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4年生の授業「月経と射精」スライド公開します

今日は小学校で4年生の保健の授業。毎年4年生に2時間授業をするのですが、今日は最初の1時間「月経と射精のしくみ」。来週、性にまつわる色々なトラブルのシチュエーションを考えてもらうロールプレイを1時間かけてやります。

さて、今日の「月経と射精のしくみ」では、毎年のスライドを少し変えてアクロストンのワークショップの素材も使ってみました。

まずは子ども達にこんなプリントを配布します。

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おちんちんだ!!とかひそひそきこえるなか授業スタート。

まずはマンガのセリフあてクイズ。

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(出典:『知ってる?女の子のカラダ マンガ ポップコーン天使』『知ってる?おちんちんのフシギ マンガ おれたちロケット少年』子どもの未来社、一部改編)

例年は、生理も射精もしらなかったり、生理を知っていても射精は知らない子が多かったりして教科書の中から答えを探してもらうのですが、今年は教科書も見ることなくどんどん答えが出てきました。試しに「生理ってきいたことある人?」ときいてみると男女問わず9割以上の子が手をあげる状況。昨今の生理ブームのおかげ?かどうかはわかりませんが、良い変化に最初から私達のテンションもあがりました。

ここでこどもたちに質問。「なんで月経や射精があるんだろう?」
ここもすんなり手が挙がります。「赤ちゃんを産む準備」
その通り。こどもを持たない人もいるし、こどもを持つかどうかはその人が決めればいいのだけど、からだとしては子孫を残す準備がそろそろ始まるよ、と説明。

更に質問。「赤ちゃんってどうやってできるの?」
ここは小学校で扱ってよいかどうかのグレーゾーンなのですが、今年は攻めてみました。
ここもすんなり手が挙がります。「卵子と精子が一緒になるとできる 」
そうそう!今年はどんどん答えがでてきます。

では卵子ってどんなの?精子ってどんなの?という話に。

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大きさやら数やら、クイズ形式でわいわい答えてもらいます。

そして、ここから本題。

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卵子が入っていいるのはどこかな?ときくと、ひとりの男の子が真っ先に手を挙げて前に出て卵巣の位置をしっかり指さしてくれました。
すると「男なのに女のからだのこと言ってる~!!」との声が複数人から。
ここはしっかり話すポイントです。
「男の子が女の人のからだのことをしっかり知っているのはとても良いことだよ。その逆もだよ」
本当はなんで知っていた方が良いのか一緒に考えたり、男ってなんだろう?女ってなんだろう?とか話を広げたいのですが、とにかく時間が無いのでそこまで話せないことがとても残念。

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ここで、アクロストンのワークショップの素材出現。ちなみに現在(~2/4)大丸梅田のメルーナポップアップショップに飾られているパネルを一部改編しました。

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このひとつひとつを丁寧に説明。そして、生理用品についてもちらりと。
「生理用品って知ってる?」ときくと、あまり知っていないようだけど「ナプキンって知ってる?」ときくと8割ぐらいの子が知っている模様。
ナプキンとタンポンを実際に開封してみせて、使い方を簡単に説明しました。

月経の最後のスライドはこちら。

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個人差についてや生理痛について、PMSについてなどもっともっと細かく伝えたいことはあるものの時間もないので、とりあえずは「月経の悩みは抱え込まずに相談する」という鉄則を強調してきました。

次は射精について。

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おちんちんを触りたくなるのは、射精をするために脳がそう命令するから。成長するにつれホルモンの影響でおちんちんを触りたくなるのは自然なことだよ。女の子だっておまたのあたりを触りたくなるのも自然なこと。
ただ人にみせるものではないから、自分だけの時にきれいな手で触ろうね。
あまり力強くするのは将来的に上手に射精ができなくなるかもしれないから良くないよ、といった説明をしました。

次は包茎の話。

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(アニメーションがついているスライドを画像化したため、字がかぶっていてすみません)

赤ちゃんのおちんちんは皮がかぶっているけれど、成長とともにむけていく。ただ、みんなむけるというわけでもなく、人それぞれ。おちんちんの先が腫れたり、おしっこが変な方向にとんだりなど困ることがなければ、大丈夫だよ。林間学校などで人のおちんちんをからかったりは絶対にしないで。という話をしました。

その後、月経・射精・初経・精通など言葉の復習をしたのち、少し時間があまったので質疑応答。

まず出たのが「勃起ってなに?」こんなことを聞くのは恥ずかしいかもしれないんだけど。。。と言いながらきいてくれた勇気が嬉しい。
おちんちんをさわったり、エッチなことをかんがえたり、あるいは寝ている時などにおちんちんが硬くなることと、勃起のメカニズム(血管が拡張して血液がたまってかたくなる仕組み)について説明しました。

次は先生から「保育園のこどもがいるけれど、周りの親とかも子どものおちんちんの先が腫れることがあると話題になる。洗い方のコツは?」
皮を無理しない程度にむいて、石鹸でやさしく洗って皮を戻す洗い方を丁寧に説明しました。

最後の質問は「ふたごってどうしてできるの?」
これはワークショップでも定番の質問。ひとつの受精卵がわかれた双子と、排卵時に卵子が2個以上飛び出て、それぞれに精子が出会って受精卵になり、赤ちゃんになる双子について説明しました。

最後の質問に答えているところでチャイムがなり時間切れ。

次回は来週、性的同意やデートDVやリベンジポルノなどなど、様々な問題を盛り込んだロールプレイを各クラスで実施予定です。こちらもnoteに書く予定です。

私達は今はワークショップを開催することが多いですが、学校やフリースクールなどでの授業もとても大事にしています。今の学習要綱ではそもそも性教育に使うことのできる時間があまりに少なく、また内容も制限されているためもどかしい思いもあるのですが、それでもできる範囲でより多くのこども達に性の話をしていきたいと考えています。というのも、性の知識は誰かが知っていればよいものではなく、誰もが知っていないといけないものだからです。交通安全と一緒です。親が性の話に興味があるこどもだけではなく、すべてのこどもが学ぶ機会として、性教育をしっかりとやる学校が増えていきますように。

今回の授業で使ったスライドを、教育目的で使用したい方はお渡ししますのでこちらからご連絡ください。
※2020.02.03追記:こちらのスライド配布は著作権の問題で、学校などの教育機関での性教育を実践されている方に限らせていただいています。

#性教育 #アクロストン #保健 #月経 #生理 #射精

妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone