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啓発動画「Performance of a Lifetime」の舞台(舞台裏)

オーストラリア全土とはいかないまでも多くの部分でまだロックダウンが続く日々ですが、そんな中でメルボルンを中心としたVIC州の芸術界隈コミュニティから一般市民に向けてメッセージを発した啓発動画がじわじわと話題になっています。
それがこのメルボルン交響楽団主催の「Performance of a Lifetime」。

この動画はロックダウンの度にイベントが中止になるなど大きな影響を受ける芸術・エンタメ業界がまた皆でさまざまなイベントを楽しめるように「一世一代のパフォーマンス」として予防接種を促す内容になっています。
メル響をはじめとしたメルボルンの主要エンタメ団体に所属する人達やゲストとして見ることも多い人がステージ衣装で出演する華やかでたまにコミカルな演出になっています。
(そのメッセージの伝え方といい画面の華やかさといい、最近国外でも内容が衝撃的とちょっと話題になっているNSW州の啓発動画とは対照的で、そこも含めて話題になりやすい&メッセージが伝わりやすいかもというのはありますね)

短い動画でメッセージはシンプル、まずは実際に歌ったり踊ったり演奏したり予防接種を受けたりする演者の皆さんに目が行くのですが、私としては各カットの舞台になっているメルボルンの様々な名所(特に芸術関連ロケ-ション)にも是非目を向けて欲しいです。
舞台裏や実際のホールなど、普通にコンサートなどで訪れても立ち入りできない場所や写真に撮れない場所が結構使われていてお伝えできない景色がたくさん。

まずは集団接種が行われているRoyal Exhibition Building(王立展示館)。この建物は世界遺産です。(つまり世界遺産で予防接種が受けられる)
といってもメルボルンの中心街に近く様々なジャンルのイベントで使われ、私が参加した例だと大学の試験や卒業式なんかにもよく使われました。White Nightなどでプロジェクションマッピングの題材になる外観も立派ですが中の彫刻などの装飾も素敵。
(ちなみに動画では外に並んで接種を待つシーンもありますが今の時期建物の外も中も衣装では結構寒かったはず。)

他に撮影に使われているのはState Theatre(州立劇場)とHamer Hallの様々なエリア。ホール自体だけでなく楽屋やロビー、ステージ裏などが使われています。それぞれの建物のつくりから推測するに直線的なロケーションは前者、カーブしてるように見えるロケーションは後者にだいたい分かれるはず。

Hamer Hallのグランドピアノがそこら辺にしれっと置いてあるロビーはおしゃれでいいですね。同ロビーにはバーもあってコロナの前にはコンサートに来た人がちょっと飲み物など頼んで開演を待ったり、コンサート前・後の関連イベントでピアノを使ったりなどあったものです。
Hamer Hallのバックステージは大きく弧を描いていて方向感覚がちょっと怪しくなるのですがState Theatreのバックステージはそもそもがもっと複雑。

そんなState TheatreとHamer Hallの舞台裏をもっと見るにはArts Centreのガイド付きツアー(有料)がおすすめ。中心街でちょっとした時間をつぶすのにも向いています。私は通常仕様のツアーでなくイベントの一部としてState Theatreの怪奇ツアーみたいに仕立てられたのに参加したのですが(あとHamer Hallは演者として舞台裏何度もうろちょろした)色々普段は見れない景色が楽しかったです。同じ場所・空間を観客、そして演者側の二つの目線で見るのは面白い。

ガイド付きツアーといえば南半球最大のパイプオルガンの裏側を見にMelbourne Town Hallのツアーも行きました(こちらも有料)。Melbourne Town Hallは市庁舎としての機能がメインなのでメルボルン市の政治や歴史の話なんかもあり後半にオルガンの裏を見に行くという構成で、がっつり楽しむにはArts Centreよりも英語力が必要です。

芸術やエンタメ業界はメルボルンの生活を結構大きく占めていて、さらに観光においてもかなり重要なジャンルですが、ロックダウン中だけでなくその後もリハーサルにおける規制や観客の人数の制限など困難が続くことが予想されていて、これからも予防接種が進んでできる範囲でイベントに参加したりオンライン配信を楽しんだりツアーに参加したり寄付したり様々な形で支えていけるようになることを願っています。
そして以前も別の記事で書きましたがメルボルンを訪れる機会があれば是非芸術・エンタメ関連も観光プランに是非考えて欲しいです。