANZOを蘇生し、サーチしたミツやバクと合わせてヴァレルソード・ドラゴンを出す展開をよく行う。

・<スプライト・エルフ>(以下、エルフ)×1枚

1ターン目にメイゼン+αの盤面を構えられる場合に+αの要員として出す。2ターン目以降出すことはまれ。毎ターン墓地から緑を供給できるのは強力だが、出たターンにリンク素材にできないため、キルしたいターンにはクロシープより優先度が低くなりがち。初手でデュエル中出すかどうかが決まることが多いので、金謙のコストにしやすい1枚。

・<忍者マスター SAIZO>(以下、SAIZO)×2枚

維持すれば毎ターン忍法を供給できるが、主な使い道は1ターン目にメイゼン+忍法を準備する、中盤以降に即カナムグラにアクセスすることの2点。2枚使うことは多くないが、ヤグラ同様忍者ネーム持ちのため、2枚あっても困らない。相手の場に干渉するカードでもないので、流石に3枚は不要。

・<トロイメア・ユニコーン>(以下、ユニコーン)×1枚

アクセスコード・トーカーとのセット採用。忍者・忍法で処理しづらいカードを処理するのに使うことが多い。仮想カードは除外を封じる王宮の鉄壁や王家の眠る谷-ネクロバレー。逆にそれ以外のカードの処理は忍者・忍法でなんとかなることが多いので、案外出番は少ない。リンク4としてはヴァレルソード・ドラゴンを優先したいので、金謙のコストになりやすい。

・<アクセスコード・トーカー>(以下、アクセス)×1枚

ユニコーンとのセット採用。メイゼンの存在から、モンスターの除去にあまり労力をかけずに済むため、忍者・忍法では処理しきれない時ぐらいしか出さない。ユニコーン素材+カナムグラ装備の状態で攻撃力が5800になるので、メイゼンと合わせてワンキルすることも可能。
こちらもユニコーン同様出番は限られるので、金謙のコストになりやすい。

・<ヴァレルソード・ドラゴン>(以下、ヴァレソ)×1枚

終身名誉忍者。カナムグラを装備した状態でメイゼンと並べることで、2500+3500+3500=9500のダメージをあっという間にたたき出すことができる。クロシープのリンク先にメイゼンを出すだけでこの状態を作り出せることが多く、忍者の一番の勝ちパターンであるため、積極的に狙っていく。

以上がエクストラデッキです。ご覧の通り、だいぶ出すモンスターが限られています。それだけメイゼンが強力で、メイゼンに対する依存度が高いことがわかると思います。対戦相手の方は、間違っても浮幽さくらでメイゼンを除外することなどないようにしましょう。

③サイドデッキ

新環境が始まったばかりでメタも固まっていないと思うので、サイドデッキの説明は省きます。ニビルと三戦の号は一度も使えそうな機会がなかったので、別のカードに変えてもいいと思いました。

④不採用カード

採用を検討したが結局入らなかったカードや、忍者デッキなのに入らないの?といったカードについての不採用理由も説明しておきます。
※画像は省略します

・<隠れ里-忍法修練の地>
場待ちのよさ、忍者・忍法の回収効果からリソース勝負に非常に強く出れるようになるが、初動の安定に絡まないため、泣く泣く不採用。直前まで入っていた。

・<抹殺の指名者>
うららに弱いデッキであるため、採用圏内のカードではある。自分が40枚構築が好きで、他のカードを抜いてまで採用するカードではないと思ったため、不採用にしているだけ。

・月の書の類似効果カード(サン・アンド・ムーン、皆既月蝕の書、皆既日蝕の書)
<サン・アンド・ムーン>
自分の場にモンスターがいなければいけないのがネック。先に相手のモンスターを寝かせてからHANZOの効果発動に繋げたい。

<皆既月蝕の書>
手札コストが重い。
2体寝かせる必要がない。相手が2体以上いる場合、1枚を月の書で寝かせ落葉舞でリリース、残りを落葉舞から出したジオウで寝かせるのが基本。わざわざ反転召喚できる隙を与える必要はない。

<皆既日蝕の書>
相手を全て寝かせるのがジオウと相性最悪。エンドフェイズに表になるため、次のターンに落葉舞の対象にすることもできなくなる。

結局、シンプルな月の書が一番強くて使いやすい。

・<簡易融合>
忍者の嵩まし、後手の除去札としての使いやすさはあるが、初手で忍者がいない状況でこのカードだけ引いても腐る。安定感の低下に繋がるため不採用。

・<忍法 変化の術>、<忍法 超変化の術>
残念ながらこのカードでできることはほとんど落葉舞でできてしまう。忍者以外のモンスターも出せるとういう差別点もあるが、忍者デッキの宿命として、忍者以外のモンスターは事故の元になる(忍者はカテゴリー外の者に厳しい。唯一許されたのがフェンリルだった)。

・その他の忍者、忍法
残念ながら他のカードも現在の環境ではスペック不足。ただ、個々の効果(特に忍法)は面白いものを持っているので、環境次第では採用も検討できる。
例えば、デスフェニのようなモンスターが再び流行れば、妖変化にも活躍のチャンスが来ると思う。

6.動き方について

続いて忍者の動き方の説明をします。展開デッキではないので、どのように先攻制圧盤面を作るかなどといったわけではなく、どのように構えて相手を妨害していくかを先攻、後攻それぞれで説明します。

①先攻の動き方

1ターン目
メイゼン+忍法(分身or落葉舞)の盤面を目指す。
例え手札3枚使ったとしても目指します。この構えには手札3枚分以上の価値があります。

用意する忍法は可能であれば、分身のほうが好ましいです。
理由は下記の通り、分身のほうがより多くの妨害を相手に当てられるからです。

1.メイゼン+分身の場合
・メイゼン効果でジオウss
・メイゼンコストに分身からトバリ×2、ミツ、緑ss
・トバリ効果でトバリと緑でヤグラss
⇒ジオウ:2妨害、ミツ:1妨害、緑:1妨害、ヤグラ:1妨害
で計5妨害。ジオウの②の効果も使用すれば更に1妨害追加の計6妨害

2.メイゼン+落葉舞の場合
・メイゼン効果でジオウss
・落葉舞効果で相手リリースでトバリss
・トバリ効果でトバリとメイゼンでヤグラss
⇒ジオウ:2妨害、落葉舞:1妨害、ヤグラ:1妨害で計3妨害。

落葉舞にはメイゼンにうららをあてられてもジオウにアクセスできるというメリットはありますが、妨害数で言えば、分身に軍配が上がります。
せっかく先攻を取れたわけですから、最大妨害ができる盤面に構えるのがベターだと思います。
なお、月の書を引いている時は話が別で、その際は落葉舞セットでもよいです。

2ターン目
上に書いた妨害を相手の急所に当てる。

3ターン目
相手の残った盤面を処理しつつ、メイゼンでライフを削っていく。隙があればワンキルを狙う。

以降は2ターン目、3ターン目の繰り返しです。
2ターン目以降はさらっと書きましたが、ほんとにこれだけです。ここが非常に難しい部分ではあるのですが。
自分にできる妨害と相手が何をしてきそうかを考え、その時々で適切に妨害を当ててください。ここはただ練習あるのみです。

②後攻の動き方

1ターン目
相手の展開を眺めるor誘発があれば、当てられて辛そうなところに投げる。

2ターン目
相手の盤面を1枚1枚丁寧にはがしていく。手札が揃っており、隙があればワンキルする。

妨害手段はヤグラ、カナムグラ、緑が中心です。メイゼンを出した上で相手に効果を使わせて、ジオウを出すのもよいでしょう。
ミツの効果について、無効効果は後攻時は使いづらいので、ss効果から展開を伸ばす方面で使いましょう。

3ターン目
先攻時の2ターン目と同じ。4ターン目以降も同じ。

忍者・忍法には一対多交換ができるような派手な効果をしたカードは存在しません。罠から動くタイプのデッキであるため、そもそもが先攻寄りです。
それゆえ相手に先攻でがちがちに盤面を固められたら、それを返せるだけの力はないです。そこは認識しておきましょう。
ただし、上手くかつ適切に動けば、相手を捲ることも可能です。図らずとも今回のサイヤCSで私がそれを証明しています。
予選1回戦と決勝戦以外は全て後攻スタートでしたが、メイン戦は1本も落としていません。

ただ、、、
ここまで書いていて思いましたが、多分これでは動き方が伝わらないですね。。。
実際のところ、毎ターン毎ターン考えることが多く、その時々で動きが変わる(=正解パターンがない)ため、一般化するのが非常に難しい部分だと思います。
そこでですが、先日のサイヤCSの準決勝、決勝の対戦動画が近々アップされるので、その内容に沿って、私がデュエル中にどのように考えてプレイしているのかの解説記事を書こうかと思います。具体的な動き方についてはそちらから確認いただければと思います。

7.展開方法について

前章で先攻はメイゼン+忍法を構えるのがよいと書きましたが、手札次第では+αの盤面を構えることもできます。また、手札を3枚使用しますが、後攻ワンキルも可能です。覚えておいて損はないので、展開方法についても紹介しようと思います。

①先攻展開

先攻展開は基本となるメイゼン+忍法と、それの応用版のメイゼン+忍法+αの盤面の作り方の説明です。

1.HANZO+ミツ

一言
基本展開ですね。

2.HANZO+トバリ

一言
これも基本ですね。カゲロウの部分はバクをサーチしても同じ盤面になりますが、①次ターン以降バクをssすればHANZOが回収できる②早めにカゲロウを墓地に送れるというメリットがあるので、カゲロウサーチでよいでしょう。

3.HANZO+ミツ+緑

一言
シンプルな展開ですね。
応用になりますが、HANZOのサーチをイタンにすることで、別の妨害を構えられます。
相手ターンにエルフでミツ蘇生&イタン発動緑セットとすることで、ミツの無効効果を構えられます。
ただしこの展開は、忍法罠が構えられない&Gの止まりどころがないという欠点もあるので、やるかどうかは残り2枚の手札と相談です。

4.HANZO+ミツ+トバリ

一言
初手がミツではなく、カゲロウの場合でも成立します。その際はHANZOからミツをサーチしてください。このデッキ唯一のギガンティック登場ルートです。

5.HANZO+トバリ+緑

一言
バクのサルベージ効果をss時に使わず、緑の効果でリバースさせることにより、HANZOの回収を可能にしています。オシャレですねえ~。
ホントこんな展開誰が思いつくんですかね。

②後攻展開

後攻展開はワンキル展開のみです。手札3枚からしかできないので、相手に隙がある時に目指しましょう。
前提としてイタンが発動できる(=相手の場にカードがある)状態での展開になります。

1.HANZO+ミツ+緑

一言
先攻展開と最初の動き方が同じなので、わかりやすいですね。

2.HANZO+ミツ+トバリ

一言
先攻展開とは最初の動き方からして違います。同じ手札でもこうも展開が変わるなんて面白いですね。
カナムグラを使ってHANZOを回収するのはしびれますねえ。墓地にHANZOがいたら、ついつい回収したくなっちゃいますもんね。

3.HANZO+トバリ+緑

一言
こちらは先攻と同じような展開ですね。やっぱりイタンは書いてあることおかしいですね。

8.おわりに

いかがだったでしょうか?忍者のことはわかりましたでしょうか(不安)?
忍者は相当に難しいデッキです。自分で使っててもしょっちゅう頭を悩ませ、しょっちゅうミスします。
それに、使ってすぐ使いこなせるタイプのデッキでもないです(そこは修練あるのみです。頑張ってください)。
けれども、、、色々な動きができますし、まるでパズルを解くかのように頭を使ってプレイするので、使っていてとても楽しいデッキです。

忍者デッキの解説は以上になります。
この記事から忍者に興味を持ってくだされば、忍者使いとして嬉しい限りです。どうやら忍者パーツはあまり高くもないらしいので、興味のある方はぜひ一度握ってみてください。

それではこの辺で失礼します。
最後までお読みいただきありがとうございました。

おまけ

おまけとして、ニューロンの「お試し5枚ドロー」機能を使って出た手札から、先攻1ターン目にどういった考えからどういった盤面を形成するかを説明してこの記事を終わりたいと思います。
注意)手札厳選は行いません。連続5回で出た手札で判定します。

1回目

特に動けないですね。トバリを出して、カナムグラ以外を伏せてターンエンドします。もしかしたら、イタンから緑を出してトバリの融合効果を使うかもしれないので、トバリは攻撃表示で出します。イタンを使わなくても落葉舞でリリースしてジオウを出せば妨害可能なので、そこまで裏目はないでしょう。

2回目

ジオウを引いているのはマイナスですね。HANZOで分身をサーチからのミツとの融合で、メイゼン+忍法+α(イタン)ターンエンドです。
ミツにGをもらったら、そこで止まります(HANZO+ミツ+分身+イタン)。HANZOにうららを、ミツにGをもらったら、メイゼンまで出します(メイゼン+イタン)。
次のターンはスタンバイGでうららチェックですかね。Gが通ったら、2枚目のジオウを引いてしまう可能性もあるので、早めにメイゼンからジオウを出すかもしれません。

3回目

ジオウを引いているのはマイナスですね(こういうデッキなんです)。ミツ2体でSAIZOを出します。セットするのはカナムグラ。カナムグラ効果でミツを出し、SAIZOと2体でメイゼンを作ります。メイゼン+忍法の構えでターンエンドです。

4回目

素直にHANZOから召喚します。月の書があるのでサーチするのは落葉舞にします。墓穴があるので、うららは回避可能ですね。HANZOに泡影をくらったら、月の書で回避します。その時はサーチ先を分身にします。
仮に分身をサーチした場合、手札に緑があるので、出すモンスターはトバリ×2、ミツも考慮に入れます。

5回目

増援があるので、緑をサーチすれば、先攻3枚展開の動きができます。ただ、月の書もあるので、HANZOで落葉舞をサーチからのミツとの融合でメイゼン+忍法+αで充分でしょう。増援は次のターンに好きな戦士をサーチするのに使ったほうが有用そうです。

以上が、初手5回分の思考まとめです。7章で展開紹介などしてますが、ご覧の通り、先攻1ターン目に派手さなんてほとんどないことがよくわかると思います。
ではでは 

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