ワレモノ

わたしが硝子の破片だとしたら

あなたは素手で触れてくれるかい

わたしは鋭利であなたを傷つけるかもしれない

間違いなく傷つけるでしょう

あなたはわたしをどう包むの

あなたに血を流して欲しいなんて

思うわけない

それでもあなたの鮮明な紅い血を見ると

わたしは温もりを感じ

暖かいと喜んで泣くの

だからあなたを傷つけたくない

あなたが傷つかないのなら

何枚もの布や紙で包んで、使いモノにならないわたしを"ワレモノ"と殴り書きして

捨てて構わないから

だから、そんな優しい瞳で

わたしを見つめなくて大丈夫だから

もしもわたしの欠けた断片が

燈に灯された場所で

少しでも

あなただけの瞳には

綺麗に映るのなら

割れてしまった仲間と、わたしの一部達の全てを一つに集めて

あなたの笑顔を

永遠に映す

ワレモノになるわ

だから

そんなに大きな滴を落とさせてしまって

ごめんなさい

あなたが落としてくれた大きな大きな滴は

もう二度と落とさせまいと

その鮮明な紅い血を

二度と流させまいと

受け止めたまま

わたしがわたしのままで

もう一度伝わるのなら

燈に灯された場所で

少しでも

あなただけの瞳には

綺麗に映れるのだとしたら

割れてしまった仲間と、わたしの一部達の全てを一つに集めて

あなただけの素敵な笑顔を

永遠に映す

わたしになるから

拾ってくれて

ありがとう










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