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理想のキッチン検討会・第3回座談会②キッチンの動線

 前回は「理想のキッチン検討会」の座談会で、お気に入りの家電について語り合いました。今回は動線について語り合います。前回の記事はこんな感じです。

そのユーチューブ動画はこんな感じです。

2.コンロは右か左か? 冷蔵庫の位置は?

阿古:皆さんありがとうございます。家電はいろいろ欲しい、ということとスペースとの戦いだと思うので、その辺の折り合いがつくものを厳選して皆さん入れていらっしゃる。あるいは家電をずらっと置けるような棚を作るか、という感じになっちゃいますね。
 次の議題に移りたいと思います。この間フェイスブックで盛り上がったキッチンの動線の話。一番言うことがありそうなのは、やっぱり綛谷さんかな。
綛谷:私は、たぶん皆さんと逆で左手側に火があるほうが好きです。普通は右手側のほうが多いですよね。賃貸ではたまに左側があって。今現在私のキッチンは右手にある。
阿古:右利きなんですよね?
綛谷:右利きです。だけど、鍋やフライパンを左手に持っているから、左側にコンロがあれば右側から手を引いて箸を持つとかターナーを持つといったことができます
阿古:ほかの方は右にあるほうが使いやすいですか?
広瀬:私は左。たまたまなんですけど、妹の家も実家もコンロが左にあります。右か左かではなくて、キッチンの奥にコンロがあると間取り上決まっちゃっています。右と左で、使いやすい使いにくいはない。
有賀:私は右側しか体験していないかな。実家も団地とか住み替えているんですが、私が過去に住んだ2軒も右。両親が12年ぐらい山梨に家を作って住んでいたときは、唯一の左でした。使い始めるとどっちも意外と気にならない。人の体ってよくできているなと思います。
阿古:私は今の部屋が6年で右側にあるんですけど、その前に10年住んだ部屋は左にあったんです。壁があるので、左手の側が詰まっている感じで、狭さを感じました。何より換気扇がとても低い位置にあって、鍋中をのぞくときにしゃがまないと頭をぶつけるのがつらかったです。
有賀:圧迫感みたいなのを感じてたんでしょうね。
阿古:そうそう。右と左の問題ではなかった。今度のキッチンは右手側にコンロがあるんですけど、壁とコンロの間に10センチぐらいスペースがあるので、鍋をぶら下げるぐらいのことはできる。鍋1個置ければ便利なので、左右に余裕があるキッチンが一番使いやすいのではないかと思います。
有賀:10センチとか20センチの隙間ってすごく大事ですよね。ちょっと何か置きたいというときにすごく便利なんです。私が結婚してすぐに暮らしたところは、コンロ横に置き場所がなかったのが一番つらかったです。
阿古:ご実家は置き場所があったんですか?
有賀:実家のキッチンは広々していたので、気にならなかった。コンロの右側にまだ調理台がありました。
阿古:私は実家も含めて今まで、右側にスペースがあったことがないんですよ。鍋を壁にぶら下げることに憧れていたんですが、今回資料で読んだ中で「そこに置くと油跳ねで汚れるよ」というご指摘がありました。
綛谷:汚れます。
阿古:綛谷さんはコンロの右側に、調味料置き場を作っていらっしゃるじゃないですか。あそこはどのように成り立っているんですか?
綛谷:めちゃめちゃ掃除しなきゃいけないです。たまに調味料入れを一個一個拭いている。私は然それを全いいとは思っていませんが、調味料を置く場所がほかにないので苦肉の策です。
有賀:実際に人がどういう風に動くのかということは、考えられていることと考えられていないキッチンは全然違うな、ということをミングルを作って動線が変わったことで思いました。ミングルはなるべく動かないで作業できるようにしたので、ラクなんです。こんなにこれが楽なものなんだということは、改善された環境じゃないと気が付かないことがあると思います。日本の間取りもキッチンも似ているから、それが当たり前と思っているけど、動線って、本当はもっといろいろあるのかなと思いましたね。
阿古:冷蔵庫の話をしたときに、冷蔵庫置き場が奥にあって家族が入れない、という話が出たじゃないですか。私はそれでいうと、冷蔵庫が奥にあったことがないんです。結婚して最初に住んだ部屋ではキッチンに収まりきらなくて、ダイニングの入り口でキッチンの出口に当たるところに置きました。次の部屋は壁付の1列のキッチンで手前にダイニングテーブルがあったので、場所は気にしなかった。今はキッチンの入り口にあるんです。今度初めて奥になるんですが、その横に扉があるので人が入ってきて取り出すことはできる。だけど、一般的に奥にあるのが普通みたいです。
広瀬:冷蔵庫が手前かどうかより、コンロの位置が先に決まるのかもしれません。基本的にコンロは、キッチンの奥に置きます。妹が一級建築士で住宅メーカーに勤めているんですが、「火が危ないし、普通奥に置くんじゃない?」と言っています。そのうえで、冷蔵庫から材料を出して使うため、シンクの近くにあると便利という順番になります。
 妹の前の家は、奥のコンロの向かい側に冷蔵庫があったため、料理中に家族が飲み物などを取りに来るのがうっとおしかったそうです。それで、今の家は、手前にシンク、背中側に冷蔵庫を置く独立型のキッチンになっています。
 うちは間取り上、選択肢がないので、奥のコンロ横に冷蔵庫があります。でも、この話を先日聞くまで、不便とも思っていなかったんです。それは、キッチンの形が正方形に近いこともあると思います。
綛谷:設計士のうちの夫によると、壁がある側にコンロと換気扇を置きます。換気扇は配管の必要性から壁側に決まってしまうから。それに対してシンクの位置が決まり、冷蔵庫は壁際だよね、背が高いから。みたいな感じで配置していました。
阿古:見た目も大事みたいです。生活感を嫌う人たちがいるじゃないですか。冷蔵庫の生活感が嫌だから奥に置くみたいな感じ。
広瀬:今は家具っぽい冷蔵庫もあるから、生活感がないからわざと手前に出して使う方法もあります。
阿古:そういう潮流が最近出てきていますよね。キッチン中心みたいな間取りに。リノベの事例集ではキッチンを広くして部屋数を減らし、和室を追放し、みたいなプランが多い。キッチンを2列にして、ダイニング側を家具っぽくしてシンクのみ、という使い方をする人が多い。コンロもダイニング側に持ってきて、独立型になっている換気扇を置く人もいます。中には油跳ねガードもない心配な例もあります。キッチンを真ん中に持ってきてステージみたいに使えるのが人気みたいですね。
有賀:キッチンの動線以前の位置が変わってきているのかもしれませんね。
綛谷:部屋の真ん中にミングルみたいにね。
有賀:みんなのいるところ、みんなと一緒にと。夫婦で料理するようになると、そうなっていくんじゃないかと思います。隅っこの見えないところ、という感覚で作られている今の台所とは違う発想ですよね。
阿古:歴史の話にすでに入りつつありますね。ダイニングキッチンが1956年に公団で入ったときに、浜口ミホさんという女性建築家のほぼパイオニアの人が関わって作ったんですが、真ん中にシンクがあって、左に調理台、右にコンロというプランを提唱した。動かなくて済むので効率的という話だったんですが、なぜかその後はシンク、調理台、コンロという設計になった。あれはどこへ行ったんだろう。
広瀬:でもなんか、普通に考えると使いにくそう。
綛谷:水がポタポタこぼれそう。
有賀:いつ頃の方ですか?
阿古:戦前に建築家になった人なんです。満州生まれで。
有賀:私が子供の頃、祖父母の家に両親が同居していて、お手伝いさんがいたんですが、洗って調理する人と煮炊きする人が別だと、真ん中にシンクのほうが便利です。
阿古:公団キッチン導入は、お手伝いさんはいない前提なんです。ただ、欲を言えば調理台スペースがあって、真ん中にシンクがあって、さらにコンロとの間に調理台スペースがあると、調理台スペースの端っこは家電置き場や食材の一時置き場や配膳台にできる。シンクが真ん中か端っこか、じゃなくてできそう。
有賀:なぜそれを考えたのか興味深いですね。何か背景があったかもしれない。
阿古:浜口ミホさんは満州のお嬢さん育ちなので、結婚当初、旦那さんが料理を待っていたら「なんで私が作らなくちゃいけないの」と言って、そこから夫婦で家事シェアが始まった。
有賀:じゃあやっぱり、シェアするためのキッチンだったんじゃないですか。
阿古:そうかもしれない。彼女の発想のもとは、ドイツで開発されたダイニングキッチンの原型のものです。

 次回はいよいよ歴史の話に入ります。お楽しみに!

今回の座談会の動画は下記です。

 ユーチューブチャンネルは、こちらからご覧いただけます。チャンネル登録していただけるとうれしいです。


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