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最近した恋について。

はじめに

 先日、ずっと観ていたドラマ「アンサング・シンデレラ」がついに最終回を迎えた。本当は4月に放送する予定だったが、コロナによる放送の延期、またキャストの諸事情による変更など、様々な困難を乗り越えてたどり着いた最終回であることも踏まえ、大切に楽しませてもらった。

 先のnoteでも述べたように、私は田中圭のファンなので、「圭くんが出る」というのが観ようと思った理由の大部分を占める。原作は未読だったが、主人公の葵みどりのよき理解者である先輩薬剤師、瀬野章吾役であるという情報だけで、とても良い役どころな気がして楽しみにしていた。

 結論から言う。瀬野さんに恋をしました。
 ファンになってから、今までいくつも彼の出演作を観てきて、様々な役に「好きだな」と思ってきた。だから自分でも、今回の役も好きになる予感はしていた。想像以上に好きになってしまった。

 瀬野さんの出演シーンは、毎回多くは無かった。基本は(当然)主人公であるみどりを中心に話が進むので、常に薬剤部にいるわけではない瀬野さんが出演するシーンは限られている。だが、毎話その少ない出演シーンでこちらの胸を鷲掴みにしてきたのだ。本当にびっくりした。毎話だ。
 少し長くなるが、そんな各話ごとの瀬野さんについて勝手に語る。ドラマを観ていない方はさっぱりわからないと思う。ごめんなさい。

第1話

 みどりからの相談の電話を素っ気なく切ったくせに、その足で実は心配して見に来たシーン。あのときの電話を切るときの瀬野さんの顔、助けてやりたい気持ちを抑えて自分の立場をしっかりと弁えての冷たい態度。そして結局心配で見に来てるし、そのときの表情もすぐさま今後どういう展開になるのか、そのときに自分が何ができるのかまで考えを巡らせているような踵の返し方。ここですごく掴まれた。掴まれたのにまだあった。査問委員会でのわざと煽るような発言の後の軌道修正もめちゃくちゃカッコ良かったけど、「薬剤師さんではありません。葵みどりです」に指導係としての愛をとても感じて。 最後の七尾副部長とのやり取りも、今後どうなっていくのかと瀬野さんとの関係に注目せずにはいられず、とにかく掴みはばっちりな第1話だった。

第2話

 倒れた大宮さんの症状を麻利絵に確認しているとき。麻利絵に複雑な家庭の状況を聞いた後、「あなたの気持ちは関係ありません。患者の命を救うために、あなたの持っている情報が必要です」と冷たくぴしゃりと告げる瀬野さん。だけどこのとき、麻利絵が「会うのが20年ぶり」と言ったときに瀬野さんの表情にちゃんと動揺が見えて、さらに救急室からの引きの映像で、麻利絵からの話を聞きながら瀬野さん少し瞬きをしてて、このときにきっと今自分が言うべきことを明確にして、余計な感情を追いやったんだなという流れるような芝居に感動した。もちろん初見じゃそこまで細かくは観られないけど、こういう細かい部分を視聴者も無意識に観ていることで、彼の芝居と話全体に説得力が産まれているんだろうなとも感じられるシーンだった。処方内容の裏付けを求めるシーンも、みどりを信じたい気持ちと自らの立場の拮抗がすごくて。最後の「嘘だよ」もなんですか。私たちをどうしたいの。

第3話

 赤ちゃん+瀬野さん!! 可愛いは正義!!!! 瀬野さんが見せるあの笑い皺が浮かぶ笑顔がたまらない。みどりが自分のやり方が間違っているのかを悩んでいたときの、「おまえのやり方なんかどうだっていいだろ」とばっさり切った後の「おまえがしたいことじゃなくて、患者がして欲しいことをやれよ」というアドバイスの的確さ。悩んでないのにこちらまで目が覚めた。瀬野さんにだったら「おまえ」って呼ばれても良い。呼ばれたい。呼んでください。こんな先輩が欲しい。欲しいよ。その後のみどりを遠くから見守っての微笑み。はあぁ~~~(言葉にならない)。小野塚くんとのちゃんとしたやりとりもここで初めて。「俺はきみのことある程度認めてるよ」と言われた小野塚くん。コンプレックス刺激されて帰っちゃったのかと思ったけど、実は過去に瀬野さんと会っていたことが判明したからにはもう! 絶対憧れの人じゃん!! そんな相手に「認めてる」と言われて嬉しくないはずなくて、でも胸を張れない自分がもどかしかったんだね……と何故か小野塚くんの立場になって切なくなったり。瀬野さん罪な人。あと若い瀬野さんの前髪が分け目あってとっても可愛かった。

第4話

 瀬野さんと小野塚くん再び!! まだ歩み寄れない小野塚くんと瀬野さんの関係にきゅんです。そして再び指導係瀬野さん。「医者は患者を診る。薬剤師は患者の生活や周りの人たちを全部見る。話聞く相手が他にもいるだろ」みどりの目を覚まさせてくれるのはいつも瀬野さんなんだよね。4話イチオシは、みどりにそっと毛布をかける瀬野さん。「おまえ上司なめてんだろ」も言われたい。ハクに薬剤部にもヒーローがいると言われて、おれ? と自らを指すおちゃめさも最後に見せて来られてどこまで溺れさせたら気が済むのか。まだ4話だけどこの時点でもう恋に落ち切っていました。

第5話

 瀬野さん初めて娘娘亭に行く。みどりとくるみを心配して様子見ようと珍しく「俺も行く」と言った瀬野さん。そういうのさり気無くできる大人の男感を急に出してくるの本当やめてほしい。好き。からの男子高校生並みのもぐもぐ! 小野塚くんもいるし! 「食べなきゃ動けないだろ」と言ったときに手首で口元隠す気遣いも好き。そしてこの回の見どころと言ったらなんと言ってもヒットからの逆走瀬野さん!! 可愛いかよ!! 両手で傘持って応援、おおはしゃぎも可愛いかよ!! そんな可愛い可愛い瀬野さんから、みどりが泣いているのをまたさり気無く隠してくれるイケメンっぷり。5話は瀬野さんのイケメン可愛いの魅力ジェットコースターがもう最高の乗り心地。七尾副部長とのやりとりも毎回他で見せない顔を見せてくれるんだよな、瀬野さん。七尾副部長とのシーンは瀬野さんのアップが多くて好き。あの野球の集合写真欲しい。

第6話

 相変わらず瀬野さんはみどりが悩んでいるところにスッと入っては的確なアドバイスをしてくれるんだよな。「腹を割って全て話し合える、そういう関係か」はみどりが気付かなきゃいけなかった一番大事なところ。この回の生理についてくるみにアドバイスを求められたときの瀬野さんの対応、本当好き。誠実で、嘘が無くて。「よくわからない」と投げ出すのではなく、ちゃんと男女の区別として一線引いて、出来る範囲で理解しているのが伝わってとても旦那さんに欲しい。

第7話

 みどりの今の仕事について自分のせいにされて不本意そうな瀬野さん。私も瀬野さんのせいじゃないと思う。みどりの本質だと思う。(笑)心春ちゃんの「一番良いのは瀬野さんかな」にはみんな全力で「わかってるう~~」と同意したよね私も。心春ちゃんへの色紙、「色とか使いたいだろ」もめちゃくちゃ萌えたけど、私そのあとのみどりにペン渡されたときの「ありがと」が大好きで! 細かいところにちゃんとお礼言える瀬野さん大好き!! くるみにみどりの話をする瀬野さん……「(みどりくらいに)なれると思ったから今の話をした。……誰にも言うなよ」この「誰にも言うなよ」! 瀬野さんに言われたい! ひじ掛け見下ろしされながら「はい」って言われたい!! 私、瀬野さんのあの低めの小さい声が好きみたい……。そしてこの回のラストから始まった。私たちの瀬野さんへの心配が。しんどかった。

第8話

 7話の腹部をおさえる瀬野さんのラストからドキドキで観た8話。この回は瀬野さんがみどりの代わりに薬剤部に来てくれたおかげで、薬剤部が映ったときに瀬野さんを探す楽しみがある回だった(そんなにいなかったけど)。翔太君の様子にいち早く気付いたときの斜め下からの瀬野さんとても美しかった。そしてここにきて薬剤部でのテキパキ瀬野さんが観られるという。もうそういうとこ! 瀬野さんそういうとこ! 刈谷さんに唯一注意できる瀬野さんも良い! 七尾副部長に声かけられたときに苦しいのを堪える瀬野さんもたまらなかった。たまらなかった。増田さんにステロイドについて説明したとき、「ああ、瀬野さんは長く薬剤師として働いてきた中で、いろんな経験をしてきたんだなあ」と感じられて尊くなって、だからこそラストの吐血が……吐血が辛くて……瀬野さんが心配で心配で。子どもへちょっと声のトーン高くなって両手でバイバイ瀬野さんも可愛すぎたけど、その後吐血だったので全部持ってかれた。9話までの一週間は常に瀬野さんのことを考えていた気がする。苦しかった。

第9話

 とりあえず、吐血して倒れた姿が美しかった(失礼)。救急に運ばれたときの囁くような声も、みんなに「逆流性食道炎」だと誤魔化したときの顔も、畑中先生に病状を伝えられたときの表情も、ひとり悔しそうにベンチを殴っていた様子も、全部こちらの心を揺さぶってきた。事実を受け止めた瀬野さんと一緒に、瀬野さんの気持ちもこちらで受け止めてしまった。「三か月もたずに逝きました」「最後にどう生きるかは、自分で決めたいんです」「私は、死にます」セリフ一つ一つが辛かった。仕事にやりがいをあらためて感じて、さらに小野塚くんと話をして「普通に戻れた」と笑った瀬野さんが儚かった。もうそこからは瀬野さんがただただ儚く美しくしか映らず。おかゆ食べてるときでさえ。「瀬野さんはもう治らないって言いましたが、本当にそうでしょうか?」というみどりに全面同意。とにかく瀬野さん生きてくれなきゃ許さないぞなんだこの展開はという第9話。またしんどい一週間が始まった。

第10話

 誰が何と言おうと瀬野さん回。(望んだ形では無かったけれど……!個人的には前回も瀬野さん回。)「今日から、患者です」のワントーン高くなる感じとっても可愛かったけど、こちとらあなたが心配で呑気に可愛い言ってられないんだよ可愛い! この回、初めて瀬野さんからのOPで、それすらもフラグじゃないかと疑心暗鬼な私。患者瀬野さんがますます儚くていろいろやばかった。苦しそうだし、痛そうだし、堪えてるとき涙目だし。好き。患者になってからも常に他の患者さんを気にして薬剤師として動いちゃう瀬野さん。好き。実は小野塚くんのこと覚えてて、お見舞いに来た小野塚くんを最終的に励ましちゃう瀬野さん。好き。そしてなによりお墓のシーン。生きて欲しいと思う周りの気持ちを知っている瀬野さん。大層なもんじゃないと前置きして吐き出された気持ち、胸が痛かった。このシーン、全部瀬野さんの表情だけ定点カメラで映したのが観たい。メイキングにつかないかな。「安心です」と言った瀬野さんだったけど、2年後に飛んで姿が無くて、また引っ張られるぐぎぎい~~~となったラスト。

第11話

 瀬野さん! 生きてた~~!! それだけでありがたいのに、また萬総合の薬剤部に復帰して! 小野塚くんと救急で共に働くとか思い描いた未来過ぎて涙ちょちょぎれた。七尾副部長とも少し和解した感じ見せていただき感無量。登場した瀬野さんは、すでに完治したのにもかかわらずまだ儚さも背負っていて細くて全体的に尊かった。黒い服がまた瀬野さん自身の儚さを際立たせるんだよ……と思っていたのにスクラブ着た瀬野さんも尊いってどういうこと……小野塚くんとの並びがまたたまらなくて涙出る。瀬野さんの「ありがとな」と、今までOPに流れていた全員が揃って並んだ画で終わったのも最高。

おわりに

 私は原作のアンサング・シンデレラをまだちゃんと読んでいないけど、どうやらキャラクターほとんどがドラマとは全然違うとのことで、先日ちらりと読んでみた。なるほど、確かに違う。原作とここが違う! と言い出したらキリがないほど違う。だからこれは、全く別物として楽しむのが正解なんだろうなと思った。そしてだからこそ、このドラマを創っていただいた方々に感謝したいと思った。
 だって、ドラマ「アンサング・シンデレラ」が無ければ、圭くん演じる『瀬野章吾』には出会えなかった。もちろん、まだ少ししか読んでいないけど、原作の瀬野さんもすごく魅力的なキャラでこれからまた読み進めたいと思っている。だけど圭くんがあの瀬野さんを演じてくれたから、こんなに好きになれたんだとすごく感じる。

 瀬野さんって、厳しくて、正しくて、誰よりも患者さんのことを考えていて、実は優しくて、仲間のことも気にかけていて、困っているとさり気無く助けてくれて、笑った顔が無邪気で、意外と大食いで、野球はポンコツで、薬剤師という仕事に誇りを持っていて……。そんなツンデレで、ぶっきらぼうで、繊細で、たくさんの人にとって大きな存在である瀬野さんだったから、心揺さぶられるほど、切なくて泣きたくなるほど好きになった。

 毎週会えていた瀬野さんだから、ラスト数話は辛かったけど、でももう会えないと思うと寂しさが増す。今日も元気に働いているんだろうなと、救急の瀬野さんに毎日思いを馳せている。

 欲を言えば空白の2年間の疑問点や、そのとき瀬野さんがどんなふうに治験薬や治療、リハビリなどと向き合ったのか、そして復帰後の小野塚くんとの救急での姿など、観たいシーンはたくさんあるけど、でも大変な中11話という長い撮影を無事終えてくれて、何より瀬野さんという人物に出会わせたくれたことに、今はただ感謝したい。
 
 しばらくは瀬野さんロスだろうな。黒木(K2・金曜22時TBS)と、もう少ししたら義澤先生(先生を消す方程式。・土曜23時テレ朝10月31日スタート)にも会えるから幸せは続くけど。でも、黒木を観てもやっぱり瀬野さんには会いたいから、違う人なんだよね。圭くん、すごいね。ありがとうね。

 スピンオフ、「救急認定薬剤師 瀬野章吾」いつでも待ってます。(ぼそり)

おわり。読んでくれた方、ありがとう。

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