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天空と大地

お日様はありがたい。またこれなくして生命はない。生命はみな天空を指している。が、生命は同時に大地に根を下ろしている。大地にかかわりのない生命は、存在しない。

天はなんとなく恐るべき存在だが、大地は親しむべき存在に思える。大地はいくら踏んでも叩いても怒らない。生まれるのも大地からで死ねばそこに戻る。天はどうしても仰がなければならないし、自分を引き取ってもくれない。天は遠いが地は近い。

天空は死んだ屍を腐らす。醜い、汚らわしいものにする。が、大地はそんなものをことごとく受け入れて何の不平も言わない。かえってそれらを奇麗なものにして新しい生命の息を吹き返らせる。

決して私は天空を否定しているわけではない。天空と大地を比して大地のすばらしさを語りたいわけでもない。

どちらも互いにそれぞれの立場で私たちの生命を育んでくれている存在だと私は語りたいだけだ。でも少しだけ大地を贔屓にしているかもしれない。


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