Charlotte


何から話せばいいのかしら

私の前に座る警察官は至極呆れて居た。
自分が何をしたかわかっているのか、残された子供はどうするんだ、未遂にしても初犯にしても反省が無いなら守ることも出来ないとかなんとか捲し立てる様にため息を吐く様に言われた。

心残りは確かに残して来てしまった可愛い可愛いあの子のことでしかない。
まだ片手にも満たない歳で私が大好きで拙い言葉で笑って居てくれる可愛い子、寝る時には大好きなタオルを握っているかしら、私の事を考えて居てくれるかしら、もう、会えないのかも、しれないけれど、、、それだけは本当にごめんなさい

気付いたら目の前には太腿から血を流してベッドで何とも言えない顔をした夫が居た
子供はまだ預けて居たから居なくて、休みを満喫して寝老けて居る彼を刺してしまったの。
何が発端でも無いのよ、何から何まで貴方がいいようにして、不機嫌な日には気を遣って貴方のセラーには大好きなお酒で満たして、夕飯には貴方の嫌いなセロリは外して、洗濯はラックに閉まって、貴方の私を見る自分は決して悪く無いと言う世界に私はただ住み続けて居たの。

それだけのはなし

子供には大好きなジュースを毎日買って、貴方にはチョコレートを買って、最近私が自分に買ったのは頭痛薬

ストレスなのか疲れなのかわからない元々大きくない私の器はなんだかいつも満タンに溢れて居る様で何度キッチンで自分に包丁を向けたかわからない
気付いたら可愛い子の首に手をかけて居た日だって数えれない

この世界が現実なのに眠って起きたら悪夢だったと友達に笑って話すんじゃないかって夢見て居たら、もう、わからなくなってたわ


私の名前は小さくて可愛い女の子って意味もあるのよ、笑っちゃう
私の中に居た素直で頑張り屋さんで健気な女の子はいつの間にか、いつからか、こんなに、感情を、出すのが、、、



小さな女の子って名前では呼ばれなくなり、可愛いあの子がいまどのくらい喋れる様になったのかもよく知らされないまま、今日も狭い世界で暖かい季節に触れて居る



    ママ、起きて
アラームが鳴ったのにも気付かず可愛い子が私を譲る

    おなかすいた、昨日のパンまだあるでしょ
平日の朝、いつもの朝

、、そうね、今日はパンにしましょ
何だかいつもより深く寝た気がする



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