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勇者様が、教師に転職⁉

第一話 勇者様転生

魔王城で勇者と魔王が対面してる場面。
「ハーハハハハ!勇者よ、よくここまで来たな!」「魔王!ここでお前を倒す!」
勇者と魔王が激突した。両者の力がぶつかった衝撃で次元が歪み異次元の渦に二人は、のみこまれた。
目を覚ました勇者。
「うっうん〜」「何処だここは?」
勇者は辺りを見渡した。
「魔王は?何処だ?」
そこに買い物途中の女性教職員の佐藤かや。
「あのー、大丈夫ですか?」(何この人?コスプレイヤー?)
「貴様!何者だ!」「はっ!もしや魔王の手先の者か!」
キョトンとする佐藤。
(魔王?友達のことかな?)「此処には居なかったけど、それよりあなた大丈夫?傷だらけだけど。」
「この程度薬草を塗っておけば平気だ。」
と言いながらその辺の草をむしって石ですり潰す。
「いやいや!そんなんで治るわけあるか!」
「取り敢えず私の家で手当てしてあげるから、ついて来て。」
警戒をしながらついて行く勇者。
(・・・)
しばらく歩くと佐藤の家に着く。
「此処が私の家よ。」「さぁ入って。」
「おう。」
入って直ぐ玄関近くの花瓶を割る勇者。
“バリーン”
「何してるの⁉︎」
仰天する佐藤。
「え?いや、中に何か入ってないか調べる為に・・・」
「割ることないでしょ!」「この花瓶お気に入りだったのに。」
割れた花瓶を涙目になりながら、見つめる佐藤。
“スーッガサガサ”
物音が居間から聞こえる。慌てる佐藤。
「何してるの?」
引き出しの中を物色する勇者。
「アイテムがないか、探してる。」
「勝手に開けるな‼︎」
激怒する佐藤。
「そこに座って!治療するから!」
「お前教会の者か?」
「違うわよ。私は、教員よ。」
「ほう、教員か。俺もよくしごかれたものだ。」
昔の記憶を思い出す勇者。
「あなたは、仕事は何してるの?」
勇者に質問する佐藤。
「見ての通り勇者だ!」
誇らしげに自慢する勇者。
「へー・・・」
怪しげに勇者を見る佐藤。
「お前・・・信じてないな。」
「いや、勇者でどうやって食べていけるのかなぁと思っただけ。」
勇者に冷やかな眼差しを向ける佐藤。
「ふっ、そんなもんも知らんのか。」「モンスターを倒せば、ゼニーが貰えるだろ。」
「モンスターなんかいねーよ。」
「・・・」「いや、モンスターが居なくても村人の家に入ってゼニーを探せば良かろう。」
「犯罪だぞ、それ。」
「・・・」「いやいや、まだ村人の依頼があるから。」
「お前みたいな怪しい奴に誰が仕事の依頼するのよ。」
「・・・」「じぁ、勇者って何なんだよ!」
「俺は、勇者なんだぞ!偉いんだぞ!」
涙目になる勇者。
(知らねーよ。)
呆れる佐藤。
「こうなったら。」
決意を決めた顔をする勇者。
(?)
キョトンとする佐藤。
「転職しよ!」


第二話に続く

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