グッズ販売イベントでお客さんと話したいから、グッズカタログを作った
第1章 私は高をくくっていた
私は、イラストを制作しているのだが、
『販売』が好きである。
なぜかと言うと、
①お客様と直接お話が出来て
②感想が聞けて
③目の前で買って頂ける
からである。
かつて、私が大学生だった頃
友達に誘われて、食品販売のアルバイトをしていた。
その仕事があまりにも好きだったので、
寸暇を惜しんで、そのアルバイトをしていた。
私がアクションを起こすことで、買うか買わないかが決まる。
そのゲーム性がとにかく楽しかったのだ。
販売という仕事に、一瞬で虜になった。
そういう訳で、イラストを制作している今、
初めてお客様と対面で、自分のグッズの販売をやってみることにした。
「あの頃の気持ちで臨めば大丈夫ではないか」
と、私は高をくくっていた。
あの時、ヘラヘラしていた自分をどうにかしてやりたい。
第2章 なぜか全然話せない
古民家ギャラリーで初めてお客様と対面で
自分のグッズを販売した時に、その予兆はあった。
「いらっしゃいませ~…」
「よろしければ、手に取ってご覧くださ~い…」
お客様が近くに来て下さるのに、
そのあとに続く言葉が見つからない。
あれ?
私、緊張しているのかな…?
お客様の方から色々聞いて下さって、
お話がようやく出来る。
どうにかこうにか、
お客様が温かくて、購入に繋がったが
「初回だったし、緊張してたけど、
買って頂けたから結果オーライ!」
と、お気楽に考えていた。
あの時、反省しなかった自分を本当にどうにかしてやりたい。
第3章 やっぱり全然話せない
とは言え、初回の対面販売がとても楽しかったので、
間髪入れずに1000ブース余りあるグッズ販売のイベントに
参加することにした。
鋭い皆さんなら、もうお分かりだろう。
全然、お客様と話せないのである。
しかし、2回のグッズ販売の経験で
私がお客様に話しかけられない理由が分かった。
自分の作ったグッズに対して、
『これ良いですよね~』とか、
『可愛いですよね~』と
直接言うのが、どうにも気まずいのである。
自分以外の人が作った物に対してはいくらでも言える。
むしろ、言いたい。
だけど、自分の作ったグッズは
(文字にするのも憚られるが)
「我ながらこのグッズを可愛いと思っております!」
と思っているから販売しているのであって、
それを更に言葉にするのは
居たたまれなさが尋常ではない。
気まずいから、話しかけられない。
話せないから、買って貰えるチャンスを逃してしまう。
しかし、この時もお客様から色々と話しかけて頂き、購入に繋がった。
だが、ずっとお客様主導で、
甘えてしまっている状況は非常にマズイ。
しかしながら、こんな状況にも関わらず、私は販売が好きで、
やっぱり2回目の販売イベントも楽しかったのである。
この矛盾した状況を打破する解決策が必要だ。
第4章 自分のグッズのカタログを作ろう
話は変わるようであるが、私はイラスト塾に通っている。
デザイナーの駒井和彬先生の授業では毎回課題が出て、
次の授業の時に発表するというスタイルになっている。
「次回の課題は『ZINE』の制作です」
折角作るなら、グッズ販売イベントに活かしたい。
「自分のグッズのカタログを作ろう。
それを見ながら、まずはお客さんに自分から話しかけよう」
商品の説明が出来るだけではなく、
「話していて面白かった」と思える時間を共有したい。
①商品情報を伝える
②話の導入・クッションになるようなコミュニケーションツールにする
③接客中、別のお客さんが来られた際には、自由に読んで、足を止めてもらうツールにする
方向性は決まった。
販売イベントは、老若男女問わずに来場されるので、
カタログは、ジェンダーレスなデザインに。
左ページ:
商品写真・スペック
右ページ:
上段は、まともな商品説明
下段は、ふざけた商品説明で、お客様と話すきっかけにする
商品を活かすため、イラストはモノクロで仕上げることにした。
第5章 デザフェスで実際に使ってみた
3回目のグッズ販売は、
東京デザインフェスタ(通称デザフェス)に
参加してみることにした。
デザフェスは、日本のみならず、
アジアでも最大級の国際アートイベントである。
グッズ販売だけではなく、ライブパフォーマンスや食べ物も販売している。
日本一、お客様が沢山いらっしゃるイベントと言っても過言ではないので、
とにかく話しかけられる。
「お客様が少なかった〜」とは言い訳出来ない、
自分を追い込むスタイル。
やるしかない。
駒井先生からも「カタログを使ってデザフェス頑張ってね」と
ラフ確認のメールを頂き
(先生ありがとうございます)、
いよいよグッズカタログを使ってみることにした。
完成したグッズカタログがこちら。
第6章 グッズカタログ使用結果
結果から申し上げるが、
めっちゃ話せた。
なんで今までグッズカタログ作ってなかったの!?と
自分に対して問いただしたいくらい
めっちゃ話せた。
今までは、
お客様⇔自分
だったが、
今回のデザフェスでは、
お客様⇔カタログ⇔自分
という形になる。
「可愛い」「これ、いいでしょ」
と正面から言わなくても良い。
使用方法を簡単に提案できる。
ふざけた説明で笑ってもらえる。
最高か。
終了後もSNSでお客様からコメントを頂いたり、
フォローして頂いたりと、嬉しいことが続いた。
とにかく楽しくて楽しくて仕方ない
夢のような2日間だった。
本当にお越しくださった皆様ありがとうございました。
また、絶対グッズ販売イベント出たいです!!!
ちなみに、まだ在庫がある商品もあるので、
次回のイベントでもカタログに記載した説明をする予定である。
このやり方しか私は知らないのだ。
同じ説明をする。必ずする。許してほしい。
しかしながら「それ、noteで読んだ」という、
新たなコミュニケーションが出来そうな予感。
(またもお客様主導。他力本願である。)
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