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僕ら、マーケッターの旅路

■はじめに

『マーケティング・ジャーニー』と題された本書はコピーライティング及びダイレクト・マーケティングの立役者とも言える神田昌典氏の書籍です。

書籍の由来は、マーケッターと言う職種は唯一、年俸が年齢と共に上がっていく職業という所から来ています。

20代、はたまた40代とマーケッターの職種は年齢を重ねる毎に年俸が上がっていきます。その背景には経験がモノを言う職種という事実があります。

そんなマーケッターが歩む旅路をマーケティング用語「カスタマー・ジャーニー」に準えてマーケティング・ジャーニーと名付けたとの事でした。

マーケッターという職種は目の前に経済市場がある限りはいつの時代も必要とされる職種です。

仮に明日会社から解雇をされたとしても、自分1人で食べていける能力があるという最大の魅力があります。

またマーケッターは自分のノウハウ強化や市場の変化に対応する事でHEROの様に成長できる特徴もあります。
自分達がマーケッター人生として何を育むか…により自分の価値が変わると言っても過言はないでしょう。

成長という観点では、正にマーケティングにおいての経験や実績が出る事が第一ですが
本書では「マーケティングは人を成長させる。」
その様に説いています。

経営を行っている中でビジネスが軌道に乗ったとしても必ずぶつかるのが人との障壁です。

初めは利益を求めるものの、行く行くは自社の顧客の成長や社会貢献に目を向け始め、
ビジネス=金ではない壮大な夢へと変容していきます。
これは神田昌典氏曰く経営の共通点の様です。
つまり、マーケッターとしてマーケティング活動をして行くと自分の目的がはっきりし、そこへ向かおうと研鑽する事で成長に繋がると言う事実があります。

この話を聞いた際に、「自分はマーケッターなのか?」と問いかけました。

Web広告代理店にいる単なる運用者になっていないかと思ったからです。

専門領域を特化させる事は確かに重要と本書には描かれています。
ですが、運用に特化した所でその能力はAIなどの技術革新に取って変わられます。

その際に残せる自分の価値を考えると、今現場でタスクが忙しく手が回っていない…というのは非常に怖い事だと思いました。

上記の考えは本当に直近に入ってから感じており、ここ数ヶ月の選書がマーケティング本なのもそれがきっかけです。

■顧客の相談が自分を変えた

僕の抱えているクライアント様は基本的に店舗、それも治療院が多いです。

中には特殊な店舗もあり、クリニックなどあるのですが、その中でエクステ専門店のお客様がいます。

Web担当はおらず、やり取りは代取なのですが
その方は自分のビジネスをスケールさせる際に僕に相談をくださいます。

専門店のノウハウを美容室にschool形式で売りたい…そんなビジネスモデルの立ち上げを先方は考えています。

そこで話を聞いてみると、正直運用していた店舗集客の面とはかけ離れたものでして、最適な提案ができなかったのを覚えています。

マーケティングでいう手段(広告運用)しか担って来なかった事の弊害でした。

今、市場で求められているのはデジタルマーケティングを創造できる人間且つオンライン完結のビジネスモデルを組める人間だと思います。

コロナウイルスの影響により、オフラインイベントなどがこぞって、オンラインに参入し、
リード→ナーチャリング→オンラインセミナーの流れを構築しつつあります。

そうなった時に増える相談は「他社のオンラインセミナーってどのように運営されていますか?」です。

実際にこういった質問は多く、リスプラでのオンラインセミナーのやり方も聞かれています。

そんな時に管理画面の数値ではなく、顧客のビジネスに寄り添える話ができるのがマーケッターなのだと思います。

長くなりましたが、価値提供と漠然と考えるのではなく現場求められているの情報は何か?
先回りして提供する・その為の情報を集める事で真の関係性が作れるのだと考えに至りました。

■顧客の悩みは顧客は知らない

ヒアリング---
営業、コンサルワークで顧客の課題を知る際に必ず行う行動です。

市場、状況、過去や未来の展望を短時間で得られるメリットがあります。

しかし、現場で実際に聞くのは「特に…ないなあ…」という一言です。

競合を聞く→「特にない」
バックエンドの価格を聞く→「曖昧な答え」
先方主導プロジェクトの進捗を聞く→「予定が先延ばし」など…

実際には得られる情報が薄い事も殆どです。

その最大の理由は、本当ならば課題になり得るものも顧客にとっては当たり前として捉えているケースが多いからです。

僕らヒアリング側が成果を出す為のヒアリングをする為には顧客の「痛み」を知る事が重要です。

既存商品は既にある商品を改善して生まれていっている事実にもある通り、
現状の改善点を知る事で次のステージへ進む事ができます。

現場にもあるこの当たり前
例えばクライアント様への中間報告は本当に月半ばに必要なのか?
実は月一でも良いかも知れない、いやむしろ関係性構築の為に週次の方が良いのかも知れないといった当たり前を壊す思考が解決の糸口になる場面もあります。

書籍内では1つの事例としてろ過器メーカーの話が取り上げられていました。

某ろ過器メーカーは競合他社や価格競争に巻き込まれて商品が売れないという課題を抱えていました。

※食用油のろ過を目的とする機械

今後の展開を見据え、飲食店側にリサーチした所顧客になり得る飲食店は「安全性」を求めているとの事でした。
これは、終業後に油を管理するアルバイトなどが火傷をしない為の考慮になります。
そこで某メーカーは「ボタン1つでろ過できる。」点を安全性として打ち出した所、他を圧倒するマーケットを手にしました。

今までは価格競走から価格面や機能面を押し出していた所の逆転からの発想により、売上を伸ばしたケースです。
痛みの理解はヒアリング及びビジネスには欠かせない要素と言えるでしょう。

■運用者の気づきを与える重要性

リスティング広告を基本的に運用する弊社では、GoogleやYahoo!を用いた検索エンジンでの広告運用がメインになります。

日夜色んなキーワードで広告がクリックされ、不要ワードの除外など行う事がメインです。

実はこのキーワード達にも宝の山が眠っているのかもしれません。

本書では話が異なりますが、アナリティクスの事例が出ていました。

アナリティクスはWebサイトへ流入したキーワードや行動などリスティング広告の管理画面より詳細にわかるアクセス解析ツールになります。

Web担当は見ている場合もありますが、経営者でキーワードまで細かく見ている人はそこまで多くないでしょう。

実は需要獲得の宝の山でもあったりします。

ある有名なペンションでは、口コミなどの施策でWeb広告など全く行っていなかったのですが、今後を見込んで導入を始めました。

アナリティクスを見てみると自社で強みと思っていたドッグランのできる広大な土地や提供する食事よりも多く検索されているワードがある事が発覚…そのワードは「星空」でした。

広大な土地は実は夜になると満点の星空の広がる絶景スポット、当のペンション管理人は「日常過ぎて」気づかなかったとの事。

以後Webサイトも星空に特化したコンテンツやペンションとしてのイベント開催なとで更に売上が増すこととなりました。

キーワード1つとっても可能性は無限大です。そこをスルーしてしまっているのは、僕らが運用者になってしまっているからだと思います。
相手のビジネスに興味が持てれば、キーワードから連想できる気づきも幅が広がると思いました。

■ビジネス成功の関係性構築とは

リスト取得単価が3000円だとします。
セミナーへの誘致率が5%の場合は60000円、個別面談への引き上げ率が10%の場合はそこから更に600000円のコストがかかる計算になります。

しかし間のセミナー誘致率を10%にできるだけで最終的なコストは300000円にまで削減する事ができます。

つまりコスト削減の労力を誘致や引き上げの際の行動で解決しようとします。

メールフォロー、ハガキ…
対応方法は様々ですが、1番のアプローチは電話にあります。

有名な話でリード獲得後30分以内の電話と以後の電話での反応率は100倍ほど違うと言われています。

良くある話がMAツール導入による、案内ですが1番古風な手法が反応を未だに獲得する様です。

以前は米国でもAIに取って代わられる職種としてテレアポを挙げていたものの、同国では真逆のテレアポ舞台の争奪戦が起きている様です。
重要な部分に関しては対人という考えは根強いという結果になっています。

理由としては、30分以内の反応ならば顧客も自社サービスが印象づいているという単純な理由です。

確かに僕も無視域に問い合わせがあった際には目の前の業務を停止してでも電話をしています。
実は理にかなった行動だったとわかりました。

また受注した後やサービス利用後のフォローアップでも電話は効果的です。

ある企業はサービス利用の際にログインが必要なサービスを提供していたのですが、解約率が高いという状況でした。

実はサービス開始しても使い方が分からずに殆どログインせずに解約…というケースが多発していました。

そこで受注→契約後、フォローアップのメールと電話のアポを取り付ける事で解約は防げたとの事でした。

加えて社名を入れたマグカップを贈呈、これは単に記念品でなく日頃から使ってもらう事でサービスを日常に感じてもらう狙いがあったとの事です。

僕らの業務に置き換えてみると、リテラシーが低い方に価値が伝わっていない場面も実はあるのでは?と思いました。

広告配信間もないタイミングや初めてのコンバージョンのタイミングでは感動を電話で分かち合うなどして寄り添う事で契約更新の率や解約率が改善されるのかもしれません。

■逆算してこそ売れる

未来を魅せる。

営業の際には相手をワクワクさせて受注なんて話をよく聞きます。

結論、ワクワクさせれば長々しい商品説明などは要らないのです。

元々自動車ディーラーとして財をなしていた企業はとある課題を抱えていました。

自社商品の即売却、これが起きる要因に
・夫が自分の趣味で選んだ
・子供が生まれるのに適しているスペックじゃない
などの理由がありました。

自社商品が売れてさえしまえば良いかも知れませんが、正しいサービスを提供できなかったのかと後ろ髪を引かれるのも事実です。

ディーラーはスタンスを変えました。未来を語る事です。

・どの様な場面で使うのか
・どの様に家族で使うのか
そう言った部分のヒアリングから最適な車を提案しました。

これは顧客の欲しい物ではなく、顧客に必要な物を売った事例です。

相手が欲しい物であれば当然成約率は上がります。
現場でも「○○の媒体に興味がある。」などと話が入れば高確率で受注ができます。
体力がある相手なら良いですが、仮にステージが異なるお客様にもMAツールやオウンドメディアを提供するのか…?
これは疑問になります。

それよりも相手方のステージから提案内容を変えてあくまでも必要なものを提供するスタンスが長期的な関係性を気づくのには必要になります。

最近になり、会社のサービスを見直していると実はこのサービスがこのクライアントに必要なんじゃ…と思う場面が多々あります。

少し前に記載した相手の痛みを知る事で痛みに入れるべきメスが見つかります。

相手に必要な部分と痛みを掛け合わせる事で双方が本当の意味でwin-winな営業活動に望めると言えます。

■まとめ


本書には他にも様々な事例が並んでいました。
その中でも例によって現場にすぐ様落とし込める気づきをアウトプットしました。

総評して、自分達が顧客へどれだけ価値提供のできるマーケッターで居られるかが重要かと思います。

会社で固定費を削減する話になり、僕らも気をつけろという共有がありました。

逆にそこで切られてしまうようなら、「固定費」や「外注」としての見られ方としかされていなかったのだと思います。

広告運用は「最悪なくても良い」けれどもマーケッターは「自社に必須」という立場になれなければ不況の時代に苦労するのは自分達でもあります。

今その関係性が見直されようとしてる中でまだ関係性構築を取り戻せる時間はあると思います。
そこは営業のコミュニケーション能力に頼るのではなく、僕らがマーケッターとして寄り添う姿勢が最重要かと思いました。

■具体的 TO DO


・クライアントへの価値提供の為に情報感度を上げる。
※今で言うならオンライン完結のビジネスモデルやフローなどを仕入れる。

・クライアントへのヒアリングは痛みを理解し、業界の当たり前を覆す様にする。
→業界の課題やあるあるネタを仕入れる。

・まだまだ世の中は電話が1番関係性構築ができる
→10のメールより10分の電話

・逆算 逆算 逆算で提案を行う




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