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風越亭半生と飯田弁

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#夜間中学

風越亭半生と飯田弁(Ⅰ)

   代打で凡ゴロと思いきや……の条
 私は、目下、地元長野県飯田地方の地域紙である南信州新聞において〈飯田弁〉にまつわる文章を連載中である。そうしたあれこれに触れるまえに、少々迂遠にはなるけれど、まずは「風越亭半生」を名乗ることになったいきさつについて話をしてみよう。私のなかでは、そうしたことがらは、みな繋がっているからである。
 飯田高校で同期だった地元の人たちが、毎年同年会を開いて来ている。

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風越亭半生と飯田弁(Ⅳ)

   風越亭半生が歩き始めた……の条
 二〇〇五(平成十七)年の六月二日――六月の最初の土曜日に「飯田ふるさと講談」が開かれて、私は風越亭半生を名乗って出演した。昼夜二回高座に上がって、飯田弁の漫談を演じたのであった。当日のプログラムにあっては、神田山陽の後を継いで講談協会の会長の任にあった神田紅と、預かり弟子の神田陽司という二人の本職の講談が据えられてあった。私の出演はというならば、もとより当然

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