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「ヤバい」マーケティングを活かしていく

■はじめに

本書は、東京大学で教壇に立つ著者が日頃の講義や生徒たちの研究結果をまとめた、【行動経済学】に関してまとめられた本です。

いわゆる、消費者である私たちは日ごろの経済活動の中で巧みに行動経済学に基づいて消費行動を行っています。

行動経済学とは名前の異なる”マーケティング”とも呼ばれており、マーケッター達はこの学問に基づいて市場を創っています。

認知心理学・社会心理学とも近しい、この学問を学ぶことにより直近で読了しているマーケティング関連本の知識を深めることになると感じ、本書を選定しています。

■自社のユーザーにとっっての心理的勘定を読み解く!

人は消費活動の中で、頭の中に銀行口座を描いています。

・娯楽に使う口座
・食費の口座
・交際費の口座
…etcなど人によって様々なカテゴリ分けがされています。

この心理的勘定を揺さぶるには次の4つのTPOを揺さぶる事が重要です。

1「贅沢品」
分かりやすい所で言いますと、自分へのご褒美や特別な日(結婚記念日や誕生日)のお祝い、金曜日のプレモルなどです。

上記は基本的に高価な買い物が想定されます。
加えて「長い目で見ると…」という訴求を加えるとより購買に繋がりやすくなります。

車などに使えそうです。またリスティングプラスの営業の際にも使える手段でもあります。

基本的に問い合わせを頂く際には、企業や個人にとっては「代行」を任せるという贅沢品の購入に近い状況です。
中長期的な視点で…という事で折角代行を任せるのであればアクセス解析もしましょう!と言った具合にキーワードマニアの提案にも繋がるかもしれません。

2「ギフト」
人→人に与える際には冒頭でお話をした、心理的勘定の紐を少し緩める事ができます。
心理的に誰かへのプレゼントで「制約・節約」しようとは思わないからです。

例えば、ワイン好きな友人がいます。ワインが趣味とは言え、普段は1000〜2000円のワインを嗜んでいます。
こういった方に5000円のワインは贅沢でしょう。
ですが、友人や家族から5000円のワインをプレゼントされる事も想定できます。
この様に、ある特定の趣味を楽しんでいる人もそれ以外のカテゴリからプレゼントが渡される場合も想定する事が大切です。
記念日などでは5000円のワインが動く市場が生み出されます。

3「ギャンブル」
宝くじなど、100か0かという部分でも人間は消費が働きます。

4「時間別口座」
家計の支出に関する口座です。
若い世代の夫婦は子育てで収入が少ない分、苦労しますが
将来的に稼げる様になる事を考える時に一時的には借金をする可能性がある事を現しています。
つまり、「今は金がなくても返せるあてがあるなら」思いもよらない支出がある可能性があります。
但しこれは生活のかかっている事・分野でしか起こりえないと言えます。

書籍に記載はなかったのですが、いつかの朝の研修でパーソナルトレーニングの月額1万円は高いか安いかといった話が出ました。

例えばお小遣い制で月に3万円という方がいれば1/3がパーソナルトレーニングで消えてしまう事を考えると「高い」と判断できます。

お小遣い制ではなく、独身で収入=自分のお金と考えた際には「安い」と感じられるかもしれません。

人によって脳内にある口座は異なるので、如何に別の所に使われている支出をこちら側へ引き出せるが鍵になります。

そう考えると、エンドユーザーが普段自社サービスを使う意外でどこで支出をしているのか?
その支出分を自社サービスの他の分野に宛てがう事はできないか?
考える事で売上を上げられるかもしれません。

それは僕達代理店にも言えることで、代行しか行っていない企業様には制作のコスト・SEOのコストなどリスプラサービスで賄える部分なないかを確認すると顧客単価アップの可能性が生まれるかもしれません。

■期待に応えろ!裏切るな!の認知的不協和

1泊…5万円のホテル
1泊…1万円のホテル

上記の様な値段設定では、当然の様に5万円のホテルの方が「良いサービス」を受けられる事でしょう。

しかし、自分が思っていた様なサービスが受けられなかったら?それは不満やクレームに繋がります。

反対に1泊1万円のホテルで想定以上のサービスを受けられたら?高評価の口コミやリピートに繋がると考えられます。

このように、価格に対しての期待感を持ったユーザーが抱く心理を認知的不協和と心理学では呼びます。

価格の高いサービスはそれ程高単価な方が呼び込めますが、下手をするとクレームなどに繋がるリスクもあります。

商品やサービスを提供する側は常に「顧客の期待」を超える必要があります。
仮に広告で売れたとしても、期待以下であれば二度と売れない、リピートがされないでしょう。

認知的不協和を発生させない努力も必要です。

・バーゲンセール
→普段は高価なモノが安価で手に入った。

・贅沢品
→自分へのご褒美

・人気NO.1 口コミ1位
→他の人が下したようにあなたの判断も正しい

・値引きやクーポン
→本来提供されている価格よりも安価で手に入った

・最低価格
→○○円が相場な所をその最低価格で提供している

など、購買後に過ぎる「後悔」を少しでも無くすための理由付けをしている事がわかります。

リスプラの代行サービスも年々求められている領域がひろがっているなと感じています。

以前は広告代行のみ…の領域でしたが…
直近ですと…

・ヒートマップ分析は当たり前
・アナリティクスの解析
・セールスフローの相談
・問い合わせフォームの改善
・CRMの整備・相談
・セミナー実施の際の動き
…etc
などが浮かびます。

なるべく営業の際にもあくまでも広告代行をやります。
という中で上記に挙げたサービスまで代行中に行う事ができれば「価値提供・創出」に繋がるに違いありません。

能ある鷹は爪を隠す…ではないですが、手の内を見せつけ過ぎるのは後々に不利益に繋がると思います。
他社などの代行"範囲"サービスを時にはリサーチしてみるのも良いかもしれません。

■繰り返しの大切さ、継続して顧客にラブアタック

単純接触効果と呼ばれる心理学用語は人は接する頻度が多い程その事象に愛着を湧かせるという意味合いがあります。
1968年にザイオンスという学者が提唱した考え方から「ザイオンス効果」とも呼ばれています。

時にマーケティングの現場のみならず、いわゆる恋愛における連絡でも「毎日だらだらとやり取りしていて急に連絡が無いと寂しい」というのはザイオンス効果を狙っての事だと言われています。

テレビCMや最近ではYouTubeの広告でも、「同じ様な広告」が何度も流れます。

また「利用可能性ヒュースリティック」を狙っているとも言えます。
これは、何かを想起する時に「ブランド」など頭の中で浮かぶ事・浮かばせる事を目的にさせる事です。

・炭酸飲料=コカ・コーラ
・洗剤=トップ
・ゲームメーカー=任天堂
・高級ブランド=ルイ・ヴィトン
などの様にです。

馴染みのある物は当然想起するのも早い=購買時の意思決定に反映されると言えます。

またニュースで大々的に飛行機事故など取り上げられた際にはついつい、飛行機を自粛しがちですが実際には自動車の死亡事故の方が確率は高かったりします。
直前に見た記憶したものが日々の行動にも現れます。
頻度×想起=認知広告の役目とも言えます。

確かに、長期休暇でアニメやドラマを見る際に1話…1話…と追っていくと自然と主題歌が入ってくるのはザイオンス効果のおかげ(?)なのかもしれません。

実は政治家の演説でも立候補者の名前を何度も連呼するのはヒューステリックやザイオンス効果を狙っての事でもあったりします。

反対に露出をして嫌われる場面も消費者にはあったりします。
東日本大震災時のACジャパンのCMは結構、不況を食らった様です。

だからこそ、Web広告では「フリークエンシー」の概念が存在するのかもしれません。

ともすると、運用している広告がフリークエンシーどれくらいまでならコンバージョンするか?まで見る事で効果を上げられるかも知れません。

■ラブアタック後のユーザーの動き

ザイオンス効果
利用可能性ヒューステリック
に加え「バーダーマインホフ現象」も関連する事象として触れます。

これはある事を意識した途端に関連する事象が周りで起こっていると錯覚する現象を指します。

分かりやすく日本語で例えますと、頻度接触とも言います。

初回接触×注意喚起
=興味を持つ
興味を満たす情報を無意識下で探していく為、
生活の周りがその興味事に溢れます。
実はこれを狙ったのがリマーケティング広告とも言われています。
化粧品などは購買→使用完了までに時間がかかるので、初回接触後捕まえられなかったユーザーがどこまで追いかけて購買するか?を検証する必要があります。

■顧客ロイヤリティの種別を理解して、心理的に惚れさせろ!

ロイヤリティ=忠誠心という意味です。

ビジネスではユーザーがある商品に思い入れがあって継続して購入や利用を続ける事を指します。

実はロイヤリティ…には大別して2種類存在します。

行動ロイヤリティ…
購買頻度が高く、購買金額が多い

心理ロイヤリティ…
商品への思い入れがあり且つ買い続ける

上記意外にも、習慣や惰性から毎回同じ商品やサービスを使う例もあります。
(歯磨き粉など…)

また買い続ける事でポイントやマイレージが貯まる…

スイッチングコストが高い場合なども継続して利用する場合が多いです。

今リスプラで代行を続けているお客様はロイヤリティが本当に高いのか?見極める必要があります。
また、スイッチングコストもある程度高くする必要はあるなと感じています。

その為にも二人三脚で数値の更新やコンセプトを作り上げる…などの行動が必要になるかと思います。
初回の6ヶ月で先方のビジネスにどれだけ寄り添えたか、
更新の際にリスプラが居なくなっては困る…と思わせる介入とサービス精神が重要になります。

■初めは焦らしても良いんだ!もっと先を知りたくなる…ツァイガルニク効果

記事LPやニュース見出しなどで見かける事の多い手法です。

簡潔に言いますと、敢えて「答えを言わない。」事です。

これは人は自分が達成した事象よりも、達成できなかった、中断している事柄の方が記憶に残りやすいという現象を指します。
1972年に発見した学者の名をとって「ツァイガルニク効果」と呼ばれています。

「続きはWebで!」
「CMの後!」などは典型事例です。

上記は単純ですが、潜在層向けの広告や冒頭でも挙げた記事LPなどの手法に使えそうです。

・クライアント様の持っているオウンドメディアの記事内容を抜粋
・LPで読了されている部分を広告文で隠して利用
…などクリック率の向上に使えそうなテクニックと言えます。

■まとめ

カタカナ用語が多く、理解に苦しみました。結論、言葉に惑わされてはいけません。
読んでいて「あ、そう言えば」という内容は大抵自分が1度は経験した事のある事象や心理状態でした。
僕らはWebマーケッターとして、日々媒体の機能を使う事に踊らされています。
実際には、古くからある行動経済学や心理学に則って広告を出せば更に改善できる部分はあるのかもしれません。
正に基礎的な知識…というものです。
言葉を知ると…
「この広告はツァイガルニク効果だな」と市場のトレンドや狙いがハッキリします。
すると自分事やクライアント様のビジネスに落とし込めたりと応用が効くので、自分自身の幅も広がります。
やはり、マーケティング=行動経済学=コピーライティングは横で繋がっている分野ではあると思うので関連本を読み解き、ノウハウを蓄積して参ります。

■具体的 TO DO

・クライアントへ種まき広告提案時、ザイオンス効果やヒューステリック効果など学術的な効果もあり且つデータを示して提案をする。
→基礎的な事ですがマーケティング視点での提案も必要だと感じました。

・自分の広告が行動経済学や心理学に則っているのか?考える
→何かしら引っかかる要素はあるかと思いますし、どの狙いがこのビジネスでは効果的か?を知る仕組みを作ります。

・ロイヤリティを高める
クライアントのビジネスへ深く入り込むため、早い段階でビジネスフローを理解し、
その部分へも提案を積極的にしていく。


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