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トットちゃんが伝えてくれること

寝る前の子どもたちにトットちゃんを読み始めて1か月。ほぼ毎日、ぽつぽつと読み続け、ようやく読み終わった。その経緯についてはこちらで。

最初はトットちゃんのおてんばぶりに目を丸くしながらケラケラ笑っていた子どもたち。自分たちと同じ目線でトモエ学園での日々を体感していた様子。それが、だんだんと終盤に向けて戦争の色が濃くなってくる。食べ物がなくなり、身近な人が出征し、親友を亡くしていく。

私が小学校3年生の頃は、まだ戦後50年と経っていなかった頃で夏になると戦争の映像がたくさん流れて、戦争体験の話を聞いて、はだしのゲンなんかで戦争の言葉なんかについて、多少は触れる機会があった気がする。
でも、うちの子に限って言えば「出征」や「赤紙」、「B29」なんかも知らなかった。

この一か月間、いつの間にかこの「トットちゃんタイム」の後に「質問タイム」が設けられることになっていて。子ども達から毎晩2つずつくらい質問をされていた。もちろん日々のくだらないことなんかを聞かれるのが主なんだけど、後半は戦争の言葉に触れて
 「なんで戦争は起きるの?」
 「いまは戦争ないんだよね?」
 「誰が戦争始めたの?」
なんてことを聞かれるようになった。

わかる範囲で、私の表現できて子どもがわかる範囲で説明をしたつもり。
でも日常でそんな話をする機会はあまりなく、自分のこととは遠い世界のことと感じている。子ども達に話しながら
 「18歳になったら必ず選挙には行きなさい。
  そうでないと戦争が始まっても文句は言えないってことだよ」とか
 「言論の自由がこの頃は全くなかったんだよ」とか
 「憲法9条ってのがあってね」とか
 「お父さんが戦争に行くのとか想像したくないよね」
なんて話をした。

まじめな話を、トットちゃんを通して「身近な目線」から話せたことはとても大きな実りだった気がする。そして学校の図書館にある「こども六法」も読んでみるといいよと話してみたら、本の虫の息子は興味をもったみたい。
これからは怖がることだけを恐れず、きちんと戦争の話はしていかないといけないなぁなんてしみじみ感じたり。終戦75年って本当に遠くなってしまったんだなぁ…

* * *

トットちゃんのお話があまりに素敵すぎて、子どもたちはずっとフィクションだと思って聞いているのがわかっていたので、ずっとぼやかしていたけれど。

読了してから「トットちゃんは実在していて、今も生きていて、パンダが大好きで、すごく頭がよくて勉強家で、日本のテレビ女優さん1号の人で、ユニセフの活動を行っている最高にクールで可愛らしい女性なのよ!」と話したら言葉を失ってびっくりしてた笑

録りそびれてしまった先週のNHKプロフェッショナルの黒柳徹子さんの回を録画予約したことを伝えたら大歓喜する小さな人たち。来週に一緒に観るのがとても楽しみ。どんな感想をもつのかな。

うちの子ども達にはそれぞれ発達障害があるけど告知はしていない。
いつか告知する時がくるだろうし、それはあんまり遠くない未来だと思うんだけど、その時もトットちゃんが力をまた貸してくれると嬉しいな、と母ちゃんは思うのです。


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