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メルボルン・ヴィクトリー シーズン2020/21選手名鑑(みたいな何か)

色々あって再開することとなったACL、そのグループステージの続きを戦いにAリーグの新シーズンより早く動き出すメルボルン・ヴィクトリー。遠征前にやっと選手が揃い現地で初戦に臨んでいます。
前シーズンの結果はもう過去のこととして言及しませんがシーズン中断の間に選手が何人か去り、シーズン再開後の数試合を通じて土台を作り始めてから新体制になるとともにさらに選手の入れ替わりがありました。

ということで自分にとっての情報整頓も含めどんな選手達が揃っているのかまとめて選手名鑑といえるかどうかわからないものにしてみました。前述通り新加入の選手が多いですしプレーに関して詳しいことは書けないのですがまた違う部分で面白い話がちょこちょこあるのでそういう読み物として。背番号は現地到着時点で分かっている限り、そして一部トップチームでデビューしてないユースの選手はカバーできてません。選手の呼び方に一貫性がないのは仕様です。

ゴールキーパー

1. Matt Acton(28歳、184cm AUS)
長らくセカンドキーパーとして忍耐強く出番を待っていたActonさん。前シーズンの再開後&そのさらに前のシーズン共に急に出番が来た場合にもファインプレーやミラクルプレーを見せてくれたので今シーズンこそヴィクトリーの1番として日の目を見て欲しいと願っていますが下記の通り激しい競争が待っているようです。

20. Max Crocombe(27歳、193cm NZL)
ヴィクトリーに来る前はブリスベン所属。シーズン始めには出番があったようですがブリスベンの正GKはものすごい人でその壁はとうとう超えられず。新天地での正GKの座、さらに正GKが引退したNZ代表を見据えて相当燃えているはず。シンプルに体格だけでもActonさんより恵まれているしかなり競争は激しくなりそう。

ディフェンダー

2. Storm Roux(27歳、181cm NZL)
ニュージーランド代表右サイドバック。でも前シーズンは3バックの右のセンターバックとしての起用もたびたびありました。できないことはないんですがやっぱり前に出ないStormyは勿体ないので新体制では積極的に攻撃参加するのが見たいです。それでもざっと今の面々(の身長)を見たところ高さを求められる場面も少なからずあるかな。

3. Adama Traore(30歳、170cm CIV)
コートジボワール出身の左サイドバック(オーストラリアでのプレー経験は長い)。同姓同名のスペイン代表選手ほどムキムキではないですが太ももがすごい。守備も含めて安心感がある存在で、パワー・スピード・小回りなどプレーの印象が総じて小型のトラック。同時に味方とのコミュニケーションにも強みあり。

4. Nick Ansell(26歳、190cm AUS)
ヴィクトリーの年上組ではちょっと珍しいユース上がりのセンターバック。以前本田選手に譲った背番号4を再び付けることになりました。K2リーグから帰ってきて今度はリーダーとしての役割を求められているそう。数年前にアトレティコ・マドリードとの親善試合で(マドリーのサポーターとしてどこか既視感のある)ヘディングゴールを決めた振り返り動画が流れてきたのでセットプレーでも期待。

15. Aaron Anderson(20歳、184cm AUS)
前シーズンの再開とともにユースからトップチームに上がってきた若手センターバック。相手にAリーグ屈指の前線がいるいきなりハードモードの初戦ではさすがにひやっとしたところもありましたが2戦目からは相当の落ち着きとともにビルドアップなどで良いプレーを見せてくれました。継続して出場してさらに伸ばしていけるか。

Dylan Ryan(20歳、184cm AUS)
オリンピック予選トーナメント全試合フルで戦ったセンターバック。オランダからメルボルン・ヴィクトリーにレンタルで加入しています。海外に若くからいるだけあって五輪予選でも概ね安定した活躍でした。おそらくアーロンと競争する構造になると思われますが隣との相性も含めどうなるかは未知数。ちなみに五輪代表などで一緒のFolami君やリバプールユースで一緒だったBrimmer君とはすでに知り合いだそう。

38. So Nishikawa(19歳、JPN)
ヴィクトリーユース出身の左サイドバック。今年帰化したそうですが各所に出生地は日本とあります。ヴィクトリーは前述トラオレさんが以前移籍してから後継者がなかなか見つからない問題に悩んでいましたが(結局戻ってきました)再開後の短い時間でのプレー(特に守備面の安心感)を見る限りトラオレさんを大事に使いながらニシカワ君にも出番を与えていくことでなんとかならないかな?とちょっと希望があります。

ミッドフィールダー

6. Leigh Broxham(32歳、169cm AUS)
クラブ創立初期はkitmanとして、そこから選手として起用されるようになり在籍もうすぐ15年のベテラン(Aリーグにおいて一つのクラブで300試合以上出場している唯一の選手)。DMF・CB・両SBなどこなせる多才さとタフさとリーダー基質でチームには欠かせない存在。やはり本職のDMFでの起用が基本と思われますが個人的にセンターバックで活躍するBroxyの姿も捨てがたい。そして三つ子の父親。(他にも色々ありますがここでは文字数が足りないのでまた別の機会にもっと詳しく書きたいです)

7. Callum McManaman(29歳、174cm ENG)
イギリスはルートン・タウンから移籍してきた助っ人ウィンガー。イギリス第2部あたりで有名な選手で、普段はAリーグ周りに関してあまり言及がないACL公式まで加入時にツイートしていたことからも相当期待の補強らしいです。ちなみに初海外移籍だそうですがメルボルンに到着してからいきなり30℃→19℃とメルボルンの天気の洗礼を受けた様子。

13. Birkan Kirdar(18歳、176cm AUS)
前シーズン再開後にチームに多大な影響を与えた若い選手。いわゆる「10番」のポジションでプレーのうまさだけでなくがむしゃらさとパッションがある動きに私もちょっと惚れました。もっと見てみたいしまだまだ伸びる。その一方で中断期間のチームメイトに関する質問企画では名前が色んな項目に頻繁に挙がっててなかなか面白いキャラクターでもあるようです。

14. Jay Barnett(19歳、179cm AUS)
ブリスベンから来た若手DMFで公認ファンアカウント曰く外見は「ダヴィド・ルイスとモドリッチの合いの子」。シーズンを通して比較的起用が多い若手でしたが特に再開後のプレーでは速いワンタッチでのショートパス回しが印象的。Broxyの隣だとプレースタイルが違う選手同士相性が良いようでしたが新しい体制ではどうなるか。

16. Brandon Lauton(20歳、178cm AUS)
同じVIC州でも郊外のバララットで見出された若いDMF。JayがパスならBrandonはドリブルのイメージ。プロでサッカーをやる傍らメルボルン大学の生物医学科に在学中(パートタイムで学業を進めています)というちょっと変わったキャリアパスを進んでいるそうです。DMFとは言いましたがちょこちょこサイドバックの控えとしての起用もあったのでそちらも期待できるかな?(ただし改善点はそれなりにあり)

17. Elvis Kamsoba(24歳、164cm BDI)
ブルンジ代表の小柄なウィンガー。バク転+バク宙(前も可)のゴールセレブレーションがトレードマーク。スピードが何よりも武器でクレバーなプレーと共に相手守備を翻弄するのが見ててとてもわくわくする選手なのですがなかなか数字に繋がらず。今シーズンはとにかく結果を数字で残すことが重要ですが、同時に難しく考えすぎずのびのびと楽しくプレーして欲しいです。

22. Jake Brimmer(22歳、169cm AUS)
メルボルン生まれ、リバプールでユース経験もあるMF。移籍前のパースでは準レギュラーくらいの出番で、ちょっと過去試合チェックした感じだとスマートなプレーで前の癖の強いスター達と攻撃に絡んでいた模様。練習試合ではフリーキックから直接ゴールを決めたのを筆頭にかなりアピールできてた模様でBroxyとのコンビも良く期待値が高いです。

23. Marco Rojas(29歳、168cm NZL)
「Kiwi Messi」=ニュージーランドのメッシの異名を持つウィンガー。ヴィクトリーにシーズン半ばに帰ってきてから適応期を経て再開後にその異名に相応しいプレーで魅せてくれました。あと異名に関しては本家と同じくらいの小柄さや内気な印象なども関係してそう。再開後のキャンプでは統率力というよりも若い選手一人一人に声をかけたり話を聞いたりなど「柔らかい」リーダーの役割を発揮していたと監督から語られています。

Jacob Butterfield(30歳、180cm EMG)
イギリスから来たセントラルMFでMcManamanとはルートン・タウンでのチームメイト。そのMcManamanによると両足どちらでもコーナーキックが蹴れるちょっと珍しい選手とのことなのでセットプレー担当になる可能性あり。監督によると「縁の下の力持ち」的な役割を期待されていてボックストゥボックスなMFなので直接の競争相手はBroxyになるかな。

46. Joshua Varga(18歳、AUS)
再開後最後の試合に途中出場しただけなので詳しいことは分かりませんがユースで期待されている選手なのは確かな様子。メルボルン周り出身、トップ下のポジションでだいぶ小柄に見えましたが持っているものが見れる機会は来るかな・・・?

フォワード

10. Robbie Kruse(32歳、181cm AUS)(ACL不参加)
前シーズンは度重なる怪我に苦しむも出た試合では活躍が多かったのでACL参加は断念でもなんとかAリーグのシーズン開始を一緒に迎えたいベテランろびさん。試合中様々なキーエリアに現れ頭の良いプレーで多大な貢献をしインタビューでは好青年と思いきや試合中はかなりのファイターでもある。基本はウィンガーだけど再開前にストライカー起用の準備もしていたためそれもありかも?

25. Luis Lawrie-Lattanzio(18歳、172cm AUS)
ヴィクトリーの新世代を代表するアデレード出身の選手。母親はアボリジニ、父親はイタリア系の背景を反映する複合名字を含むイニシャルから「トリプルL」と呼ばれることも。スピードもあるしマルコや(U19代表でのチームメイトの)Kirdar君との上手い連携を生かし再開後の5試合で重要な役割を担いました(2アシスト獲得)。本来ウィンガーですが練習試合などストライカー起用もあったのでどっちも見たい。

Ben Folami(21歳、AUS)
イギリス第3部イプスイッチ・タウンからレンタルで加入。五輪予選では主にベンチから交代で参加。今のところ「専門の」ストライカーはチームにいなく前に背の高い選手が少ない状況なのでろびさんやトリプルLのような適応する可能性がある選手たちに差を付けられるかがクラブでのレギュラーだけでなく五輪に向けても鍵かも。なかなかこの国も若い世代にパワフルなストライカーは少ないので貴重な存在になれるか。

監督

Grant Brebner(42歳)
スコットランド出身、選手としてのキャリアは主にイングランド・スコットランドで、外国人選手としてヴィクトリーに来て引退後定着。未来の監督候補として大事に育成中だったのが波乱の前シーズンの中でユースチームの監督からトップチームのアシスタント、臨時監督を経て今シーズンから正式に監督に就任。クラブの内部の人間として、そしてヴィクトリーのファンとして攻撃的なプレースタイルを始めとした以前のヴィクトリーの姿を取り戻すべく熱心に改革を進め(補強に関しては全権任せられたといってもよさそう)、主にイギリス方面から選手を呼んでチームを作っています。ちなみに今のスカッドではBroxy、ろびさん、マルコ、Ansellさんと現役時代にチームメイトだった経験あり。

補強は選手だけでなく経験豊富なアシスタントやフィジカル・分析のスタッフなども含めかなりの力の入れよう(ちょっと「財政とは」と思ったりもしますが)。監督としての経験が少ないことは懸念ですが少なくともAリーグでは他のクラブでも監督のターンオーバーがあって似たような経験値の監督が多くなったため、結果論ですが就任のタイミングとしては悪くなかったかも。ACLに関しては中断前の試合でアシスタントとして参戦した経験もあり。

Brebsがチームを作り上げるにあたっては年齢とか外国人選手とか関係なく同ポジションでの競争に重きを置いたそうで、特にゴールキーパーや中盤あたりにそれが顕著に見られます(他のポジションでもこれからまだ2人来る分もあり・・・?)。ちょっと見競争関係にある選手同士プレースタイルや得意不得意が違う場合が多い印象なのでそこもどう生きてくるか興味深いです。

(ちなみにAリーグにも外国人選手の人数上限があって、その割には外国出身の選手が多く見えますがほとんどがオーストラリアでの国籍を持ってるので外国人枠は今の所イングランドの2人とマルコだけです。チーム全体として色々な背景の選手が揃ってるのを別の機会にまとめたいです。)