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1日10分の免疫学

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「エッセンシャル免疫学第3版」の公開型自主勉のまとめ。
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記事一覧

1日15分の免疫学(1)基礎①

1日15分の免疫学(1)基礎①

今回から、公開型自主勉するのは「Janeway’s免疫生物学原著9版」です。
900ページ級になったので、自主勉記録のタイトルは「1日15分の免疫学」に変更します。

推し細胞に関する最新論文やニュースも英文を難なく読めるようになりたいので、原著も購入。

Janeway's免疫生物学「よろしく」
大林「よろしくお願いします!『エッセンシャル免疫学』より分厚い…!」
Amazon「免疫学の基礎から

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1日10分の免疫学(73)がんと免疫⑤

1日10分の免疫学(73)がんと免疫⑤

γδ型T細胞とがん治療本「γδ型T細胞には、がんに対する免疫応答を高める特徴が2つある」
大林「おっ、γδ型T細胞の活躍エピソード?!」
本「1つめ。γδ型T細胞が多様な組み合わせの受容体を発現し、悪性細胞と正常細胞を識別して反応できる(p344を見よ)」
大林「復習必須か、よしきた!」

◆復習
αβ型T細胞とγδ型T細胞は、発生学的な起源は同じだが重要な差異がある。

αβ型T細胞は、厳格な正

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1日10分の免疫学(72)がんと免疫④

がんに対する免疫応答はなかなか誘導できない本「腫瘍細胞を殺傷する免疫応答なかなか誘導できない」
大林「適応免疫は強力ゆえに、発動条件が厳しい!人為的に誘導しようとしても簡単には動いてくれない……流石は推しだ」

本「最初に発見されたCT抗原は、黒色腫に対する細胞傷害性T細胞の標的分子。MEGA(melanoma antigen encoding)-A1,MEGA-A3と名付けられた」

◆復習メモ

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1日10分の免疫学(71)がんと免疫③

1日10分の免疫学(71)がんと免疫③

腫瘍は免疫応答を逃れ、免疫応答を操作する本「腫瘍は免疫応答から逃れたり、免疫応答を操作したりする」
大林「それ詳しく知りたいです!」
本「腫瘍抗原の発現が減少したり、エピトープが変異したりした変異腫瘍細胞は、エフェクターT細胞や抗体から逃れる」
大林「変異による回避か……」

◆復習メモ
自然免疫応答は「非特異的」、適応免疫応答は「特異的」に機能する。
適応免疫を担うのは、T細胞とB細胞。
T細胞

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1日10分の免疫学(70)がんと免疫②

1日10分の免疫学(70)がんと免疫②

ウイルス感染とがんの相違点本「ウイルス感染とがんには重要な相違点があります。感染と比較するとがんに対する免疫応答の速さが異なる」
大林「えっ、速いの?遅いの?」
本「粘膜では、局所にいる微生物集団に対する持続的な免疫応答があるため、病原体の侵入に対し自然免疫と適応免疫は直ちに活性化される」
大林「あぁ、粘膜では普段から微生物集団で刺激されてるから準備運動はできてるわけね」

本「他の組織でも、感染

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1日10分の免疫学(69)がんと免疫①

1日10分の免疫学(69)がんと免疫①

第17章 がんと免疫系の相互作用大林「相互作用……?」
本「がんは、浸潤性をもつ異常な細胞増殖により生命に危険を及ぼす多種多様な疾患の総称。先進国の死因の20%を占め、がん患者の多くは高齢者である」
大林「やはり免疫系の老化が大きいのかな」
◆メモ
Immunosenescence 免疫老化
https://www.jcancer.org/v10p3021.htm

本「正常細胞の内部機構が、破綻

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1日10分の免疫学(68)自己免疫疾患④

1日10分の免疫学(68)自己免疫疾患④

胸腺とT細胞の老化は自己免疫に関与する本「胸腺やT細胞集団の老化は自己免疫に関与する」
大林「あっ、それはとても知りたいです!」
本「自己免疫疾患の防止のために、T細胞の免疫寛容の維持は重要である」
大林「なのに胸腺の退縮が早いんですよね……容赦ない世代交代」
本「胸腺の退縮は、生後すぐに始まると言われている」
大林「NHKスペシャル人体で言ってたのより早い!」

↓大林の人生を大きく変えた番組

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1日10分の免疫学(67)自己免疫疾患③

1日10分の免疫学(67)自己免疫疾患③

免疫応答の副作用で起こる自己免疫疾患本「自己免疫疾患は、感染に対する免疫応答の副作用として現れることもある」
大林「どういうこと?」
本「自己免疫疾患の研究のために、実験動物に自己抗原を注射しても、それだけでは自己免疫応答は起きない。注射部位に炎症を起こす微生物産物と自己成分を混合すると自己免疫が確実に起きる」
大林「ほぉ~、その結果から、自己免疫疾患は本来の免疫応答が引き金になっていると推測され

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1日10分の免疫学(66)自己免疫疾患②

1日10分の免疫学(66)自己免疫疾患②

分子内エピトープ拡大について本「尋常性天疱瘡とその軽症型である落葉性天疱瘡がある。これらは皮膚の水泡が特徴の自己免疫疾患で、後者はブラジルの一部の地方の風土病である」
大林「…天疱瘡…てんぽうそう?」
本「この病気の原因はデスモグレインに特異的なIgGで、抗体反応は特定パターンで変化する」
大林「ん?抗体反応が変化とは?」
本「当初、ある抗原分子の一部分のエピトープに対する免疫応答が、その後に同一

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1日10分の免疫学(65)自己免疫疾患①

1日10分の免疫学(65)自己免疫疾患①

第16章 適応免疫応答による正常組織の破壊大林「第13章で生体防御機構の破綻やったよね?それとはまた別個に章を用意するのか……適応免疫ということは……推しのT細胞の話だ!」
本「適応免疫応答が正常な細胞や組織に向かって引き起こされる自己免疫疾患autoimmune diseaseについて説明します」

本「多くの自己免疫疾患では発症頻度に性差があり、女性に多い」
大林「ループスに関するドキュメンタ

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1日10分の免疫学(1)免疫とは?

1日10分の免疫学(1)免疫とは?

私の推しはT細胞と刑法です。
彼らの魅力を布教すべく、比較的受け入れやすい「擬人化漫画」にして推し活を始め、10年以上が経過しました。
が、推しを推すためにはもっと知識が欲しい……
そしてトンデモ情報に騙されてしまう人を一人でいいから減らしたい。知ってよりよく生きてほしい。
推しのために。

前回のnoteで「休み時間の免疫学(第3版)」公開自主勉の最終回を迎えました。なんで自主勉を公開するかって

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1日10分の免疫学(2)免疫の概略

1日10分の免疫学(2)免疫の概略

~自然免疫応答について~本「自然免疫応答は2つの段階に分けられる。まず、受容体を介しての病原体の認識」
大林「Toll様受容体(TLR:Toll like receptor)のことですかね。長い年月を経て獲得した、ウイルス等を感知するセンサー!」
本「次に、認識した病原体を排除するエフェクター機構が誘導される。このエフェクター機構は、自然免疫の細胞と、補体と呼ばれる血漿タンパク質が担っている」

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1日10分の免疫学(3)リンパの話

1日10分の免疫学(3)リンパの話

~リンパについて~本「リンパ球の大部分はリンパ組織に存在します」
大林「だからリンパ球と呼ばれる」
★留意★
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)も分類はリンパ球ですが、下記の通り、リンパと血液の「両方」を循環するのはB細胞とT細胞だけです

本「リンパ組織は機能で2つに分けることができ、一次リンパ組織(中枢リンパ組織)はリンパ球が病原体に反応できる段階まで分化成熟する場所」
大林「骨髄と胸腺ですね!

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1日10分の免疫学(4)入口のまとめ

1日10分の免疫学(4)入口のまとめ

第1章免疫系の構成要素と生体防御における役割
★まとめ★長い進化の過程で、微生物の侵入形態・程度・部位等に応じ、多くの防御機構を進化させてきた。

【防御 第一段階】皮膚や粘膜は、微生物を最初に遮断する物理的・化学的な障壁として機能する。

【防御 第二段階~自然免疫~】微生物が皮膚や粘膜を突破し、軟部組織に到達すると、免疫系がその存在を認識して破壊する。
最初に応答する免疫系(自然免疫innat

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