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【浪川大輔さん インタビュー】「カナレットとヴェネツィアの輝き」音声ガイド

アコースティガイド・ジャパンのnoteへようこそ。

近ごろは朝晩も肌寒くなってきて、少しずつ秋の気配を感じるようになってきましたね。秋の楽しみといえば色々ありますが…この秋、美術館で旅気分を感じるのはいかがですか?

新宿・SOMPO美術館で開催中の「カナレットとヴェネツィアの輝き」。
18世紀、都市の景観を描く「ヴェドゥータ」を確立した巨匠、カナレットの全貌を紹介する日本初の展覧会です。
カナレットが描くのは、水の都ヴェネツィア。街並みや海、人々、祝祭の光景を緻密に描き、外国人旅行者にも人気だったとか。
カナレットの絵を見ていると、ヴェネツィアの名所を歩いて回っている気分。そのうち空気や匂い、人々の声までも感じられるような・・・。

そんな本展の音声ガイドナビゲーターを務めるのは、声優の浪川大輔さん。収録後、浪川さんにお話を伺いました。

浪川大輔さん収録風景

―浪川さんはヴェネツィアにどんなイメージをお持ちですか?

浪川さん やはり水の都です。行ったことはないのですが、昔から変わらない風景、どこで写真を撮っても絵になる、映える風景が広がっていると人から聞いて、行ってみたいなと思っています。僕も年齢を重ねて、風景や空の色などを味わうのが好きになってきました。 今回の展覧会では、作品からヴェネツィアの空気感が感じられて、より味わってみたくなります。

―絵に描かれているヴェネツィアの名所やイベントで、行ってみたいところはありましたか?

浪川さん リアルト橋ですね。音声ガイドの中でも、木造から石造りになったと紹介しているんですが、橋を作るのは大変なことで、昔は命がけで作るぞっていう気合で作っていたと思うんです。そんなことに思いを馳せて、渡ってみたいです。 街全体が文化遺産ですから、すべてが気になります。

―カナレットの作品の魅力はどんなところだと思いますか?

浪川さん カナレットが風景の中に描く「人」が生き生きとして魅力的です。建物って無機物でドーンと構えていますが、それと動きのある小さな人物の対比が素晴らしい。 ヴェネツィアは祝祭の街と言われてますが、そんな明るさや陽気な感じ、でも気品のある雰囲気が描かれていて、憧れます。

「レガッタ」というボートレースの様子を描いた作品。
船に乗る人から周りの建物で観戦する人まで、細かく描かれています。
カナレット《カナル・グランデのレガッタ》(部分)1730-39年頃、ボウズ美術館、ダラム

―カナレット以外の作品はいかがですか?

浪川さん 今回はモネの作品もあるんですよね。画家によって色々な描き方、手法があると思うのですが、モネは一発でモネと分かる。カナレットほか、ヴェネツィアを描いた他の絵の影響も受けていると思いますが、題材が同じ場所でも、自分らしさが絵に出てくるんだなって。 モネは若いころにヴェネツィアに行きたかったと言っているんですが、僕も自分の脚で歩けるうちに行ってみたいなと思いました(笑)
それと、ヴェネツィアの運河とイギリスのセント・ポール大聖堂が一緒に描かれたもの(*)が気になりました。国すら違う風景の組み合わせなんですが、本当にそんな風景があるみたいに描かれているんです。「カプリッチョ」という手法らしいんですが、そんな手法があると知らなかったので、勉強になりました。

*ウィリアム・マーロー《カプリッチョ:セント・ポール大聖堂とヴェネツィアの運河》1795年頃?、テート)

東京展チラシ画像

―今回の音声ガイドでは、18世紀のグランド・ツアーの家庭教師に扮していただくパートがありますが、いかがでしたか?

浪川さん 執事のようなポジショニングなんですよね。ヴェネツィアの風土を案内するのにぴったりの役どころで、堅苦しくなく、親しみやすい感じで、イタリアの陽気な雰囲気を伝えられたらと思ってやらせていただきました。
何よりも絵を見るのがメインですから、それの補足として、絵をより深く知ってもらい、ヴェネツィアやカナレットの魅力が皆さんに伝わっていれば嬉しいです。

―展覧会にいらっしゃる方へメッセージを。

浪川さん ヴェネツィアに行ったことがない人にとっても、最初の一歩としてよいと思いますし、行ったことのある方も、新たな発見があるかもしれません。
ヴェネツィアの景観を描いた美しい作品には、普遍的なテーマもあります。見ていると、色々な事が思い浮かぶと思います。それぞれの思いで楽しんでいただければ嬉しいです。

浪川さん、ありがとうございました。
皆さまも、SOMPO美術館でヴェネツィアの旅気分を味わってみませんか?
そして、その際はぜひ音声ガイドもご一緒にどうぞ。浪川さんと一緒に会場をまわれば、ヴェネツィアの景色がより一層輝いて見えるはず。(サイトウ)

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アコースティガイド・ジャパン
https://www.acoustiguide.co.jp
X: @ADaudioguide @kikubi_AG
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―展覧会概要

カナレットとヴェネツィアの輝き
会場:SOMPO美術館
会期:2024年10月12日(土)~12月28日(土)
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日※/展示替期間/年末年始 ※ただし10月14日、11月4日は開館

(巡回予定)
京都文化博物館 2025年2月15日(土)~4月13日(日)
山口県立美術館 2025年4月24日(木)~6月22日(日)

―音声ガイド概要

展覧会会場入り口にて、専用ガイド機をお貸出しします。
収録時間:約35分
貸出料金:お一人様1台650円(税込)
※アプリ配信版はございません。

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