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限界エンジニアの所感

新社会人に捧げます。

制御ソフトエンジニアはモノが動くので、やりがいを感じやすいと思われがちですが、全然そんなことないです。
むしろ全く感じないケースの方が多いです。

例えば、モーターを180度動かしますといった場合、ただ180度動かすだけなら問題ないです。めちゃくちゃ簡単です。
でも、そのモーターの先に部品がついていて、今まさに人の手が触れていたとします。
どうなるでしょう?指が吹き飛びます。
少なくとも擦り傷は確定でしょう。

だから、モーターを180度回すためにはその辺りの安全をソフトが確保しなければいけません。
周りに人の手はないのか?あったらどうする?画面のボタンを押させない?押せても内部で防ぐ?そもそもアンプの電源を入れない?など。

その辺りの安全関係の設計ってすごい設計に時間をかけます。プレッシャーもすごくかかります。だって、人が死にますからね。そりゃ気にします。めちゃくちゃ。

んで、ソフトエンジニアが必死こいて安全なソフトを作りました。やったね、みんなが感謝する姿が目に浮かびます。だって、危険な状態を未然に防ぎますから。安心安全。

そして、完成したソフトを使ってオペレーターはこう言います。

"こんなに設計時間かかってたのに、モーター動くだけ??マジ??"

感謝とは程遠い感想が口から吐かれます。そして、ソフトエンジニアの心はガラスなので粉々です。あれ?みんなのために安全なソフト書いたよ???

そう、ソフトエンジニアが頑張ったかどうかなんて関係ないのです。安全で当たり前なのです。世の中そういうもんですから。感謝なんてあるわけない。

制御エンジニアは黒子に徹し、メカエンジニアのお膳立てをするのが関の山です。

そして、制御ソフトエンジアは今日もまたエルデの王になるためにPS5の電源を付けるのでした。。

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