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レコード夜話

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半生の レコード夜話

半生の レコード夜話



はじめに

 「レコード夜話」と題して、歌謡曲やらなにやらの歌曲にまつわる話を、少しずつ書きつけて行こうと思っています。

 文中で触れたレコードにあっては、そのジャケットの一部を掲出してみますので、併せてご覧いただき、往時を偲んでいただければと思います。

 補記 劈頭のレコードジャケットは、かつてNHKラジオで放送されていた番組のテーマ曲を、改めて録音した際のものです。

レコード夜話(第16夜)

レコード夜話(第16夜)

●ひとつ曲のなかに「きれい」と「美しい」との両方の語が使われてある曲として、「禁じられた恋」(森山良子)と「恋人たちの港」(天地真理)とを挙げて少しばかり云々してみたのでしたが、「危険なふたり」(沢田研二)にもあって、女性のことを「美し過ぎる」とか「きれいな顔」などと表現してあって違和感はありません。
 しかるに、三田明の「美しい十代」という曲にも、両方の語が使われてありました。タイトルに「美しい

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レコード夜話(第15夜)

レコード夜話(第15夜)

●中国や韓国から引き揚げて来た生徒たちから、疑問が寄せられていたのは「きれい」という語の使い回しに関してでした。日本に来て驚いたのは、以前に住んでいた中国や韓国とは違って、どこもかしこが〈きれい〉だと目に映じたことであり、またいたるところで「きれい」ということばを耳にする――といったことのようでした。
 中国では、我が家の前だけは掃除をする。掃除をするといっても、ゴミは隣の家の方へ押し出しておく。

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レコード夜話(第14夜)

レコード夜話(第14夜)

●また後戻りして、いま少し「日本語ノート」に関して記しておこうかと思います。

 手当たりしだいに歌謡曲を聞きながら、少しでも「これは使えそうだな」とか「ここを拾い出してみたらどうだろうか」などと思うような、日本語として取り上げるに足る観点が有るか無いかで以って、ジャケットを手にして歌詞をつぎつぎと点検してみていたのです。

 とはいっても、私が意を払っていたそんな用途のために詞を書くような作詞家

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