地域エバンジェリスト

神戸市のチーフ・エヴァンジェリスト。大手企業と日米スタートアップそれぞれ30年の社会人…

地域エバンジェリスト

神戸市のチーフ・エヴァンジェリスト。大手企業と日米スタートアップそれぞれ30年の社会人経験を経て、2021年より神戸市の職員。 Winny開発者の天才プログラマー金子勇を裁判中から支え続けた盟友。

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SDGsの起源と歴史的背景

 前回は地域における産業クラスター形成とイノベーションのエコシステムについて、マイケル・E・ポーター教授の研究や理論を基礎に、ぼくの考えを述べました。まとめると以下になります。 ・ イノベーションのエコシステムは、地域の産業クラスター形成により実現してきた ・ 地域に集積する企業間のシナジーにより創出される経済価値(企業価値)の増大は、より多くの関連産業(川上川下や周辺の企業、関連団体)へと広がっていく ・ 世界的に、この活動の中心は、大企業や公共セクターから、起業家や

    • パーポス経営の時代

       この数年で多くの企業や組織、団体が「パーパス」経営を標榜するようになりました。  自治体でも今年(2023年)になって、埼玉県入間市が100年後にも市民から愛される街でいることを目指し「心豊かでいられる、『未来の原風景』を創造し伝承する」をパーポスとして発表しました。  20世紀型の企業経営が「ミッション・ビジョン・バリュー」なら、21世紀は「パーポス・ドリーム・ビリーフ」にシフトしたと言われます。 20世紀型経営       21世紀型経営 ~~~~~~~~~~~

      • イノベーションのエコシステムと産業クラスター

        持続可能性を目指し社会を構成するあらゆる要素が再構築されていく時代  気候変動や環境汚染、資源枯渇のような世界の共通した社会課題はもちろん、人口減少や少子高齢化の中での持続可能な地域社会の実現といった課題。これらをその現場である地域が主導するイノベーションのエコシステムによって解決していく。それが新たな社会価値を創造し新産業の創出につながる。  ぼくがそう考えるようになったのは、Winny開発者である金子勇が亡くなる直前まで開発を主導した製品を事業化するために、いくつかの

        • 地域課題解決こそが共有価値と新産業を創出する

           今回は神戸市でのエバンジェリストとしての役割、活動内容についてお話したいと思います。  一言で言うと、「地方都市にスタートアップ企業が参画するイノベーションのエコシステムを創出する」活動です。そのために、神戸市が先駆者としてこれまで取り組んできた活動を伝道し、さらに先をいく活動に広げていくのが仕事です。  神戸市に入る前までずっとIT業界で仕事をしていました。日本の大企業2社と米国シアトル発と京都発のスタートアップ2社で働きました。  ちなみに、京都発が金子勇が創業し

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        SDGsの起源と歴史的背景

          神戸市役所で働くエバンジェリスト

           2023年3月で終了となった「自治体DX 友達の輪」でコラムを連載していました。 今回その続きをnoteで書いてもようと思います。  4回連載したものの途中のままでした。Winny開発者の金子さんの秘話とか、続きを書きたいと思っていたのですが、ぼくの筆の進みが遅かったり、家族が立て続けに入院したりする事情もあって、当初書こうと思ってたことの3割も終わったないままです。  その間に、例の映画が公開されて、いろんな方に感想を聞かれたのですが、あえて沈黙を守りました。その辺りを

          神戸市役所で働くエバンジェリスト

          ジンバブエドルの取引停止(2009年4月12日)

           この年は前年からのリーマンショックで、勤めていたシンクタンクが清算されることが決まった時期にあたる。  2度経験したことで、この頃はもう転職がどういうものなのかはわかっていた。  その時の職場でさまざまな業界の人と出会うことができたこともあり、前回の出たとこ勝負とは違い選択肢もいろいろとあった。  結局は無謀と周りに言われつつ3ヶ月後にWinny開発者で第一審で有罪判決を受けていた金子勇が創業したスタートアップに移る。こういう時が一番燃えるタイプで事業を転換してどの分野に

          ジンバブエドルの取引停止(2009年4月12日)

          米国の20世紀の偉大な作家カート・ヴォネガットの命日(2007年4月11日)

           15年前の2007年4月11日にヴォネガットは84歳で亡くなった。 ヴォネガットが亡くなった頃、その前に働いた米国スタートアップ企業がナスダックに上場したのに合わせて退職、IT企業の子会社に転職したばかりだった。  この会社は「サステナビリティーをテーマにスタートアップへの戦略投資を通じて新規事業開拓するシンクタンク」という、どう考えても当時はぶっ飛んだ会社で、さまざまな業界からとんがった人材が集まっていた。  新しい仕事はいつも刺激的で、特にそれまで自分が知らなかっ

          米国の20世紀の偉大な作家カート・ヴォネガットの命日(2007年4月11日)

          忠犬ハチ公の日 

           渋谷駅のシンボルのひとつで、誰もが待ち合わせに使う場所。  ぼくもハチ公の前を通って仕事に通っていた時期がある。  ハチ公の亡くなる8年前の4月8日にハチ公のあの銅像ができた。その時はまだハチ公は存命中だった。生きてる間に銅像が建つのは人間でも少ないと思うけど、ハチ公はどう思ったんだろう?  待ち続けた主人の方が嬉しかったかもしれない。  とは言え、渋谷といえばハチ公、あまり渋谷の街に詳しくないような人が待ち合わせる定番の場所になり、その愛くるしい姿とエピソードで、街

          忠犬ハチ公の日