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文章でのコミュニケーションを考える


 皆さんこんにちは。こんにちは。長い長い1週間が終わり、今日はしばし休息です。明日からは休日出勤を含む連勤が始まります。9月になっても引き続き地獄で、今のところ9月の出勤日数は25日となる見込みです。「週休は1日以上入れないといけない」という労働基準法ギリギリの水準で働くことになりそうです。と、被害者面して言っていますけど、シフトを作っているのは私なんですよね。被害者と加害者が同居しています。
 そんな前置きはさておき、今回は文章でのコミュニケーションについて、今週起こった出来事を交えつつ考えていきたいと思っております。



1.友人の悩み

 私の一番の友人と言ってもいい人が珍しく思い悩んでいました。LINE の文面を見るだけで何かあったと分かるくらい違和感を感じました。しかし、 LINE だけではその違和感の原因が何であるか(もしかしたら原因は私ではないか?)、どれほど深刻なのか、具体的にどう思っているのか、などはほぼ伝わりませんでしたし、わかりませんでした。

 しかし、電話で直接話すことにより、その人の今の状態やLINE に込められた意図なんかを聞き取ることができました。また、話し合いを通じて違和感の理由を解決できたとともに、その人の悩みを少しは解決できたかなと思います。LINE では1週間かかっても解決の糸口すらつかめなかったのに、電話ではたった数時間で自体が好転したのです。



2.シフトの調整

 先にも述べた通り、現在私はシフトを作る立場にあります。マイナンバーカードの普及促進に国から圧力がかかっていることから、休日にイベントを開催しないといけなくなり、皆様には休日出勤を強いることが増えてきました。事前調査(回覧)の段階から休日出勤に協力していただけるよう協力を呼びかけているのですが、その時点ではなかなかうまくいきません。

 しかし、調整段階(口頭)に入り、私が直接相談にうかがうと驚くぐらいすんなりと協力していただけます。言っていることと書いていることは何ひとつ違わないのに、文章か口頭かの違いだけで相手への刺さり方が全然違うなと日々感じます。



3.電子決裁

 私の職場では、意思決定の一部に電子決裁が導入され始めています。入庁した当初は全て紙だったので、その変化を間近で見ています。

 電子決裁は、相手が都合の良いときに資料を確認して承認ができる、決裁に関係するちょっとした(主にどうでもいい)質疑応答が発生しないという長所があり、事務負担が軽減された実感があります。

 一方、データに添付されている文章しか決裁情報がないものですから、人によってはその全容を知ることに難儀しているようです。なんやかんや口頭での説明を求められますし、私自身も対面で決裁していた時に比べると情報量が少ないなーなんて思っています。



4.文章だけでは情報量が少なすぎる

 文章だけでは情報量が少なすぎます。まず、入力できるスピードには限界がありますから、口頭説明に比べると文字数そのものがどうしても少なくなります。音声入力を使えば多少マシになりますけど…。

 また、文章だけだと抑揚なんかを表現しづらいですから、そこに込められた感情が見えづらくなり、書き手の意図や背景を深く推測せねばなりません。パソコンで入力をされた文章だったら、筆跡という情報がさらに削ぎ落とされ、書き手の性格なんかも推測しづらく、読み解きがさらに難しくなってしまうでしょう。文学作品とかはいいんですよ、深く推測すること自体に趣がありますから。しかし、コミュニケーションでは少々困ります。

 そのほか、個人的にはオンタイムではないということによって必要な情報が大量に削ぎ落とされていると思っています。言葉を発する時、通常はその時の感情が乗っかりますし、言いよどむなど文章にならないところも表出されます。しかし、文章だと発信するまでの間に時差が生まれて、かつ見直しができてしまうことから、小綺麗にまとまってしまいます。それでは本当に伝えたかった情報がどこまで残っているのだろうとどうしても思ってしまうんですよね。


5.感情に訴えるなら会話で

 と、色々なことを言ってきましたが、電子決裁やSNSなど文章を用いた情報交流それ自体には良い側面が多いと思っているし、反対したとしても普及はし続けるでしょう。賛成・反対と決めつけるのではなく、上手に共存することが大切だと私は思います。そして、共存するにあたってのキーポイントは、解釈にあたって感情面がどの程度影響を与えるかを考えるではないでしょうか。


 日々のコミュニケーションでは、集合時間の連絡や今日の夕食など、「事実」が重要な情報の場合、文章を用いるべきだと思います。一方、愛情表現や心のケアなど事実よりも感情が重要な場合、文章だけではあまりにも不十分なような気がします。

 実際、友人の件も重要だったのは感情面でしたし、シフトの話も助けて欲しいという私の感情が皆様に伝わっての結果だと思いますから。


 決裁でも同様のことが言えると思います。例月のくだらない事務処理や、法令に則った議論の余地のない事務処理なんかは電子決裁にしてしまったほうが効率が良いでしょう。しかし、政策的な判断や、個人の解釈が伴う案件なんかは事実そのものより「どうしたいのか」という感情的な側面のほうが大切だと思うので、やはり対面での情報交換がないと、本当に正しい答えは生まれないと思います。


 デジタル化が進み、SNS等が発達したことによって、情報に触れる機会はかつてと比べ物にならないほど増えたことでしょう。しかし、そんな時代だからこそ情報を正しく受け止めねばならないし、正しく伝える努力をしなければならないと思います。情報のやり取りが簡単になったからこその難しさがここにあるような気がします。

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