留学先の学校情報

まず香水の勉強がしたいと考えたときに、日本、海外、すべてのエリアで調香を学べる学校について調べました。
そして当時の私は、既に日本で大学を出て仕事を始めていました。
大学を出るころに香水を学んでみたいと思い始めたのですが、まずはお金を貯めるところから始める必要があったためです。

日本にある学校に行く場合、学生として学校に入り直すという選択肢と、仕事をしながら学ぶという選択肢がありました。
どの選択肢を取るにしても、地方出身者である私には、実家から通う事ができないため、かなり金銭的な負担がかかるものでした。
ただそこさえクリアしていれば、もともと文系出身者である私も関係なくすぐに申し込み可能でした。
インターンシップをして経験を積みたいと考えていた私にとって、日本の企業にはたくさんのフレーバリストの方はいらっしゃいますが、パヒューマーの方はとても少なく、理系大学生でもない当時の私がインターンシップ先を日本で見つけるのはとても難しいと感じました。

一方の海外の学校を調べたとき、アメリカにある学校FITで調香が学べます。
この学校では香水業界全体のこと、特にマーケティングなどを学ぶコースで調香の授業が少しあるといった感じのカリキュラムです。
実際にこの学校には足を運び、学校の方とお話をしましたが、調香師になるためにはこの学校のカリキュラムでは不十分だと思います。
香料業界のマーケティングの仕事をしたい方が知識として持っておくべき調香知識を学ぶといった内容のようです。

フランスにある学校はISIPCA、ここは調香を学び、その後香料業界で仕事をするために一番有名な学校で、調香師を目指す人が学びたい学校であり、この学校で学んだ調香師の方はたくさんいらっしゃいます。
この学校に入るためには化学、生物、薬学などの理系学科、もしくは農学部のディプロムが必要になり、更に私が渡仏する前に検索した当時は年齢制限もありました。
授業はフランス語と英語で受けられるコースがあり、フランス語のコースはエバリュエーター、品質管理、香りの分析や化粧品等、それぞれの項目に特化したコースも存在します。
フランスの理系大学は基本3年間で終了し、1年目終了、2年目終了、といったかたちでの学歴が残り、日本でいう中退は存在しません。
そして大学2年間までのカリキュラムを終了している場合に受講できるコースもありますが、それを履修したい場合、フランスの大学で2年間勉強した内容と同様のカリキュラムをすべて履修しているという証明が必要になり、
日本の大学を2年間終了していてもカリキュラムの組み方も違うと思うので、実質、日本では大学を終了している状態で、履修したいコースを選ぶ方が簡単だと思います。
どうしても日本の履修科目をフランスの学校のものと置き換えて途中入学したい場合は、それを証明してくれる機関(enic-naric)があり、そこへ書類を送付したり、履修科目や成績表を法廷翻訳してもらい学校に問い合わせることも可能ですが労力と時間がかかります。
この面倒な手続き、私はやりました。
そして実体験からあまりお勧めではないかなと。選択肢としてはこういう方法があるということを知っておくのはよいと思います。

次に南仏にあるGIP、こちらは外国人向けの調香コースがあり、授業は英語で受けることができます。
こちらの学校は1年間の調香、エバリュエーションの勉強と6ヵ月のインターンシップが含まれたコースになります。
年間生徒を12人しか受け入れず、更にそれぞれの生徒の国籍をばらけさせるため、実質1年に1人しか日本人の入学はできません。
国籍をばらけさせるのは、国によって香りの好み等が異なってくるため、それも含めて違いを学んでいくという指針のためだそうです。
入学するために理系のディプロムは必須ではありません。
こちらの学校には短期のサマーセミナーもあり、こちらの方は定員はありますが、国籍のしばりもなく気軽に誰でも申込み、参加可能です。

それからまだできて10年ちょっとくらいの新しい学校、L’École Supérieure du Parfumです。
この学校はパリと南仏に学校があり、どちらでも調香を学べますが、カリキュラムの内容が異なってきます。
授業もフランス語になり、入学には理系の高校を終了したという事を証明する必要があります。
ここで先ほどISIPCAの時に紹介した面倒くさい手続きが必要になってきます。
フランスは高校を卒業する際、バカロレアという試験を受ける必要があり、それぞれ試験は理系、文系、専門と別れており、ある決められた点数を取っていなければ高校卒業資格がもらえません。
フランスの理系高校を出ているのと同様の勉強を日本でしたという証明が必要になり、enic-naricでの証明書や履修科目や成績表を法廷翻訳してもらう必要があります。
そして入学すると、調香の授業や香料業界についてと化学や生物といった調香を学ぶのに必要な専門知識の勉強をし、マスター終了までの勉強が可能で、インターンシップも必須になってきます。

cinquieme sens、こちらの学校は少人数、短期の調香コースをいくつか自分の好みに合わせて取得して行くことになります。
授業はフランス語と英語の2択ありますが、フルタイムの授業ではないので、こちらの学校の履修による学生ビザ取得はできません。
しかし入学に際して理系がどうのという規定はありませんので、どのコースがいつ行われているというスケジュールに合わせていつでも
自分の学びたい事を選べます。
ただ取得したいコースとコースの間にかなり期間があいてしまうこともあるため、計画的に渡仏準備する必要やビザについても考慮しておく必要があります。

以上のことを踏まえて、当時の私がどのように考えたのかというと、地方出身者である私にとって、学校に入り直すには経済的条件が同であるならば本場フランスで学びたい!そしてインターンシップをしてみたい!というものでした。

私は高校は理系出身ではない、インターンシップはしたい、そしてインターンシップをするにはフランス語を学んでおいた方がいい、ということで、私が決めた留学プランは、まず渡仏後に語学学校に通い、その後南仏のGIPを目指そうというものでした。
ただこちらの学校、1年に1人しか日本人は入れないということだったので、何度か挑戦し、入学が難しい場合はcinquieme sensのコース履修と自分でインターンシップ先を見つけようと思っていました。

1年間英語圏の国に留学していた経験があったため、フランス語という言葉の壁についても当時の私は英語と同様、1年もあれば習得できるだろうとうあまく考えていました。
なぜあまいのかというと、フランス語は私が思っていた以上に何倍も難しかったからです。
私の時代、英語は義務教育で6年間は勉強しているため、どんなに英語が苦手な人でもベースはあるわけです。そして英単語って生活の中にあふれていますよね。
もちろん英語も難しいし奥深いのですが、1年頑張って勉強してコミュニケーションを普通に取れるレベルにはなった経験があったため、同じアルファベットの言語であれば同様に習得できるだろうと考えたのです。
フランス語のベースなんてゼロの私でしたが、その違いを当時の私は分かっておらず、専門用語さえ習得してしまえば英語のときと同じで何とかなると。

日本で仕事をしている間、私は簡単なフランス語の勉強をしていました。
地方にいる際に通っていたフランス語教室の先生はなぜかアメリカ人で、文法の質問をしてもその先生も答えられないこともあるといったレベルの授業。
その後東京へ引越して働いている間はフランス人のプライベートレッスンを受けていましたが、当時の私の仕事の関係や先生の予定などで、授業が不定期になってしまうこともあり、私のフランス語はそんなに伸びることなく、留学の時を迎えます。

ちなみに東京にある調香の学校の夜間コースに通いたいと考えたこともありましたが、当時の私の仕事のスケジュールを考えるととてもじゃないけど通えるものではなく、入学金を払っても通えない可能性の方が高かったため、残念ながら諦めました。
日本での夜間コースに行かないことで金も早く貯まりフランスへの出発も早まるということで少しのフランス語と調香に関する本を読み漁っていたのが渡仏前の私の準備になります。

さて、次の記事ではフランスへ渡ってからのお話していこうと思います。

以下学校のURLです。

■日本フレーバー・フレグランス学院
https://www.niffs.com/

■東京バイオテクノロジー専門学校
https://www.bio.ac.jp/

■FIT
https://www.fitnyc.edu/

■ISIPCA
https://www.isipca.fr/fr

■GIP
https://www.grasse-perfumery.com/

■L’École Supérieure du Parfum
https://ecole-parfum.com/

■cinquieme sens
https://www.cinquiemesens.com/en/

■enic-naric
https://www.enic-naric.net/index.aspx

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