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【中医学】 肝のはたらきについて

こんにちは
今日は肝のはたらきについてまとめていきます。レバニラって美味しいですよね。町中華に行けばレバニラかカシューナッツ炒めのどちらかを頼むのが基本です。

肝臓ではタンパクの合成であったり、栄養の貯蔵、分解解毒などの作用があります。では中医学の考えはどうなのでしょうか?みていきましょう。

肝のはたらき

1)疏泄を受け持つ

そもそも疏泄とは何か?それは通りを良くしたり、上昇、下降、発散などをひとまとめにした言葉です。疏泄が気血水に与える影響についてまとめます。

①気の流れ:
臓腑、経絡、器官などがちゃんと働くためには、肝の疏泄が正常でないといけません。疏泄のはたらきに問題が起こると気の流れに悪い影響を与えます。

【病んでいる状態】
疏泄のはたらきが弱り、気の流れが滞る(疏泄の不足)
 症状⇒胸部、脇、脇腹などが張る、痛む
疏泄のはたらきが強まり、気が上昇しすぎてしまう(疏泄の過剰)
 症状⇒頭痛、眼の脹痛、耳鳴り、怒りっぽいなど

②血の流れ:
中医学では、気が血を流すと言われています。気が流れるから血も流れます。そのため疏泄の異常は気だけではなく、血にも影響を与えます。

【病んでいる状態】
気が滞り、血の滞りを生む(疏泄の不足)
 症状⇒胸部、脇、脇腹などの刺痛、腫瘍、月経の異常など
過剰な気の上昇が、血の上昇をまねく(疏泄の過剰)
 症状⇒吐血、喀血、鼻出血、眼が充血する、顔が赤くなるなど

③水の流れ:
また中医学では水を流すのも気だとされています。気が流れるから水も流れます。そのため、疏泄の異常は気、血、水すべてに影響を与えるんですよね。

【病んでいる状態】
気の滞りが水の停滞をまねく(疏泄の不足)
 症状⇒浮腫み、腹水など

※鍼灸治療を行う場合などの注意事項です。
肝の疏泄が滞っている場合、肝の気を通すツボに鍼をすれば良いわけでは有りません。疏泄の滞りが肝血の不足によるものであればまずは肝血の不足を補うことが優先になります。

2)血の貯蔵や、血流の調整を受け持つ

つまり肝には「血を貯蔵する」はたらきと「血流を調整する」はたらきがあるということです。肝は各臓器に血を送ったり、足りない部分に送ったりします。また、情緒の変化や季節によっても血の調整は変化します。

【病んでいる状態】
肝の貯蔵している血が不足し、各部分に必要な量を送れない
 症状⇒目が乾燥する、夜盲症、筋肉が痙攣する、四肢の麻痺、月経の量が減るなど

肝と怒り

また肝臓とつながる感情は怒りなんですね。なぜなら気や血を逆上(上に向かって爆発)させる作用があると考えられているからです。肝気が逆上するとどんな症状になるのでしょうか?

【病んでいる状態】
怒りによって肝気が逆上する
 症状⇒顔や目が赤くなる、頭痛、血を吐く、突発性の難聴など

また臨床上大事になってくるのが筋との関係です。

肝と筋、爪、目

肝はこれらとも深く関係しています。肝血の栄養を必要としています。逆に筋に血が送られてこないと正常に運動をすることができなくなっていまいます。筋同様にも栄養を必要としています。は肝経を通して肝と繋がっています。目が正常であるためには肝から送られてくる気血は欠かせません。

【病んでいる状態】
肝の血が不足し、筋は十分な栄養をもらえない
 症状⇒四肢がしびれる、屈伸運動がスムーズにできない、手足の震えや痙攣など
肝の血が不足し、爪は十分な栄養をもらえない
 
症状⇒爪は薄く弱く艶がない、変形や割れたりするなど
肝の血が不足する
 
症状⇒夜盲症、物がはっきり見えないなど
肝に生じた火が上部へ影響する
 
症状⇒目が充血する、眼が腫れて痛むなど
肝や胆に湿熱が生じる
 
症状⇒目が黄色くなる

羽ばたき振戦とかって肝性脳症が原因だったりしますよね。昔の人はわかっていたんでしょうか?やっぱりすごいです。人を観察する力がずば抜けていたんでしょうかね。



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